公開日 2012/10/03 11:06

<CEATEC>シリコンイメージ、「MHL 2.0」対応製品やテレビ向け「InstaPrevue」チップを発表

4K対応プロセッサーのサンプルを発表
Phile-web編集部
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シリコンイメージは、CEATEC JAPAN会場の幕張メッセに隣接する施設にてプライベートセミナーを開催し、同社の関連製品、および技術に関するアップデートを報告した。

「MHL(Mobile High-definition Link)」に関連するトピックスとしては、最新バージョンである「2.0」対応のIC製品群を紹介。

MHLはバージョン「1.0」から、1080/60p映像信号の非圧縮伝送と、最大8チャンネルのデジタル音声データ伝送に対応しており、HDCPによるコンテンツ保護もサポートしている。さらにテレビからのMHLケーブルで接続したモバイル機器への充電や、制御コマンドの「RCP(Remote Control Protocol)」信号を機器間で受け渡すこともできる。

MHL対応のモバイルデバイス

デジタルテレビへ対応が拡大するMHL


PC用ディスプレイにもMHL対応機が登場

AVアンプやアクセサリーのMHL対応も進む
同社では12年夏までに、全世界の主なモバイルメーカーに向けて1億個以上のMHL製品の出荷を実現したとのことで、本年末までに2億個到達を目指す。

バージョン「2.0」ではネイティブ3Dフォーマットの映像信号のサポートを追加。さらにUnicodeのコマンドに対応したほか、ディスプレイからモバイル機器への充電性能については、最小900mA/5V DCでの充電に対応したことにより高速チャージを可能にしている。

MHL 2.0の新機能

今回シリコンイメージからは「MHL 2.0」対応のトランスミッターや、ブリッジIC、レシーバーICの製品群が発表された。説明会場ではチップの性能を紹介するデモが行われた。

MHLのデモンストレーション

国内でもMHL技術に対応したAVアンプが続々と商品化されてきており、パイオニア「SC-LX56」、デノン「AVR-4520」、オンキヨー「TX-NR818」など代表機種の展示が行われた。

MHL対応のパイオニア「SC-LX56」


InstaPrevue/MHL対応のオンキヨー「TX-NR818」

InstaPrevue/MHL対応のデノン「AVR-4520」
また海外で展開されているMHL対応製品として、Roku社が北米で販売するVOD対応アダプター「Roku Streaming Stick」を紹介。スティックタイプのセットトップボックスとして機能する本機は、本体にWi-Fi機能やVOD映像のデコード機能、MHL信号の出力機能をコンパクトな筐体に装備。対応テレビのMHLポートに接続するだけで、手軽にNetflixやHuluなど、様々なVODサービスにアクセスできる。米国での販売価格は99ドル。

パイオニアから商品化されているMHL対応のカー製品

RokuのMHL対応ストリーミングユニット

韓国KT社がすでに商品化している「SPIDER LAPTOP」もMHLに対応している。本体にはディスプレイとキーボード、インターフェース、電源のみを搭載。スマートフォンとMHL接続することで、スマートフォンのOSやアプリを使ってノートPCのような感覚で本体を操作できる、ディスプレイ付きキーボードのようなユニークな製品。本機からスマートフォンへの充電も行える。

KT社の「SPIDER LAPTOP」

サムスンのMHL対応ピコプロジェクター

その他、サムスンが商品化しているMHL対応のピコ・プロジェクターも展示が行われていた。

HDMIマルチポートプロセッサー技術「InstaPrevue」については、国内で対応が広がるAVアンプの商品を展示するほか、デジタルテレビ向けのポートプロセッサーが発表された。

InstaPrevueの小窓表示

InstaPrevue技術の特徴


InstaPrevue対応のソニーAVアンプ「TA-DA5800ES」
最新のプロセッサーチップ「SiI9687」は、4系統のHDMI入力を備え、MHL2.0の仕様にも対応。テレビに組み込むことによって、HDMI/MHL入力に接続されているすべての機器の入力信号を、メイン画面と同じ画面上にピクチャー・イン・ピクチャー形式でライブプレビューできる。ユーザーはテレビの入力切換を行うことなく、入力ソースと各ポートを手早く確認し、切り替えられるというメリットが得られる。最大4K2K/300MHzまでの解像度をHDMIでサポート。ポートの切換時間を1秒以下に短縮するInstaPort S技術も搭載する。

本ICチップはテレビ向けで、AVアンプ向けのチップに求められる複数入出力のサポートやOSD、リピーター機能などを省くことができることから、より安価にメーカーへ供給できる点が特徴という。

「WirelessHD」技術の展開については、シャープが今夏に商品化した非圧縮伝送に対応し、HDMI入力を4系統備えるワイヤレスHDMI送受信ユニット「VR-WH1」を紹介(関連ニュース)した。

シャープ「VR-WH1」の送信部

受信ユニット

送信ユニットと受信ユニットの2ピースで構成される本機は、送信ユニット側にHDMI入力を4系統装備しており、そのうち1系統はMHLにも対応する。WirelessHDは省電力化・小型化を実現した最新バージョンの「1.1」をサポートする。

Wireless HDと一般的なワイヤレス映像伝送技術との違い

WirelessHDを組み込んだタブレット試作機によるゲーム映像のデモ。遅延が少ないことを特徴としてアピールした

4K2KサポートするビデオプロセッサーのICサンプルも発表された。同社では2011年にアンカーベイ社を買収し、協力関係を築きながら「VRS ClearView」技術を開発し、製品へ搭載してきた。新しいICチップでは、HD/SD映像のリアルタイム4Kアップスケーリングを実現。独自のアルゴリズムによる高精細化処理も行う。チップ内部のメモリーだけでスケーリング処理を行える点が特徴という。同社では今後、本製品を次世代のホームシアターアプリケーション製品向けに提案していく。

VRS CLEARVIEW技術を搭載

4Kビデオプロセッサーのデモ展示


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