公開日 2023/07/14 06:30

配信で“声映え”する良いマイクを使いたい!オーディオテクニカ「AT2040USB」と「AT2020USB-X」、どっちを選ぶべき?

日本を代表するマイクブランドの2本を検証

迫力ある表現の得意な「ダイナミック型」、繊細で自然な「コンデンサー型」

結局やはり「ダイナミック型かコンデンサー型か」で選ぶことになるだろう。今回はその違いを、動作原理等はさておき、「ストリーマーやクリエイターが選ぶ上でのポイント」に絞って見ていこう。

●ダイナミック型(AT2040USB)
音調としては厚みや迫力の表現が得意。小さくて細やかな音や周囲の幅広い範囲の音を拾うのは苦手。だがそれは部屋の空調音や周囲のザワザワをあまり拾わないという強みにもなり、防音室などが整っていない環境での使いやすさにもつながる。

●コンデンサー型(AT2020USB-X)
音調としては繊細で自然な表現が得意。小さくて細やかな音もしっかり拾ってくれる。録音環境次第ではノイズ等も拾いやすいが、ボーカルやアコースティック楽器の録音クオリティ向上には特に有効な選択。

なおAT2040USBはハイパーカーディオイド=超単一指向性という特性に作られており、ダイナミック型の中でも特に収音範囲が絞り込まれている。ダイナミック型の中でも特に、周囲の余計な音は拾わず配信者の声だけを的確に拾ってくれるマイクというわけだ。

AT2040USBは背面に端子などの操作系統がまとまっている

本体のミュートボタンを押すだけで簡単にミュート。ミュート時はボタン周りが赤く光る

ちなみに、AT2040USBにはXLR出力タイプの「AT2040」、AT2020USB-Xには同じくXLR出力タイプの「AT2020」、およびAT2020USB-Xをプロフェッショナル仕様へと機能向上させた「AT2020USB-XP」というバリエーションも用意されている。ダイナミック型/コンデンサー型というタイプの違いのほか、接続方式などでも使用シーンに応じたモデルを選べるのがオーディオテクニカらしい。

ダイナミック型とコンデンサー型、声質はどう変わる?

ここからは実際にテスト収録しての音の印象をお伝えしていこう。

まずはトークコンテンツ収録、あるいはゲームのボイスチャットやウェブ会議での使用を想定したテスト。低価格で購入できる一般的な通話用ヘッドセット、AT2040USB、AT2020USB-Xを用意し、共通の文章を男性編集者に読み上げ収録してもらった音源を比較した。

ヘッドセットのブームマイクは至近距離から口元を狙うので、「周りの余計な音は拾わず声だけ拾う」の一点においては優秀。しかし声の厚みやニュアンスの表現は弱い。

続いてダイナミック型のAT2040USBにすると、声の厚みが驚くほどに出てくる。テレビやラジオで聞き慣れた「マイクを通した声ならではの良質な肉声感」が生まれ、説得力も増す印象だ。男性の低い声とのマッチングという意味でも良好。

AT2040USBを使うと声に厚みが生まれ、「マイクを通した良質な肉声感」が得られる

コンデンサー型のAT2020USB-Xは、最初に多目的ルームで収録した際には残念な結果だった。がらんとした部屋で声が響きすぎるため、その響きの成分まで拾ってしまい、ボワボワした聞き取りにくい声に。

そこで部屋の響きを整えてあるオーディオ試聴室に移動。すると今度は抜けや明るさがあり、通りの良い声となった。目の前で直に聴く声の印象にも近い。

コンデンサー型のAT2020USB-Xは、音の響きすぎる部屋では響き成分まで拾ってしまう。逆に音の響きすぎない部屋で使うと「目の前で直に聴く声」に近い印象が得られた

音調については好み次第。だが部屋の響きや騒音を整えきれていない配信環境では、周囲の環境に左右されにくい安定感のある、ダイナミック型のAT2040USBが安心かもしれない。

次ページオーディオテクニカ協力、AT2040USBとAT2020USB-Xで「歌ってみた」

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