公開日 2026/03/24 06:35

お気に入り番組は、やっぱり手元に残しておきたい! 「BDレコ」で貴重な番組のサルベージに挑戦

5.1chサラウンド放送もディスク化成功!

アイ・オー・データ機器から年始に発表された「BDレコ」が想像以上の反響を呼んでいる。日本メーカー各社がブルーレイレコーダーからの撤退を発表する中で、あえて“ディスクで残したい”ユーザーを狙い撃ちしたBDレコ。日本独自の“エアチェック”&録画文化の歴史を振り返りながら、BDレコの使いこなしを検証!

I-O DATA「BDレコ(BRP-R1)」(オープン価格、市場想定価格は22,800円前後/税込)

日本独自に発展した「テレビ録画の文化」

東芝やソニーがBD/HDDレコーダーの生産終了を発表して以来、改めて自分の録画コンテンツを見直す人が増えているようだ。

そもそも“テレビ放送を録画する文化”は日本独特のもので、1970年代初頭のUマチック(3/4インチのカセットテープを使った初の家庭用ビデオデッキ)が発売された頃がその始まりだったと思う。とはいえUマチックは当時の定価で35万円ほどと高価で、報道機関や学校などでは使われていたが、個人で持っているケースはまれだったそうだ。

それ故に、当時の映画ファンやアニメファンはテレビの音声をカセットテープに録音して、それを聞きながら映像を記憶の中で蘇らせたり、テレビ画面をフィルムカメラ(デジカメやスマホなんて存在しない)で撮影して、お気に入り作品を“形ある物”として保存していたのだ。それくらい“コンテンツに飢えていた”ともいえる。

その後1975年にベータマックス、翌年にVHSが発売され、少しずつビデオデッキが家庭に浸透していった。しかしこの頃もビデオテープは高価で(2時間用が3000円ほど)、本当に好きな番組だけを録画して繰り返し見ていたものだった。

僕自身も自宅にビデオがなかったので、大好きな映画が放送される時にクラスメートにお願いして録画してもらったことがある。それからバイトに励んでビデオデッキを手に入れ、テープを自由に再生できるようになるまで2年ほどかかったけど……。

こういった“コンテンツ飢餓体験”をした人も多かったのか、1980年代にはお気に入り番組をビデオで録画するのは当たり前の習慣になっていた。その頃は、ビデオテープを数十本コレクションしている家庭も普通だったと思う。

エアチェック愛好家には見逃せないBDレコ

さて、本記事はアイ・オーデータのパソコン用ブルーレイレコーダー「BDレコ」のテストリポートだが、ここまではBDレコとはあまり関連のない内容に思えるかもしれない。しかし今後は、そのBDレコがエアチェック愛好家にとって見逃せないアイテムになりそうなのだ。

BDレコのパッケージ

近年は、BD/HDDレコーダーの登場やテレビにUSB HDDへの録画機能が搭載されたことで、ディスクメディアに番組を保存することが減ってきた。また動画配信サービスも普及し、映画やドラマ、ライブまで楽しめるようになっている。つまり、“作品を見るだけならわざわざ録画しなくてもいい”環境が出現したわけだ。そういった変化(技術の進化)もあり、録画用ディスクやBD/HDDレコーダーの製品数が減ってきたのはご存知の通り。

だが一方で、テレビでUSB HDDに録画した番組をディスクに保存したいという声も確実にある。

特にこの使い方では、著作権の問題からテレビとUSB HDDが紐づけられているので、テレビを買い替える、あるいはテレビが壊れると、USB HDDに録画した番組は見られなくなってしまう(SeeQValt対応機器は除く)。お気に入りコンテンツをなんとかサルベージしたいと思うのは当然だろう。

レグザとBDレコの組み合わせで“サルベージ”に挑戦

そんな悩みを解決してくれるのがBDレコだ。ブルーレイディスクドライブとダビングソフト「BDレコ for PC」、再生ソフト「BDミレル」がセットになったもので、USB HDDに録画した番組をPCにムーブし(LANまたはWi-Fi経由)、PCからディスクに保存するという流れだ。

BDレコ本体にはUSB-Cコネクターを採用する。付属ケーブルを使えば、USB-A/CどちらでもPCとの接続が可能

そこではDTCP-IP(Digital Transmission Content Protection over Internet Protocol)の仕組みを使っているので、テレビもDTCP-IPに対応している必要がある。具体的には、パナソニック・ビエラ(Fire TV搭載機を除く)やレグザなどのテレビ、ひかりTV/スカパー!チューナー、アイ・オー・データのネットワークHDDなどが対応機種とのことだ(同社サイトで動作確認モデルを紹介している)。

「BDレコ」には、ブルーレイディスクドライブとUSBケーブルが同梱されている。ダビングソフト「BDレコ for PC」と再生ソフト「BDミレル」は、ダウンロードで提供

幸い我が家のレグザ「55X9400S」は対応テレビだったので、早速USB HDDからのサルベージを試してみた。なおレグザのタイムシフトマシン機能で録画した番組は、一旦通常録画用のUSB HDDにムーブしてからBDレコで保存することになる。

PCはdynabook XPZシリーズ「XP/ZY」を借用した。Windows 11 Home搭載モデルで、CPUにはIntel Core Ultra 7プロセッサー258Vを、さらに32GBメモリーと1TB SSDを内蔵したノートPCで、LAN端子もついているのでUSB HDDからのムーブも確実に行えるはずだ。

dynabook XP/ZYとBDレコをつないで、USB HDDに録画した番組のディスク保存に挑戦

4年間取り出せずにいた、『スパイの妻』をディスク化

dynabook XP/ZYにBDレコ for PCをインストールし、レグザと同じネットワークにつないで(どちらも有線接続)操作をスタート。

今回は2022年にNHKで放送されたドラマ『スパイの妻』をディスクに保存した。この番組は8K/22.2chで制作されたもので、NHKでは2K/5.1chで放送された。

これをUSB HDDに録画し、内容が面白かったのでディスク化したいと思っていたのだが、その後再放送がなく4年間そのままになっていた。

BDレコの指示に従いドライブに録画用ディスクをセット、「テレビ操作モード」からダビングしたい番組を選ぶ。ここでUSB HDDからPCに番組データをムーブするわけで、事前にPCのストレージに番組を保存するだけの空き容量があることを確認しておくのもお忘れなく。

BDレコ for PCを起動すると、この画面が表示される。認証ドライブを自動的に判別する仕組み

録画用ディスクを入れるとこの画面に移動する。なおBDレコでは、一度記録したディスクに追記はできないので注意が必要だ(BD/HDDレコーダーでの追記は可能) 

残したい番組をUSB HDDから一旦PCにムーブし、その後PCからディスクに保存する仕組みだ

続いてディスクに番組を保存する。ここでは「画質優先でダビングする」「最小枚数でダビングする」「手動設定」から保存方法を選べる。「手動設定」には、「最高画質」(録画時のレート)と「高画質」「標準画質」「長時間画質」の3種類のレート変換機能も準備されている。「画質優先でダビングする」なら録画時のレートでディスクに保存されるので、今回はこれをチョイス。あとはダビングが終わるのを待つだけだ。

ダビング方法の「手動設定」には4つのモードが準備されている。オススメはDRのまま保存できる「最高画質」です!

もともとアイ・オー・データではBDレコを企画する際に、できるだけ簡単な操作で番組を残せることを重視したそうで、細かな設定なしで使えるように配慮されている。ファイルウェブ読者のように録画スキルの高い人は「手動設定」から最適なモードを選ぶといいだろう。

USB HDDに録画した番組をレグザの「ダビング」機能でPCにムーブする。レグザとの組み合わせでは、「テレビ操作モード」から操作すること

ムーブ先に「BD RECO」が選ばれていることを確認して、ダビングをスタート

「BDミレル」で再生、柔らかな印象の絵が楽しめる

出来上がったディスクを、dynabook XP/ZYで再生する。ディスクを入れるとBDミレルが立ち上がり、再生が始まった。一連の動作はレスポンスがいいし、これならPCでブルーレイを見るという場合でもストレスを感じることはないだろう。

14型ワイドUXGAモニター(水平1920✕垂直1200画素)でハイビジョン映像を再生すると、柔らかな質感ながらディテイル情報もしっかり再現されている。この作品は8K制作で、放送では2Kダウンコンバートしているが、その恩恵もあってか蒼井 優の肌の質感も滑らかで、肌理も細かいし、家具や腕時計の光沢、衣装の質感までよくわかる。

音声はAAC 5.1chをリニアPCM 2chに変換・再生しているようで、内蔵スピーカーの音はやや控えめ。派手な音作りではないが、もう少し低音感があるといいなぁという気もする。

試しにKEFのヘッドホン「Mu7」を有線接続すると量感も出てきて、高橋一生の抑えたセリフのニュアンスも感じられる。これならドラマに一層のめりこめるだろう。

さらにBDレコで録画したディスクを、パナソニックのBD/HDDレコーダー「DMR-ZR1」で再生、ヤマハのAVアンプ「CX-A5200」でサラウンド再生した。もちろんディスクはすんなり認識され、5.1ch音声もクリアに再現できている。

『スパイの妻』をダビングしたディスクをBD/HDDレコーダーで再生した。ちゃんとAAC 5.1chで保存できている

蒼井 優が密航するシーンでは、天井(甲板)から響く足音がリアルで、22.2chからダウンミックスした効果も感じ取れる。この作品をサルベージできたことは“BDレコに感謝!”だ。

「最高画質」なら、5.1ch音声もそのまま残せた!

