公開日 2025/08/22 10:00

FIIO、最大出力3000mW/デュアルAK4497S搭載のDAC内蔵ヘッドホンアンプ「K15」

上位モデルに迫る音質を追求
編集部:松原ひな子
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エミライは、同社取り扱いFIIOブランドより、AB級ヘッドホンアンプ「K15」を8月29日に発売する。価格はオープンだが、市場では税込98,780円前後での実売が予想される。カラーはブラック/シルバーの2色をラインナップ。

「K15」ブラック(上)/シルバー(下)

K15は、既存モデル「K9」の後継に位置づけられるDAC内蔵ヘッドホンアンプ。DACチップをAKM「AK4497S」2基に刷新し、上位モデル「K17」の本格的な音質に迫る性能をハイコストパフォーマンスで実現したという。ヘッドホン出力も最大3,000mWを実現するほか、デジタル/アナログの多様な入出力への対応、10バンドPEQの搭載など、実用性の両立も図った。

ブランド初採用となるAK4497Sは、AKMの “VELVET SOUND” オーディオテクノロジーを搭載しており、低歪み、広いダイナミックレンジ、信号帯域幅の拡張を低消費電力で実現。低域と高域の両方で豊かなディテールを持ち、自然で没入感のあるサウンドを提供するとしている。

AKM「AK4497S」を2基搭載

アンプ部はディスクリート設計のヘッドホンアンプ回路を搭載し、オペアンプ+トランジスタによる電流増幅設計を採用。オン・セミコンダクター製トランジスター「MJE243G/253G」のペアを用いた設計で、低インピーダンス出力で大電流生成を可能にした。これにより、バランス接続では最大3,000mWの出力を実現。フルサイズのヘッドホンからインイヤーモニターまで難なく駆動できるとアピールしている。

ヘッドホンアンプ回路の構造イメージ。最大3000mWのバランス出力に対応し、フルサイズヘッドホンから有線イヤホンまで駆動可能

DACからヘッドホンアンプに至るまで、オーディオ回路はすべてフルバランス設計。これによって広いダイナミックレンジを確保するとともに、クロストークを効果的に低減し、ノイズを最小限に抑え、オーディオ出力の品質を向上させた。

フルバランスオーディオ回路設計を採用

電源部は低ノイズ/高効率/長寿命といった特徴を持つ産業用および計装グレードのDC/ACデュアル電源を内蔵。内部電源、デジタル部、アナログ部はそれぞれ別個の物理ボード上に配置されており、セクション間のクロストークを物理的に防止している。

アナログ部には、デジタル - アナログ変換、LPF、トランジスター用にそれぞれステージを設けて分離した多段電源を装備。計14基の低ドロップアウトリニアレギュレーターによって、純粋な電力を安定して供給する。さらに外部DC電源にも対応しており、より高性能なリニア電源を接続してさらに高音質を目指すことも可能だ。

クロックはACCUSILICONの超低位相雑音クロックジェネレーター「AS318-L」(45.1584MHz、49.1520MHz)が2基搭載。位相ノイズの影響を低減し、オーディオ信号を正確かつ忠実に復元するとしている。USB DACはXMOS「16コアXU316」を搭載。

また各回路にはニチコン3,300uFオーディオコンデンサー、ELNA MILIC IIコンデンサー、ELNA RA3オーディオコンデンサーなどの高品位なパーツを選定して、音質を高めた。

独自設計を施した高性能マルチコアプロセッサー「X2000」と、高効率チップ「MCU ESP32-S3」を搭載し、超低消費電力かつ優れたコンピューティングパフォーマンスと正確なシステム制御を確保。正確なオーディオ信号処理と安定したスムーズな音楽再生のほか、高精度かつ高速な操作感を実現した。

入力端子にUSB Type-C×2、光デジタル×1、同軸デジタル×1、ライン(バランス/アンバランス)×各1、出力端子に6.35mm×1、4.4mmバランス×1、XLRバランス×1、USB Type-A×1、ライン(バランス)×1を装備。

ほかLAN、RS232、アース端子なども搭載している。LAN端子はギガビット速度による高速かつ安定したデータ伝送をサポートするほか、AP6256 Wi-Fiモジュールは2.4/5GHz帯に対応し、ロスレスオーディオでも安定して伝送可能。

本体背面

筐体は放熱を早めるためグリッド構造を採用。複数の操作ノブや3.93型の液晶タッチスクリーンを配置して機能性を高めながら、外観の美しさも両立させたとしている。

機能面では、10バンドの高精度ロスレスPEQ(パラメトリックEQ)を搭載。USB/同軸/光/Bluetooth/ストリーミング/ローカル再生において、専用アプリやWEB上でヘッドホンの周波数特性のシミュレーションや補正ができる。またEQカーブのエクスポート、インポート、共有、保存機能にも対応。

10バンドのパラメトリックEQ操作イメージ 

さらに温度保護、出力過負荷保護、過電圧保護OVP、出力DC保護、電源入力過電流保護など、異常な状態をインテリジェントに検出し、デバイスの損傷を回避する自動保護も実装している。

最大出力(32Ω/300Ω)は、バランス接続で3,000mW(@32Ω)/700mW(@300Ω)、アンバランス接続で1,400mW(@32Ω)/180mW(@300Ω)。

最大サンプリングレートは、USB Type-C接続でPCM 768kHz/32bit、DSD512(Native)、同軸接続でPCM 192kHz/24bit、DSD64、光接続でPCM 96kHz/24bit、ローカル再生でPCM 384kHz/32bit、DSD256、ストリーミング再生でPCM 384kHz/32bit、DSD256(DoP)に対応。

Bluetooth 5.1をサポートし、コーデックはSBC/AAC/aptX/aptX LL/aptX HD/aptX Adaptive/LDACをカバーする。ほかRoon Ready/AirPlayにも対応。

再生周波数帯域は20Hz - 80kHz、S/Nは20dB、THD+Nは0.00059%。外形寸法は約244.6W×213H×66.8Dmm、質量は約2.1kg。

電源コード/USB Type-A to Cケーブル×2/6.3mm to 3.5mm変換アダプター/リモコン/ヒューズ/XLR4ピンジャック保護キャップなどが付属する。

付属品

 

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