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公開日 2018/03/30 18:33

ジャパンディスプレイ、JOLED子会社化を取り止め。資金調達で液晶の生産体制強化も発表

液晶ディスプレイモジュール「FULL ACTIVE」需要増への対応を目指す
編集部:小野佳希
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(株)ジャパンディスプレイ(JDI)は、(株)JOLEDの子会社化を取りやめること、日亜化学工業(株)を割当予定先とする第三者割当を実施すること、これとは別に海外機関投資家を割当予定先とする第三者割当も行うことを発表した。


■JOLED子会社化方針を取り下げ

JDIでは、2016年12月21日にJOLEDを連結子会社化する方針であることを発表し、2018年6月下旬までに最終契約締結する方向で合意していたが、今回、この方針を変更。本日3月30日に開催した取締役会において、方針変更を決議した。JOLEDの筆頭株主である(株)産業革新機構、およびJOLEDとの間で締結した「JOLED 株式の取得(子会社化)に関する基本合意書」は、今後両社と協議の上、解除する予定。

JDIは、「今後のJOLEDとの関係について再検討を行った結果、当社とJOLEDは強固な協力関係を既に構築しており、同関係に基づいて事実上のシナジーの実を確保していると判断できることからJOLEDの子会社化の方針を取り下げる一方、JOLEDの印刷方式による有機ELディスプレイの早期量産化に向けた、出向者の派遣等も視野に入れた技術支援など、同社との事業上の関係の更なる強化を推進する方針の継続を決議した」と説明している。

JOLEDは、印刷方式による有機EL(OLED)ディスプレイの事業化を目指しており、2017年12月には当該ディスプレイを世界で初めて製品化し、顧客向けに出荷を開始(関連ニュース)。事業化に向けた開発は計画通り進捗しているとのことで、量産ラインの設置に向けた設備投資を実行するため、当該設備投資の資金を含む1,000億円程度の外部からの資金調達を完了すべく、現在、出資候補者と交渉を続けている。

一方JDIは、これまでJOLEDに対して資金面での支援を行うとともに、開発・生産面においても支援・協力体制を敷き、特にTFTバックプレーンの開発において、大きな成果を上げていると説明。JOLEDへの開発委託も行っていることや、JOLEDのOLED製品の販売活動を、JDIの販売網とリソースを活用してグローバルに、かつ効率的に展開するため、両社間で販売店契約を締結しており、既に受注の実績も挙げていると言及。こうした状況を踏まえて検討した結果、方針を変更することにしたという。

JDIが現在保有するJOLEDの普通株式、および種類株式は、2019年3月期上期中に普通株式へ転換する可能性も含めて検討し、JOLEDと協議を行う。また、「今後のJOLEDとの関係の一層の強化に向け、中型ディスプレイ事業における戦略的提携をさらに強固なものとすべく、協議を継続していく」としている。

■350億円を調達。液晶ディスプレイモジュール「FULL ACTIVE」生産体制を強化へ

前述の通り取締役会では、日亜化学工業、および海外機関投資家を割当予定先とする第三者割当による新株式の発行も決議。新株式の発行総額は、日亜化学工業に対して約50億円、海外機関投資家30ファンドに対して約300億円の総額350億円を予定している。払込期間は両ケースとも2018年4月25日から2018年5月1日。

また、2017年12月に稼働を停止した能美工場を産業革新機構に譲渡し、2019年度第1四半期を目途に約200億円の資金調達を完了する予定。なお、能美工場は、産業革新機構からJOLEDに対して現物出資が予定されている。

今回調達する資金は、液晶ディスプレイモジュール「FULL ACTIVE」の需要増に対応するための運転資金および、FULL ACTIVEモジュール組立の設備投資等に使用する。

FULL ACTIVEは2017年6月から出荷が開始されており、現在、複数の大手中国スマートフォンメーカー等に採用されている。有機ELディスプレイに性能面で比肩することに加え、コスト優位性も有していること等から顧客からの評価が高まっており、引き合いが強まってきているという。

なおJDIでは、中期経営計画においてOLEDディスプレイの量産技術の確立と事業化の加速を目的としたグローバル企業とのパートナーシップを構築するとしており、現在も複数の候補先と協議を継続中。

一方、「現状においては、液晶ディスプレイの需要が従前想定していたよりも底堅いと見られる」とし、「車載、VR、ウェアラブルデバイス等のスマートフォン以外の用途向けも成長が期待される一方、OLEDディスプレイの市場拡大スピードは従前の想定より緩やかとなることが見込まれている」と説明。

これらに鑑み、「より中長期的な視点で当社の戦略を見極めた上で今後の協議を進めることにより、当社の企業価値の最大化を目指していく」としている。

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