公開日 2016/03/18 14:42

ソニー「α7S II」でオーロラを撮影! 暗所撮影能力は極寒の地でも発揮されるか?

手持ちでオーロラ撮影にチャレンジ

そして次の日。午後3時を回ると周囲は徐々に暗くなり始める。夕食を早めに取り、レンタカーでオーロラの観測ポイントへ出掛けてみた。その日は満月。時折雲がかかるものの、辺りは明かりがまったくないのにも関わらず周囲を十分に確認できる。

しかし、ここでもオーロラの姿は見えない。2日目もダメか。そう思い始めた時、日本でロヴァニエミから発信しているオーロラのライブカメラを思い出した。スマホで探してその映像を見ると……・出ている、オーロラが出ている。しかも5分前の映像だ。場所はどこなのか。Googleマップで探すと北へ約80kmほど行ったところとわかった。もう向かうしかない。

Googleマップに従い国道をひたすら北上し、分岐点を曲がると道路は急に狭くなり始めた。少し心細くなり始めたが、“オーロラを見るため”と心に言い聞かせそのまま進む。4kmほどで明かりが見えた。どうやら宿泊用ロッジらしい。だが、ここでもオーロラが見えている様子は窺えない。

もう一度ライブカメラの映像を確認してみることにした。すると、うっすらとではあるがオーロラが見えている。目を凝らすと確かにそれらしきものが見えないでもない。ここでα7S IIを構えてみる。「いる!いるよ!オーロラが映ってる!」確か、私はそのように叫んだと思う。肉眼ではほとんど見えなかったオーロラがα7S IIでは鮮明な帯を映し出していたのだ。これが高感度カメラの実力か。

最初に姿を見せた時のオーロラ。この時は肉眼ではうっすらとしか確認できなかった(ソニーα7S II:28mm F2.0 1/6秒 ISO12800 )

■手持ち撮影でもオーロラが楽に撮れた

気温はこの時も-28度。そんな寒さも忘れて私は夢中で撮影を始めた。ただ、いつ消えるか不安で三脚をセットしている時間も惜しい。しかし、驚いたことにα7S IIは手持ちで十分に対応してくれる。撮影した画像を一つひとつ拡大しながら確認したが、手ブレを伴った画像はほとんど見当たらなかったほど。低ノイズの高感度センサーと実用的な5軸手ブレ補正が組み合わされ、三脚は必須と言われていたオーロラが手持ちで楽に撮れるのだ。

一旦は消えて再び姿を現したオーロラ。帯がフワフワッと揺れ動く様子を初めて確認できた (ソニーα7S II:28mm F2.0 1/8秒 ISO12800 )

帯が決めると今度は風になびくような格好に姿を変えた(ソニーα7S II:28mm F2.5 1/8秒 ISO12800 )

そして、動画撮影にも挑戦。28mmのSEL28F20を使い、ブレないように息を殺してオーロラを狙うが、画面の揺れはほとんどない。静止画に比べて若干暗く放ったものの、フワフワと動くオーロラが鮮明に捉えることができたのだ。静止画だけでなく、動画までも捉えることが出来るなんて、ホント運がよいとしか言いようがない。



また、α7S IIの広いダイナミックレンジを実感したのは、この場所へ向かう途中、車内から前方の風景を撮影してみた時だ。通常ならヘッドライトで照らされる範囲だけが映り、それ以外は暗く沈むのが一般的。それがα7S IIはライトで照らされていない部分のデティールもしっかりと映し出す。つまり、人間の眼で見たナイトドライブの雰囲気がそのまま表現されるのだ。

国道を走っている時の画像。ヘッドライトに照らされた様子がリアルに映し出された(ソニーα7S II:22mm F2.0 1/60秒 ISO12800 )

さらに、この日一緒に出掛けた同行者との記念写真、月明かりだけで十分な明るさで映し出したのにも衝撃を受けたが、ノイズが少ないためにJPEGで撮影した画像であっても少し補正するだけで、真昼のように仕上がげることができたのだ。

記念写真に補正を加えたがノイズはほとんど目立たない (ソニーα7S II:28mm F2.0 1/6秒 ISO12800)

記念写真の元の写真。若干暗めではあるが、月明かりだけでここまで撮れた(ソニーα7S II:28mm F2.0 1/6秒 ISO12800 )

北欧の冬は日が暮れるのが早い時期。否応なしに光りが足りない中での撮影も強いられる。そんな中でも敢えて低感度に設定して美しいボケ味を楽しむこともα7S IIなら手持ちで楽に出来てしまう。いつ現れて消えるかわからないオーロラ撮影だけに、α7S IIが最適な一台であることを確信した次第だ。

ロシア正教会「ウスペンスキー寺院] の中。薄暗い中、ここでも手持ち撮影(ソニーα7S II:16-35mm F4.0 1/160秒 ISO8000 )

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