公開日 2025/09/08 06:30

建築を活かした個性派大画面シアター、人が集まる空間にしたいから機器はできるかぎりビルトイン

【AV Kansai/リビングシアター】建築の個性を活かしてリノベ
編集部:平野勇樹
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AV Kansai大阪・堺店が手がけた兵庫県S邸のホームシアター

遊び心と驚きのある住まいを追求した

あまり一般住宅には見られない、大きなアーチを描く壁面と、およそ30畳はあろうかという広大なスペース。デザイナーズホテルや美術館のように、ホワイトを基調にした静謐な空間。ここが、今回ご紹介する映画館のある家の舞台だ。

「かつて歯科技工所だった個性的な建築物の骨組みを活かしながら、人が集まるスペースに生まれ変わらせる」というワクワクするようなコンセプトからスタートしたS邸のリノベーション。非日常を演出しながら豊かなコミュニケーションを育む、遊び心と驚きのある住まいを追求するなかで「大画面」が欠かせないピースになったという。家族で映画やゲームを楽しむだけでなく、ヨガ教室やセミナーを開くのにも、大画面の映像は欠かせない。

そこで、このプロジェクトを手がけるタニワ建築設計の谷和司朗氏は、構想段階からAV Kansai代表の岩元秀明氏とのタッグで、他のどこにもない空間をデザインしていった。モノトーンで静的なインテリアと、大胆なアーチを描く壁面のコントラストが凛とした緊張感を生む、アートを感じさせる大空間。その中心に大画面スクリーンが鎮座する。

テレビの前にオーエス製の120型スクリーンがするするとおりてくる2WAYシアター構成

LG ELECTRONICSの4K/HDR対応の65型液晶テレビを、子どもの手が届かない位置にウォールマウントにして設置

骨組みを活かした設置で機器の存在は感じさせない

まず、驚かされるのは、床に機材やケーブルがまったくないということだ。お子さんが集まったり、エクササイズを行ったりする空間だから、機器はできるだけ収納してしまいたい。そこでディスプレイからプロジェクター、スピーカー、各種コンポーネントまで、あらゆるオーディオビジュアル機器を住宅にビルトイン。柱や梁を活かしながら、一切の無駄なく、機器が極めて合理的に収納されている。

スクリーンは天井に収納されており、普段は存在を感じさせない。埋め込みスピーカーは指向性の広いUniQドライバーを搭載した、KEFのCiシリーズを選択している。音質にも妥協していないところがインストーラーらしい配慮

完全に遮光ができないリビング環境でも使いやすい高輝度設計となっている、JVCの4Kプロジェクター「LX-UH1」をチョイス。コンパクトかつお求めやすい価格ながら、JVC伝統のシネマ高画質を踏襲する実力機だ。梁をうまく生かして設置している

テレビを壁掛けにしている造 作は収納スペースにもなっていて、側面から扉(カギも付いている!)を開けると、レコーダーやAVアンプなどの各種コンポーネントが収納されている。とっても合理的!

家じゅうで心地よく音楽が楽しめる環境に

また、岩元氏は家じゅうを心地よい音楽で満たすことができるようにホームネットワークの仕組みも導入している。いつもスマホで聴いている音楽を、エントランスやデッキ、バスルームでも楽しむことができる。シンプルながら、できることは無限大に広がっている。

「この映画館のある家をアネックスと呼んで、家族や友人、ゲストと過ごすセカンドハウスにしています。ここで実現してみたいことのイメージが次から次に沸いてきて、最初に思い描いていたよりもずっと、ここで過ごす時間が増えていますよ」と笑顔で取材に応えてくださったSさんご一家。

おうち時間を楽しく、かつクリエイティブなものにしてくれる、完成度の高いホームシアターは、毎日の暮らしに彩りとインスピレーションを与えてくれる。

エントランスに埋め込みスピーカーを配置。ホームシアターだけでなく、家じゅうで心地よく音楽が楽しめる環境も整えている

スクリーン反対側はダイニングのように使えるスペースになっており、家族と過ごしたり、ゲストをもてなしたりする機能も備えている。イタリアのKartellのスツールや、モダンなシャンデリアなど、洗練されたインテリアも印象的だ

実はキッチンが扉の向こうに隠れている

(撮影:大野 博)

 

S邸ホームシアター概要

HOME THEATER DATA ●住宅形態:戸建/リフォーム ●家族構成:夫婦+子ども ●ホームシアターの広さ:約30畳 ●画面サイズ:120型+65型 ●サラウンド:5.0ch ●インストール内容:機器設置、システムプランニング、ホームネットワーク、音楽配信、家具アドバイスほか

SYSTEM LIST ●プロジェクター:JVC LX-UH1 ●スクリーン:オーエス SEC-120HM-R2 ●液晶テレビ:LG ELECTRONICS 65UK6500EJD ●ブルーレイレコーダー:パナソニック DMR-BG2050 ●AVアンプ:デノン AVR-X2600H ●フロントスピーカー:KEF Ci160QR ●センタースピーカー:KEF Ci160QR ●リアスピーカー:KEF Ci160QR

[INSTALL SHOP/INSTALLER]

Placeholder Image

AV Kansai 大阪・堺店

場所:大阪府堺市堺区車之町西3-1-1
TEL:072-228-7771
営業時間:10時00分 – 20時00分
定休日:水曜日
ホームシアターの視聴室:あり

インストールを担当した岩元秀明氏

[ARCHITECT]

建築設計を担当した谷和司朗氏

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