公開日 2017/03/31 11:48

エソテリックの妥協なきハイレゾ再生 ー ネットワークプレーヤー「N-05」&プリメイン「F-05」を聴く

注目のハイレゾ対応製品をチェック
エソテリックは早くからハイレゾ対応を進めており、デジタルプレーヤーを中心に着実に機種を増やしてきた。そして2016年には本格的なネットワークプレーヤーを発売し、またプリメインアンプ“Fシリーズ”ではオプションボードによるUSB入力対応を果たした。本稿では、プリメインアンプ「F-05」とネットワークプレーヤー「N-05」の2機種によるハイレゾ再生能力を検証する。

試聴の目的と紹介する2モデルの概要
新しいFシリーズはボードで対応し、初のネットワークプレーヤーも試聴


Fシリーズは、2016年に登場したエソテリックの最新のプリメインアンプである。3機種をラインナップするが、その中核のモデルが「F-05」。概要は後述するが、バックパネルにオプションボードのD/Aコンバーター「OP-DAC1」を追加し、PC等を使用することによってDSD 11.2MHz、PCM 384kHz/32bitまで対応することができる。

「F-05」¥700,000(税抜)

一方「N-05」は、ネットワークオーディオプレーヤー機能をはじめとした多機能な製品だ。このモデルも2016年の4月に登場したが、意外なことにこのジャンルとしてはエソテリック初の製品である。

「N-05」¥550,000(税抜)

いずれも同ブランドの妥協のない作りを持っているが、これらを使うことによって、シンプルなシステム構成でハイレゾを楽しむことができる。今回はそのポテンシャルを探ってみた。

F-05によるハイレゾ再生クオリティ
しっとりとした音場の中になめらかな音が聴こえてくる


F-05はエソテリックブランドの多くの製品がそうであるように、洗練された堅牢なアルミのボディの中に、デュアルモノラルに配置されたフルバランスの回路を採用。音量調整はL/Rとホットとコールドごとに独立させた合計4回路それぞれを、ラダー抵抗切り替え型ボリュームを電子制御でコントロールして音量調節する方式だ。

F-05のデュアルモノ・フルバランス・プリアンプ(右)と、L/R独立のデュアルモノ入力アンプ(左)

電源部には940VAの容量を持つEI型電源トランスや、チャンネルあたり10,000μF×4本のコンデンサーを採用。出力トランジスターとしては、瞬間34アンペアを出力できる大型のバイポーラトランジスターのLAPTを採用し、これを3パラのプッシュプルの3段ダーリントンに構成している。

これらはGrandiosoシリーズで採用されたトランジスターであり、回路構成でもある。結果として4Ωで240Wの出力をギャランティしている。オプションボードのOP-DAC1は、旭化成エレクトロニクス社のDACデバイス「AK4490」を使った各チャンネル差動2回路で構成している。

オプションの「OP-DAC1」(¥80,000/税抜)は、DSD対応DACボード。USB入力はDSD2.8/5.6/11.2MHz、PCM384kHz/32bitに対応。DSDネイティブ再生となる

試聴は、Windows(再生ソフトはエソテリックHRオーディオプレーヤー)とUSBケーブルで接続し、TANNOYの「Kensington/GRにPrestige GR SuperTweeter」を付加したものを使用して、エソテリックの試聴室にて行った。

音源は、打ち込みサウンドのポップス(山下達郎『ソノリテ』)、クラシック(『ストラヴィンスキー《春の祭典》』)、アコースティックライブ(エリック・クラプトン『アンプラグド』)、そしてギター弾き語りに電子音や紙を擦る音などの入ったDSD(大友良英+高田漣『BOW』)などを試聴。その結果をまとめてレポートしてみよう。

まず印象的なのは、デジタル臭さのない、メロウで耳あたりの良いトーンなこと。暖色系の色彩感で音楽を丁寧に描いてくる。PCからの高周波ノイズ等への対策もきちんとされているようで、音場空間の見通しの悪さだったり、スモーキーな感じなどもしない。音像自体の大きさは標準的で、あえて言えば細部の描き込みはそれなりだが、しっとりとした音場の中になめらかな音が聴こえてくる

次ページN-05&F-05のハイレゾ再生音質をチェック

1 2 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードの音楽を読み取って光るターンテーブル。オーディオテクニカ「Hotaru」一般販売スタート
2 ダイソンとPORTERがコラボした特別デザインのヘッドホンとショルダーバッグ。全世界380セット限定販売
3 LUMINの進化は終わらない。初のディスクリートDAC搭載「X2」の思想を開発担当者に訊く!
4 Spotif、2025年に最も聴かれた邦楽は「ライラック」。国内外で最も聴かれた楽曲・アーティストの年間ランキング発表
5 DUNU、7ドライバー/トライブリッド構成を採用したイヤホン「DN 142」
6 カセットテープとともに過ごすカフェ「CASSE」。12/17渋谷でグランドオープン
7 Vento、3次元特殊メッシュを採用したハイブリッド拡散パネル「DAP180 / DAP120」
8 AVIOT、最大120時間再生と小型軽量を両立したオンイヤー型Bluetoothヘッドホン「WA-G1」
9 サンワサプライ、省スペース設置できる木製キャビネットのサウンドバー「400-SP120」
10 アイレックス、ALBEDO/AUDIAブランド製品の価格改定を発表。2026年1月1日より
12/5 10:47 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX