公開日 2011/01/21 19:03

【CES】T.H.E.SHOWレポート:展示内容から見えるアメリカのオーディオ事情

今年は6月にも開催予定
季刊オーディオアクセサリー編集部 浅田
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現地時間の1月6日〜9日までの4日間、米・ラスベガスにて開催され大盛況のうちに幕を閉じた2011 International CES。毎年、それと同じ時期に開催されるのが、「T.H.E.SHOW(The Home Entertainment Show)」である。場所も昨年からはCESのハイパフォーマンスオーディオメーカーが多数出展するベネチアンホテルからすぐ近くのフラミンゴホテルに移動し、より利便性を高めている。世界的に見ても大きな成果を上げているオーディオショウのひとつだ。T.H.E.SHOWには世界各国から注目のオーディオブランドが一同に出展し、大きな盛り上がりを見せている。

会場となったフラミンゴホテル

また、日本にも事務局を持つことなどから、多くの日本ブランドを目にすることができる。ハイパフォーマンスな日本ブランドの製品は例年多くの来場者から注目を集めているようだ。本稿では、少々遅くなってしまったがT.H.E.SHOWの模様を簡単にレポートして行きたい。

■データ音源とアナログ音源でデモを行うメーカーが多数

今回のT.H.E.SHOWを見てみると、やはり再生音源に大きな変化が見て取れた。従来のCDをはるかに超えるスペックをもつことはもちろん、管理などの利便性にも優れたデータ音源は、やはり各社でも大きなテーマとなっている。

カナダのオーディオブランドであるBRUNOCOから登場した192kHz/24bit対応USB DAC「ENTRON DIVA」

アメリカのアンプブランドであるEDGE ELECTRONICSのブース。MACBOOKを用いたデータ音源再生で、同社のアンプの魅力をアピールしていた

最近注目のUSB入力を装備した製品は、北米またはアジア圏に本拠を置くメーカーから多く登場している印象だ。これらの国々は音楽配信ビジネスが進んでいるという共通点があり、高音質配信のインフラも整っていることから来た自然の流れといえるだろう。

日本でも人気の192kHz/24bit対応USB DAC「DAC1」をはじめとした製品が人気のBENCHMARKもブースを構えていた

一方、アナログレコードも根強い人気だ。レコードでしか味わえない音があることに加え、多くのレコードコレクターが存在するという現実も踏まえ、アナログ再生はより一層の盛り上がりを見せているようだ。

■海外ファンにも注目を集める日本ブランド

前述のとおり、T.H.E.SHOWには日本ブランドも出展している。なかにはSilicon Artsなど海外市場をメインに製品展開を行うメーカーもあるなど、非常にバラエティに富んだ製品が展示されていた。これらのブランドのように、ここアメリカでも注目を集める製品の共通点として”その製品でしか出せない音と確かなクオリティ”というのが強く感じられ、日本ブランドならでは魅力のようなものを確実にアピールしていた。

日本でもお馴染みのクボテックのブースでは、アナログレコードをAD変換しPCで再生。カートリッジの質の高さとスピーカーのクオリティをアピールしていた

海外市場をメインに展開するSilicon Artsのブースの様子。今回の目玉となったのは12AU7を採用したプリアンプ「CF-080LSX(写真)」と200W/8Ωの出力をもつソリッドステート式のモノパワー「ZL-200」


WAVACのブースは広々とした部屋を用意。同社の宍戸式イントラ反転回路を採用した真空管アンプの魅力を味わえる展示内容となっていた。写真は同社の最高峰となる「SH-833」

■T.H.E.SHOWは今年もうひとつの展示会を開始予定

年々、確実な手応えを掴んでいる観のあるT.H.E.SHOWであるが、今年6月にもうひとつの展示会となる「T.H.E.SHOW Newport Beach」をロサンゼルスで開催するとのことだ。

主催は「LA Audio Society Orange」と「Coounty Audio Society」というふたつのオーディオ協会で、StereophileやAbsolute Soundといったアメリカ国内の著名オーディオ誌が共催する。

リーマンショック以降、アメリカ国内のオーディオ市場も決して好調とは言えない状況が続いたが、ユーザーの興味は衰えていないようで、これらは非常に明るい材料といえるだろう。

なお、T.H.E.SHOWは15ドルと有料にはなるものの、一般来場者にも開放している展示会である。機会があればぜひ、アメリカのオーディオ事情をご体感していただきたい。

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