公開日 2026/02/09 15:25

ソニーもレグザもBDレコーダー生産終了、実質パナソニックのみに。それでもBDは死なない理由

アイ・オー「BDレコ」にも注目

本日2026年2月9日、ソニーがブルーレイディスク(BD)レコーダーの出荷完了を発表した。 

「いつかこの日が来る」と予感していたオーディオビジュアルファンは多かったはず。だが、BDの規格策定を主導し、2003年に世界初の家庭用BDレコーダー「BDZ-S77」を発売し、長年この市場を牽引したソニーの撤退は、やはり象徴的なできごとだ。

最近の流れを振り返りつつ、BDというメディアの今後、そして録画データの保存という課題について整理してみたい。

レグザに続く撤退。国産レコーダーの選択肢は狭まる

今回のソニーの発表は、決して突然のことではない。予兆はすでにあった。同社は昨年9月、BDレコーダーなどに対応したアプリ「Video & TV SideView」を2027年3月30日に終了すると発表していた。コンパニオンアプリが使えなくなるのだから、ハードも終了する方向性と考えるのが自然だ。

そしてつい先月、1月9日にTVS REGZAが「レグザブルーレイ」の生産終了を発表したことは記憶に新しい。かつて録画マニアを唸らせた名門の流れを汲むメーカーの撤退は、市場環境の厳しさを伝えるのに十分だった。

残ったのはシャープとパナソニックだが、このうちシャープについては、ここ最近、自社設計による新製品がリリースされていない。

かつて、各社が画質や機能、編集のしやすさを競い合っていたBDレコーダー市場だが、今や自社でハードウェアを精力的に開発し続けているのは、事実上パナソニックのディーガのみという状況になっている。なおパナソニックはつい先日、新モデルを発表したばかりだ。

放送からストリーミングへ。抗えなかった時代の波

なぜBDレコーダー市場はここまで縮小したのか。ふたつの要因が挙げられる。テレビ放送の受容のされ方の変化と、ストリーミングサービスの普及だ。

かつて多くの人は、放送時間に縛られずテレビ番組を楽しむために、レコーダーを必要としていた。しかし現在では、YouTubeやNetflix、Amazon Prime Videoといった映像配信サービスだけでも、消費しきれないほどのコンテンツがある。

テレビ番組についても、TVerやNHKプラスなどの見逃し配信で事足りるケースが増えてきた。その結果、「放送波を受信し、HDDに記録し、ディスクに焼く」という一連の流れは、多くの消費者にとって必要なくなってしまった。

「レコーダー」は終わっても「BD」は終わらない

ここで誤解してはならないのが、「BDレコーダーが終わりかけている」=「ブルーレイという規格が終わる」わけではないということだ。

いまメーカーが続々と撤退しているのは、あくまでテレビ放送の録画機としてのBDレコーダーだ。映画やアニメなどを高画質・高音質で楽しむパッケージメディア(市販のBD/UHD BDソフト)は健在であり、それを再生するBDプレーヤーやゲーム機は今後も残り続けるだろう。 

ストリーミングは便利だが、ビットレートが環境に依存する制約からは逃れられない。サービスやコンテンツ提供者側の都合で、突然作品データが消えることもあり得る。オーディオビジュアルファンや映画ファンにとって、物理メディアとしてのBDは、依然として最も安心できる、高品位なフォーマットといえる。

テレビ外付けHDD録画のリスクとアーカイブの重要性

さて、レコーダーの存在感が低下している今、注意しておかなければならないのは、現在多くの家庭で主流となっている「テレビの外付けHDD録画」のリスクである。

外付けHDDに録画するのは確かに手軽だ。だが、これには「テレビとの紐付け(ペアリング)」という制約がある。著作権保護技術の仕様上、HDD内の録画データは、そのテレビでしか再生できないことがほとんどだ。

もしテレビを買い替えたり、HDDが壊れたりしたら、録りためた番組が見られなくなることもある。「SeeQVault」といった互換技術もあるが、対応機器の組み合わせが複雑で、万全な普及には至っていない。

アイ・オー・データ「BDレコ」等への注目が高まっている

こうした状況下で、最近、PHILE WEBで多くのアクセスを集めたのが、アイ・オー・データ機器の、HDDの録画番組をBDにダビングできるドライブ「BDレコ」の記事だ

アイ・オー・データ「BDレコ」

「レコーダーを買うほどではないが、HDDの番組を消したくない」 「テレビを買い替えたいが、過去の録画データをすくい上げたい」そうしたユーザーの関心が、テレビの外付けHDDからBDへダビングできる周辺機器へ向かっている。 

レグザに続いてのソニーのレコーダー撤退は、大変寂しいニュースだが、これを機に、ご自身の録画環境を今一度確認してみてはいかがだろうか。

大切な映像を物理メディアに記録し、しっかり残す。ストリーミング全盛の時代だからこそ、手元に「物体」として残るディスクの価値を考え直してみたい。

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