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公開日 2018/05/19 08:00

【HIGH END】サエク、約30年ぶりのトーンアーム新製品「WE-4700」。当時の10倍の精度を実現

ダブルナイフエッジ構造を採用
オーディオ編集部:浅田陽介
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現地時間の2018年5月10日(木)より4日間、独ミュンヘンにて開催された世界最大のハイエンドオーディオ見本市『HIGH END 2018 MUNICH』。今年もさまざまなブランドから最新製品が集結し、大きな賑わいを見せた。

同イベントが開催されるドイツは世界的にも屈指のアナログ大国だ。今年も例外なく多くのアナログ関連製品が登場し、多くの来場者の注目を集めていた。なかでも、特に多くの話題を呼んだのが、SAEC(サエク)のトーンアームとしておよそ30年ぶりの新製品となる「WE-4700」だ。

SAECとして実に30年ぶりのトーンアームとなる「WE-4700」

サエクは「WE-308」や「WE-407」といった、軸受けにダブルナイフエッジ構造を採用したトーンアームで一斉を風靡した過去を持つ。すでに30年以上を経たいまでもサエクのトーンアームは銘機として数多くの愛用者を抱えているが、今回発表されたWE-4700はまさに世界のアナログファンにとって待望の製品として迎えられているようだ。

WE-4700は、同社らしくもちろんダブルナイフエッジ構造を採用、外観も当時のデザインを踏襲しているが、驚くのはその精度。WE-308/407は現在でも「超高精度」として高く評価をされていたが、WE-4700で実現したその精度はなんと当時の10倍以上。これは30年前と比べて金属加工技術が飛躍的に向上したことによるもの。アーム内部に使われているパーツの点数も少なくなっているほか、当時板金が用いられいた部分に関しても削り出しのものへと変更されているなど、随所に最先端の技術が盛り込まれている。

ダブルナイフエッジ構造を採用したピボット部のデザイン。ブランドロゴも当時のものを踏襲しているようだ

そんな高い精度を実現できた理由は、その生産工程。WE-4700はその加工から生産まで全てを日本国内で行っていることも特徴のひとつで、その金属加工を手がけるのは日本有数の金属加工技術を持つ内野精工という企業。内視鏡をはじめとした特に精密さが要求される金属加工の分野でトップレベルを誇る同社の技術で、WE-4700は全く新しいトーンアームとして生まれ変わった。一見するとただの復刻モデルのように見えるかもしれないが、その中身はまさに現在最高水準の技術が詰まった全く新しいダブルナイフエッジ・トーンアームといっていいだろう。

部品一点一点をよくみても、その精度は極めて高い

今回のHIGH ENDでも、特に強烈なインパクトを持ったアナログ機器となったこのWE-4700だが、現時点で正式な価格や日本での発売時期は未定。展示のみだったにも関わらず、早くも世界のディストリビューターや来場者達の間で大きな話題を呼んでいるようだ。今後の日本での動向も注目したい。

WE-4700を手掛けた内野精工の自社ブランド「QUALLUM」のコンセプトモデルも展示されていた

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