公開日 2014/06/09 10:26

ソニーの万能コンポ「MAP-S1」レビュー(後編) CD資産も最新ハイレゾも高音質再生!

【特別企画】連続レビュー第2弾
ソニーからこの春、DSDのネイティブ再生や192kHz/32bitまでのハイレゾ再生、さらにUSB-DACやCD再生機能、ラジオチューナー、DLNA、AirPlay、Bluetoothなど、マルチに使えるオーディオシステム「MAP-S1」が登場した。多機能性だけでなくその音質も高く評価され、「VGP2014 SUMMER」において「リビングオーディオ大賞」と、システムオーディオ/ハイコンポ ハイクラス(10万円以上)部門の「金賞」をダブル受賞した。前編に引きつづき、鴻池賢三氏によるレビュー後編をお届けしよう。

ソニーのハイレゾ対応マルチオーディオプレーヤーシステム「MAP-S1」¥OPEN(予想実売価格7万円前後)。本体色はブラックとシルバーの2色を用意する。MAP-S1は「VGP 2014 SUMMER」において「リビングオーディオ大賞」を受賞。MAP-S1とスピーカー「SS-HW1」の組み合わせは、「VGP 2014 SUMMER」システムオーディオ/ハイコンポ ハイクラス(10万円以上)部門において金賞を受賞した

オーディオブーム、再び到来

筆者は40代半ば。同世代を代表してオーディオ歴を振り返ると、学生時代はFMラジオのエアチェックに始まり、レコードを少し経験した後、CDの登場でオーディオに深くのめり込んだ。

創生期のCDプレーヤーは数万円と高価で、少ない小遣いを手に、どのモデルが良いか何ヶ月も悩んだのが懐かしい。狭い部屋にもかかわらず、当時憧れだった重量級のアンプや巨大な3ウェイスピーカーも揃えた。ケーブルやセッティングも吟味し、毎日、CDの透明感溢れるサウンドに聴き入った。同年代の男性なら、程度の差はあれ、同様の経験をお持ちではなかろうか。

しかし時は流れ、オーディオとの距離感に変化が生じた。30代は仕事もプライベートも何かと忙しくなったし、パソコンの普及に伴って、PCやポータブルオーディオを使うケースが増え、自宅でオーディオにじっくりと向き合う時間が少なくなったのだ。重厚長大なオーディオ機器は昔ほど使わなくなり、コレクションしたCDを聴く機会も減った。

そんな中、かつてのオーディオ少年の心をときめかす話題が登場した。CDの音質クオリティーを超える新しいオーディオ「ハイレゾ」である。「ハイレゾ」という言葉はオーディオ専門誌だけでなく、新聞の見出しでも見かけるようになった。若者やマニアのニッチな趣味と思われていた「ハイレゾ」が、ここ最近は市民権を得て、中高年の関心も高まってきたのは間違いない。

ハイレゾを始めるのに適したソニー「MAP-S1」

ハイレゾを始めるには、ハイエンドのコンポーネントからポータブルまでいろいろな方法があるが、かつてのオーディオ少年に注目してほしいのが、ソニーのハイレゾ対応マルチオーディオプレーヤーシステム「MAP-S1」である。

ワンボディでありながら、単品オーディオコンポやハイコンポなど、上質なオーディオを経験した層の耳や目を満足させる高品位な作りで、記憶の中の「ミニコンポ」とは一線を画するクオリティーを誇る。細かな仕様や機能はニュース記事を参照して欲しい。

MAP-S1とSS-HW1の組み合わせ設置例

次ページCDをハイレゾ相当にする「DSEE HX」とは?

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