公開日 2025/04/16 14:09

Cayin、DAC/アンプ交換対応DAP「N6iii」にES9039SPRO搭載モデル

マザーボードの単品販売も開始

コペックジャパンは、同社が取り扱うCayinブランドから、オーディオモジュール交換式DAP「N6iii」および専用オーディオマザーボード「E203」のセット「Cayin N6iii DAP/E203」を、4月19日より発売する。同社直販サイト価格は225,500円(税込)。

「Cayin N6iii DAP/E203」

 

N6iiiは、DACやアンプ回路を含む「オーディオマザーボード」の着脱に対応し、オーディオマザーボードを交換することで様々な音質が楽しめるとするAndroid搭載DAP。2019年に発売された前モデル「N6ii」と同様の機構ながら、「N7」「N8ii」「N30LE」といったDAP製品で培ったオーディオ技術を融合するとともに、PCB面積を31%増やしたことにより回路設計の柔軟性が向上したという「Gen2オーディオマザーボード」を採用している。

この度同梱されるE203は、N6iii専用オーディオマザーボードの第2弾。第1弾の「C201」がシーラスロジック社のDACチップ「CS43198」を8基搭載していたのに対し、E203はESS社のフラグシップDACチップ「ES9039SPRO」を1基搭載することが特徴となる。

E203オーディオマザーボードは、8ch独立の電流出力経路を備えたES9039SPROにあわせ、8ch独立のI/V変換回路を搭載。LPF回路で4つの完全差動信号を取り出し、バッファ駆動回路でペアリングする構造で、マザーボード全体で信号がバランスよく伝送・増幅されるよう、LPF/バッファの両回路を完全対称のバランス・アーキテクチャで設計しているという。

E203オーディオマザーボード

 

アンプ回路は、「OPA1612」オペアンプと、厳選したディスクリート・バイポーラ・ジャンクション・トランジスタ(BJT)とをシームレスに融合させたというハイブリッド設計。高精度/高効率なオペアンプと、音質と柔軟性に優れたディスクリートの利点を組み合わせることで、卓越した電流出力を実現するのみならず、高感度・低インピーダンスを求めるIEMの駆動にも最適だとしている。

端子は3.5mm/4.4mmヘッドホン出力を搭載。限られたPCBスペースの中で究極のパフォーマンスを達成すべく、ラインアウトやプリアウト回路を搭載せず、ピュアで妥協のないヘッドホンリスニング体験を提供することに重点を置いたとのこと。

3ウェイスイッチを操作することで、Class A/Class AB/Hyperという3種類の出力モードの切り替えが可能。Class Aは「低歪み、最適な再生状態、絹のように滑らかで、暖かく、みずみずしい、ディティールとマクロダイナミックの多いセンチメンタルな楽曲」、Class ABは「より高い能率とダイナミック、クリアでタイト、伸びやかで権威あるスラム高いダイナミックレンジを持つ音楽」に最適だという。

またHyperモードは「オーディオ出力を最も重要な要素として優先させるモード」となっており、Class Aモードをベースに静止電流や動作電圧などのパラメータを調整、出力を抑えることなく最大限のパフォーマンスを発揮するとしている。

E203のスペック

 

N6iii本体の特徴としては、クアルコム製SoC「Snapdargon 665」を搭載し、OSにAndroid 12を使用。RAMは6GB、ROMは128GBで、最大2TBのTFカード拡張にも対応する。

ディスプレイには5型のシャープ製TFTフルHDスクリーンを採用。前モデルN6iiと比べるとベゼルをスリム化しつつディスプレイを拡大し、ビジュアルと操作性を向上させたという。また、スクリーンはCorning Gorilla Glass 3で保護され、最大4倍の耐傷性を有するとしている。

USB端子からUSBオーディオ入出力、S/PDIF出力が可能なほか、SBC/AAC/LDAC/UATなどのコーデックによるBluetooth伝送にも対応。トップパネル下の半露出エリアにカスタマイズされたループアンテナを搭載し、ワイヤレス体験もアップグレードさせたと説明する。

バッテリーは9000mAhで、最大14.2時間の駆動を実現(C201マザーボードとの組み合わせ時)。本体は耐食性、温度安定性に優れた6063アルミニウム合金製で、ボリュームノブとボタンはゴールドPVD加工の真鍮製。ボリューム部には再生楽曲のフォーマットに応じて色が変わるライトを備える。

外形寸法は77.8W×126H×23Dmmで、質量は350g。PUレザーのカスタムレザーケースなどが付属する。

なお、N6iii/E203セットの発売と同時に、C201/E203オーディオマザーボードの単品販売も開始される。直販価格はどちらも54,780円(税込)。

C201オーディオマザーボード

 

C201オーディオマザーボードでは、8基のCS43198チップによってパラレル完全差動マトリックスDAC回路を構成。N6iii本体のFPGAからは各DACに個別でI2S信号を供給するが、すべてのDACはMONOモードで動作され、4基を1つのステレオチャンネルとしてグループ化。それらの出力がパラレル化されて完全差動出力チャンネルが作られる。各チップの電源と周辺回路は完全ディスクリートで対照的なデザインを実現。

これによってより高い出力品質、信号の安定性の向上と歪みの低減、パワーハンドリングとドライビング能力の向上、強化されたチャンネル分離と高い立体感、専用電源によるノイズとジッターの低減といったメリットが得られるとのこと。

小型、低消費電力、低発熱な日清紡のパッシブボリュームチップ「NJU72315」を4基搭載。1chあたり2基を直列に構成するかたちで、初段が音量を2dBステップで部分的に調整した後、2段目でさらに調整される。このボリュームコントロール回路が全音量範囲にわたって安定したレベルを確保し、透明度が大幅に向上したクリアなオーディオを提供すると説明している。

オペアンプはTI製のデュアルオペアンプ「OPA1622」を4基搭載する。完全な差動増幅は1組のデュアルオペアンプでも実現できるが、それを4基のOPA1622に変換し、パラレル増幅で構成。バッファー回路と組み合わせて出力電流能力を高め、出力インピーダンスを低減。より優れたコントロール製、情報量が豊富で高密度なサウンド、広がりのあるサウンドステージ、より重い負荷に耐える能力を実現したとのこと。

端子は3.5mmヘッドホン出力、3.5mmライン出力、4.4mmヘッドホン/ライン共用出力を装備する。

C201のスペック

 

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