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公開日 2017/02/20 12:15

オーディオアースの革命か? Telos Audio Design「Grounding Noise Reducer」レビュー

驚異の注目ブランド上陸。そのサウンドに迫る
岩井 喬
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オーディオアクセサリーの世界には、時にその常識を大きく変えてしまうような製品が登場する。今回、本項にてご紹介するテロス・オーディオ・デザイン(テロス)は、独創的なアイデアを高い技術力でまとめあげた製品ばかりをラインナップする、まさにいま最も注目すべきブランドのひとつである。この度、日本上陸第一弾として紹介される「Grounding Noise Reducer(GNR)」も、CPUなどを活用した上でアクティブに基準電圧を生成するというユニークなもの。しかしその効果は、これまでのオーディオアースではなし得ることができなかった「理想」を見事に実現した、驚異的なアイテムである。GNRを導入することで、リスナーはどのような世界を体験できるのか。岩井 喬氏がそのサウンドをレポートする。

理想のアースを作り出すこれまでにない製品

テロス・オーディオ・デザイン(以下、テロス)は、2006年台湾で誕生したオーディオブランドである。開発している機器はいずれも独創的かつ高い技術力に裏づけられた効能の高い製品ばかりであり、ここ日本でこれまでに取り上げられていないことが不思議なくらいだ。その個性溢れる製品は、100kHzまでの広帯域で消磁を行う「Quantum Magnetic Tuning」や、消磁機能を応用したフューズ「Quantum X2 Fuse」など、ユニークなアイテムが揃う。こうした製品の中で、まず国内で紹介されることが決まったもののひとつが仮想アース「Grounding Noise Reducer(以下、GNR)」である。

グラウンド・ジェネレーター「Grounding Noise Reducer」¥600,000(税抜)

アースは本来、感電防止などの保安的観点から設けられたものであり、施工の状況によっては中性線(ニュートラル線)と結ばれているケースもないとは言えない。中性線と結ばれている場合、インバーターを用いたエアコンや照明器具、PCなどのスイッチング電源からの干渉が問題となる。また専用のアース線を用意している場合も、住宅環境によって接地抵抗が高めとなってしまうことがあり、ノイズの逆流も起こりうるのだ。このような環境でオーディオ装置にアースを繋ぐと逆に音を悪くしてしまうが、理想的にアースを活用すればオーディオ機器内のシャーシ電位を下げることでS/Nを向上させ、音場再現性や音像定位の明確さにおいて効果を発揮する。

では、どのようにそのアースの理想環境を作り出すかである。ひとつの回答としてオーディオの世界で多く用いられているのが、接続機器のシャーシ電位を引き下げる効果を持つ仮想アースだ。

オーディオアクセサリーの世界でも仮想アースに取り組むアイテムがいくつも登場しているが、その多くはパッシブタイプであり、効果の範囲も限定的である。一方、テロスのGNRはCPUチップの高度な演算を生かしたアクティブタイプの仮想アース機器となっており、アースの基準値となる電圧を緻密に計算し生成する(シャーシ電位を0Vに極力近づける)という、これまでにないオーディオアクセサリーなのだ。

点滅するLEDがノイズエネルギーを放出

GNRは重量のあるアルミブロック削り出し筐体を用いており、電源部と2系統のアース基準電圧生成回路を分離して配置した構造となっている。背面中央部にIEC 3PコネクターによるAC入力を置き、その両端に3本ずつ、合計6本の大型バイディングポストを装備。この2系統の回路は分離した構造であり、実際に使う際は片方をDACやCDプレーヤーなどのデジタル系に、もう一方はアンプなどのアナログ系に分けて使うとより効果を発揮するという。各オーディオ機器とアースを結ぶ両端Yラグ端子状ケーブルのほか、一方にRCAプラグを装着したケーブルも用意されており、アース端子(グラウンド端子)を持たないオーディオ機器とも繋ぐことが可能だ。

GNRのリアパネル。端子への接続はIECインレットを中心として片方側にCDプレーヤーやD/Aコンバーターなどのデジタル系、もう片方にプリアンプやパワーアンプ、フォノイコライザーなどのアナログ系の機器を接続する。端子類はWBT製を採用する

天板はスモークブラウンのアクリルパネルが取りつけられ、内部構造が見えるつくりである。動作時、両端に設けられたアース基準電圧生成部の回路上へ円形に配されたLEDがせわしなく点滅するが、これも機能上必要な機構であるという。その点滅が多いほど、使用環境の電源がほかの電子機器によって影響を受けている環境下であり、問題となっているノイズエネルギーを放出し、基準電位を下げるべく生成回路が活発に動作していることを示しているそうだ。

純粋に繋いだ分だけ音質も改善される

試聴では自宅のレファレンス環境を使い、最下流となるパワーアンプ(アキュフェーズA‐70)単体で繋いだ状態からスタートし、プリアンプ(同C‐2850)を追加して繋いだ場合、そしてデジタル系のSACDプレーヤー(ラックスマンD‐06)をアナログ環境に追加した場合と、積み上げ式での効果を確認してみた。なおスピーカーにはTAD‐CE1を用いている。

次ページGNRを繋ぐとサウンドはどう変化するのか

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