公開日 2009/09/28 15:50

<特別寄稿>AV&映画ファンに愛されるDTSサラウンドの魅力とは?

大橋伸太郎氏が語る
大橋 伸太郎
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dts Japan(株)が協賛するイベントをお手伝いさせていただくのは、昨年の大塚家具新宿店でのサラウンド体験会(音元出版AVレビュー編集部主催)、今年春のA&Vフェスタに続いて三度目になる。私が『AVレビュー』誌の編集長を務めていた1995年に映画の音声は本格的にデジタル時代を迎え、その先導役がDTSだった。


レーザーディスクに記録されたDTSサウンドは分離感の良さ、アクション描写のスピード感、すべてが桁外れで衝撃的だった。他のデジタル音声に比べて圧縮率が低く、音の情報量と鮮度が高いことに由来するが、『AVレビュー』誌が他誌に先んじて緊急特集を組み大反響を生んだこともあり、日本のAVファイルに「DTSは音がいい」という認識がじわじわ浸透し常識になっていく。ハイビジョン移行のもたつきもあり、この時から規格がらみで何かと動きの鈍い映像に代わって、チャレンジングな「音」がAV(オーディオビジュアル)を先導するようになった。そうしてDVD時代がやってくる。DTSは流れを変えたのである。

DTSは96/24、ESとその後進化していくが、必ず、従来のDTSデコーダー内蔵機器でコア部分を再生できる互換性を持たせている。ブルーレイディスクのDTS-HD Master Audioも、最新のサラウンドアンプでなくても再生することができ、しかも、フルスペック(1.5Mbps)のいい音で聴ける。DTSを手本に、こうしたコンパチビリティは現在ではデジタルフォーマットの常識である。

DTSのもう一つの特長が、“ベスト・イン・クラス”。今回の体験会のテーマであるDTS-HD Master Audioの場合、最大24.5Mbpsの可変ビットレートで96kHz/24bit音声を最大7.1ch収録することができる。(192kHz/24bitの場合5.1chまで)。これは他の追随を許さないHDオーディオ最高のスペックである。

DTSはホームシアター用の圧縮率の低いシネマサラウンドから、放送や携帯プレーヤー用の圧縮率の高い音声までどの用途でも、常に他を上回る音質を実現してきた。

DTS-HD Master Audioと好一対のDTSテクノロジーがDTS Enveloで、iPodを始めとしたポータブルオーディオの圧縮音源を3次元サラウンドに生成することができる。同種の提案は他にもあるが、“ベスト・イン・クラス”の響きをここでも聴ける。今後の製品化が期待されるところだ。


「DTS Premium Suite」のロゴマーク

「DTS Premium Suite」を構成するキーテクノロジー
またPCの領域においても“ベスト・イン・クラス”を狙うDTSが開発した最新技術DTS Premium Suite(関連ニュース)では、PC上でBDソフトを視聴する際にも汎用の2chスピーカーやヘッドホンで高音質なサラウンドを楽しめる。DTS Premium Suite搭載PCは早ければ来年初頭には登場する予定だという。

さらにDTS最新のトピックが「DTS Neural Surround」(関連ニュース)のスタートである。ステレオ放送の音声にサラウンドを乗せるシステムで、北米ではすでに実用化されている。今回の体験会で使用したサラウンドアンプの一台、パイオニア「SC−LX90」はすでに北米・国内モデルでNeuralのデコーダーを内蔵している。また国内では非搭載だが北米モデルでは対応しているというAVアンプも多く、デノン「AVC-A1HD」、ヤマハ「DSP-Z7」もそれにあてはまる。

人間がいて感情と聴覚がある限り、いい音を聴きたい気持ちは不滅である。音を「もっといい音」に変えて、私たち一人一人の心の起伏に寄り添わせる不可欠のパートナーがDTSなのである。


大橋伸太郎 プロフィール
1956 年神奈川県鎌倉市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。フジサンケイグループにて、美術書、児童書を企画編集後、(株)音元出版に入社、1990年『AV REVIEW』編集長、1998年には日本初にして現在も唯一の定期刊行ホームシアター専門誌『ホームシアターファイル』を刊行した。ホームシアターのオーソリティとして講演多数。2006年に評論家に転身。

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