ということでBDレコは、お気に入り番組の残し方について悩んでいたエアチェックファンに是非試してほしいアイテムになっていた。録画用ディスクの読み込みなどで時折ナーバスになることもあったけれど、操作もシンプルで使い方で困ることはない。何より、「画質優先」を選べば5.1chサラウンド音声もそのまま保存できるのも嬉しい。

他にもいくつかの番組でBDレコの動作を検証した。大河ドラマなど約90分をUSB HDDに録画し、テレビからPCにムーブする時間が有線とWi-Fiで違うかを試したところ、結果はどちらも13分弱と大きな差はなかった。ちなみに我が家はWi-Fi7環境で、それなりの転送スピードを確保できているのも一因かもしれない。

続いて録画時のレートで保存する「画質優先」と、画質変換処理が入る「標準」でディスクへの記録時間にどれくらい差があるかも試す。こちらは「画質優先」で15分弱、「標準」では42分弱と3倍違い差があった(ディスクはどちらも6倍速BD-R DL)。

「標準」記録の画質は、55X9400Sで見る限り「画質優先」と極端な差は感じない。スケートリンクやジャンプ台の雪などの白の階調感がややあっさりになっているくらいだろうか。

試しにプロジェクターのビクター「DLA-V900R」で110インチスクリーンに投写すると、「標準」記録ではドラマの衣装のきめ細かさ、背景との馴染み具合が少し大味に感じられた。最近は録画用ディスクも(昭和の時代に比べれば)お手軽価格で手に入るので、せっかくなら「画質優先」で残すことをお勧めする。

BDレコ for PCのトップ画面から、録画用ディスクの購入サイトに移動できる。これも快適に使って欲しいという開発陣の思いの現れだろう

「BDレコ」は貴重な番組を残しておきたいユーザーに愛される製品

さてそんなBDレコは発売から大人気で、現在入荷待ちのお店も多いそうだ。それを受けてか、アイ・オー・データではBDレコに同梱されているダビングソフトの単品版「BDレコ(BDRC-APP)」の販売をスタートしている。Microsoftストアからのダウンロード購入で、価格は3,278円(税込)。

MicrosoftストアからBDレコアプリのみを単体購入可能。アイ・オー・データ製のドライブと組み合わせれば同じ使い方ができる

このアプリとアイ・オー・データ製の対応ドライブ(同社サイトで確認可能)を組み合わせれば、BDレコと同様にUSB HDDからのディスク保存が可能になるので、対応ドライブをお使いの方ならかなりお得といえる。BDレコと同時発売されたBDライター「BRP-W1」とBDレコ(BDRC-APP)の組み合わせもお薦めだ。なおこのソフトはDVDドライブでも使えるそうだ。

日本のテレビ放送は内容的にも充実しているし、音楽やドキュメンタリーなどで配信やパッケージにならない番組も残念ながら多い。そういったコンテンツを手元に残しておきたいという思いは今後も受け継がれていくと信じたい。アイ・オー・データのBDレコはそんなユーザーに愛される製品として注目されるだろう。

 

「dynabook XP/ZY」は、動画再生も快適に楽しめる機能性の高さが魅力

今回BDレコと組み合わせるPCとして、dynabook XP/ZYを選んでいる。インテルCore Ultra 7プロセッサー258Vを搭載したハイスペックモデルで、BDレコもスムーズに動作していた。録画ディスクやBDソフトも快適に再生してくれるので、映画をPCで楽しみたい場合には最適だ。もちろんYouTubeなどの動画配信サービスも高品質に楽しむことができる。AI PCとしても便利に使えるオススメノートパソコンの代表格だ。

ノートパソコン「dynabook XP/ZY」 オンラインストア価格税込264,880円(Officeなし)

本体右側面にはLAN端子やUSB-A/Cコネクタを搭載。USB HDDからのムーブではLAN端子が活躍するだろう

本体左側面にはHDMI出力も搭載。これをモニターやテレビにつないで、dynabook XP/ZYでブルーレイディスクを再生、大画面で楽しむこともできる

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