公開日 2024/09/05 10:09

<IFA>100周年を迎えて「変わるIFA」。エレクトロニクスショーに人を呼ぶ秘策とは?

コンセプトは「Inovation for All」
山本敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
世界最大規模のエレクトロニクスショー「IFA 2024」の開幕に先駆けて、9月4日にメッセ・ベルリンでオープニングカンファレンスが開かれた。IFAを主催するIFA Management社のCEO、ライフ・リントナー氏が壇上で掲げたIFAのコンセプトは「Inovation for All(みんなのためのイノベーション)」だ。

オープニングカンファレンスに登壇したIFA Management CEOのリーフ・リントナー氏

■100年を超えて「変わるIFA」を強調



IFAは今年、1924年の初開催から100周年のアニバーサリーを迎えた。赤を基調とするIFAのブランドカラーを一新して、「テレビ放送のカラーバーをオマージュした」(リントナー氏)という、ピンクや黄色、ブルーの原色を使った新しいIFAのキービジュアルが、記念すべき節目を迎えて「変わるIFA」を強くアピールしている。

リントナー氏は「IFAはエレクトロニクスの展示会、そして見本市として100年間に大きな発展を遂げてきた」と振り返りつつ、今後は「誰もが気軽に参加できるカルチャーイベントとしても発展させたい。そのために今年のIFA 2024では色々な新しいことに挑戦する」と意気込む。

展示においては生成AIとエレクトロニクスの展望を積極的に取り上げる。IFA Managementが主催するキーノートスピーチやトークセッションには、欧州を代表するAI関連のキーパーソンをゲストに招き、欧州発信の「AIの展望」に関するメッセージをIFAから世界に届ける。

リントナー氏は「人々の生活に密着したAIの展望」をIFAが示すべきであるとも強調している。筆者はプレスデイの初日にシーメンスやボッシュなど、欧州を代表する家電メーカーによるプレスカンファレンスに参加した。各社は長年取り組むスマート冷蔵庫、スマート洗濯機にAIに関連するテクノロジーがユーザーが必要とする便利な形で組み込んだ新製品を今年の年末以降に発売する。市場にもたらすインパクトは大きいと思う。

リントナー氏は「カルチャーイベントとしてのIFA」に多くの若年層を引き付けるための種を各所にまいた。今年新設される「IFA Contents Creators Hub」のエリアには、映像や音楽、写真などの手法により様々なクリエーションに挑む若いクリエイターを招き、IFAの期間中にライブパフォーマンスを実施する予定だ。メッセ・ベルリン会場の中心にある屋外イベント施設の「サマー・ガーデン」では、ミュージシャンのブライアン・アダムスによるコンサートのほか、ドイツのヒップ・ホップアーティストによるパフォーマンスが繰り広げられる。

ドイツを代表する総合家電メーカーのボッシュも、最新のAIを組み込むスマート家電をIFAで発表する

常設展示エリアにもDJ向けオーディオの製品やテクノロジーにスポットをあてたり、若い来場者をゲーミングエリアに誘導するための施策にも力を入れる。

「私は生まれも育ちもベルリン。10代の頃に初めてIFAに足を運んでテレビの先端技術を目の当たりにした時の感動が今も忘れられない。IFAはテクノロジーとカルチャーのイノベーションの最先端として、今後も輝き続ける。そのために100周年の開催を是が非でも成功させたい」と、リントナー氏は力強くIFAの開幕を宣言した。

■「生活を豊かにするAIテクノロジー」に関心が集まりはじめた



100周年を迎えたIFAを「これからもあらゆる人々に技術革新の力を伝えるイベントにしたい」とリントナー氏は意気込みを語った

プレスカンファレンスにはIFA Management社と共にIFAを主催するgfu(ドイツ民生通信エレクトロニクス協会)からサラ・ヴァルネケ博士が出席して、現在のエレクトロニクス市場の動向を語った。

ヴァルネケ氏は、新型コロナウィルス感染症によるパンデミックに起因する低迷傾向から「世界の市場は期待よりもゆっくりとだが回復している」と語りながら、昨今はいくつかの先進国ではインフレによる物価高の傾向が顕著に見られ、消費者が政治・経済の先行きにも不安を抱いていると分析する。ゆえに人々の消費は食品や燃料のような生活必需品が優先され、2024年上半期にgfuが実施した調査ではカメラとモバイル以外のカテゴリが全世界的に不調であったという。

gfuのサラ・ヴァルネケ博士

一方で、人々が自身の健康状態を維持・増進するためのヘルスケアデバイスに向ける関心が高まっていたり、家庭の電気代節約にもつながる先端の省電力機能を備える生活家電には熱い視線が注がれているという。「生活家電とAIテクノロジーの結び付き」に一般の期待も集まっている。この機会に「IFA 2024を世界最大のホームアプライアンスのショーとしてアピールしたい」とヴァルネケ氏は語った。

デジタルヘルス、AIに関連する生活家電が今後さらに伸びる傾向が見られているという

世界中のスタートアップが集まるIFA NEXTや、イベント100周年を記念して「IFAの100周年」を振り返る特別展示も注目されそうだ。Phile-webの現地レポートをぜひご覧いただきたい。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 "カリスマ性"ともいうべきオーラを纏ったアキュフェーズ「E-4000」<販売店の声・売れ筋ランキング2月>
2 【インタビュー】Victorブランドは生涯にわたる音のパートナー。変化していくトレンドに“らしさ”を活かした提案を連打
3 オヤイデ/NEO製品の価格改定を実施。4/14より
4 「Sonos Play/Era 100SL」は“原点回帰”の象徴。Sonos新スピーカーのポイントを本国スタッフが語る
5 クルマで楽しむドルビーアトモス。メルセデス・ベンツ×ブルメスター×Apple Musicの新体験!
6 進化するMEMSドライバー最前線。フルレンジユニットで狙う、音質&ノイキャン性能の次なる可能性
7 フルテック、NCF配合の3P→2P変換電源アダプターに非磁性24K金メッキモデル「FI-PA NCF(G)」
8 B&W、スピーカー「803 D4」とマランツ「MODEL 10」など組み合わせた視聴イベント。4/4に青山で開催
9 カメラのキタムラ、初のヤマダデンキ出店。LABI池袋本店に買取強化店舗を3/27オープン
10 デノン、空間オーディオ機能搭載ワイヤレススピーカー「DENON HOMEシリーズ」。ブランド初のクラファン販売
3/27 10:59 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー200号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.200
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX