「オーディオ・ビジュアルファンを増やしたい」、 佐藤太郎が1Kホームシアターに賭けた全アイテムを大公開
エンタメからテレワークまで、自在に活用できるデスクトップ
テレビの隣にはPCデスクがあり、オーディオシステムも組んでいる。モニターはLGエレクトロニクスの33.9型有機ELゲーミングモニター「34GS95QE-B」。以前取材でお借りしてから、このサイズ感の虜になり、自身でも購入した。有機ELの色再現性とMLAの高輝度に加え、視認性も高くて使いやすい。テレワークからゲームやシアターまで1台で自由自在に活用できる。
PCは自作している。欲しいスペックと予算の兼ね合いから、自作が最適解だった。今回の自作は賃貸マンションでも邪魔にならないコンパクトサイズを目標に仕上げた。縦長の細長いケース、フラクタルデザイン「FD-C-RID1N-12」を使うことで狭いオーディオラックにも設置可能だ。
デスクトップのスピーカーはGENELECの「G one」。音源に忠実なサウンドが特徴で、レコーディングスタジオでもスタンダードとなっている。コンパクトサイズで音の良いスピーカーは数少ないし、値段も手ごろで買いやすいのがまた良いところ。
アンプはTEACの「UD-503」。こちらも自作PC同様にコンパクトサイズを検討したところ、このモデルに行き着いた。デュアルモノラル構成でSNも良く、長時間のリスニングでも聴き疲れがなく使いやすいので採用した。
デスクトップはテレワークで利用するほか、プライベートでもアニメやノベルゲームなどを楽しんでおり、ほぼ毎日稼働している。
スピーカーケーブルからHDMI、電源環境にもぬかりないこだわり
そのほか、細かいポイントになってしまうが、電源環境やケーブル類もこだわっている。シアターシステムのスピーカーケーブルは、イクリプスにchord company 「silver screen」をオヤイデバナナプラグ(リン酸銅無メッキ仕様)を採用。ハイトのCAMBRIDGE AUDIOには、KIMBER 「KABLE KWIK16」とニチフ丸端子&無メーカーバナナプラグで自作したケーブルを使っている。
電源ボックスは、シアターとテレビで分離。いずれもChikumaの「Eminentシリーズ」だが、ケーブルはそれぞれの音の特性に合うものを採用。シアターはオヤイデ「TSUNAMI NIGO V2(自作)」、テレビはAET「EVOLUTION 1304F AC/SP(自作)」にしている。
電源タップからそれぞれの機器に対しては、機器のポテンシャルを生かすべく純正ケーブルを使っているものもあるが、ブルーレイレコーダーとプロジェクターだけはオヤイデの「TSNAMI THE MASTER」を使用している。このモデルはビデオマーケットとオヤイデが共同で開発した電源ケーブルで、パナソニック製品との親和性が高い。HDMIケーブルは、プロジェクターにAIM「LS3-10」を、テレビに「LS2-10」を使用している。
ちなみに読書に集中したい時やスピーカーから音を出せない深夜帯の時間でヘッドホンを使うことが多く、AKG「K701」を愛用している。オープンエア型で広い音場と高い解像度が素晴らしく、特に中高音域は癖になる音色でたまらない。音楽やアニメを視聴しても長期間に渡って飽きないのも良い。
「ホームシアター仲間を少しでも増やしたい…」 連載に込めた密かな願い
これらのアイテムで日々オーディオ・ビジュアルライフを楽しんでいる。ホームシアターは5.1.5chスピーカー、8Kプロジェクター、4K UHD BDレコーダー、パソコンは自作PC、湾曲有機ELモニター、パワードスピーカー、ヘッドホンといったシステムを組んできたが、お財布と相談しながら今後も機材を更新し、より良いシステムを更新していきたいし、レビューを加えて紹介できればと考えている。
プロジェクターは高価格帯の4Kや8K対応プロジェクターのほかに超短焦点やモバイル、ジンバル一体型などを使ったシステム構成、スピーカーはピュアオーディオで使うようなスピーカー、音楽制作現場で使うようなパワードスピーカー、アンプはAVプリとパワーのセパレート、通常のHi-Fiオーディオに使うようなパワーアンプを組み込んだ構成など、ヘッドホンは高価格帯モデルやイヤースピーカーもふくめ、幅広い製品にスポットを当てていきたい。
また、これまで賃貸住宅の環境でホームシアターの“HowTo系”の要素も盛り込んでいくつもりだ。長年ホームシアターに触れていると思うのは、ホームシアターを導入する難しさが存在することだ。残念なことに私の世代にホームシアターファンが少なく、Z世代近辺の世代は大型システムを導入せず、スマートフォンやタブレットアニメや映画を楽しむことが多いのも顕著な例だろう。
ただしZ世代やその先のα世代は映画館ブームが起きている。コト消費やトキ消費などが要因だと思うが、大画面という部分はホームシアターと親和性があるはずだ。ならば、連載を通して大画面の魅力を提唱できれば、敷居も低くなりホームシアターユーザーも少しずつ増えるのではないかと、そんな願いも込めて、本連載を始動していきたい。
