『ゴジラ周年記念作品4K リマスターBOX』徹底解剖! 収録タイトルの画質・音質をチェック!
税込66,000円(※本製品は完全予約限定版となっており、現在は受注を終了している)
先日掲載された「開封の儀」レポートに続いて、今回はいよいよ『ゴジラ生誕70周年記念 ゴジラ周年記念作品4KリマスターBOX』の画質・音質を深掘りしていきたい。このBOXに収録されたのは …
- 『ゴジラの逆襲』(1955年/第2作/今年で公開70周年)
- 『ゴジラ対メカゴジラ』(1974年/第14作/ゴジラ生誕20周年記念作)
- 『メカゴジラの逆襲』(1975年/第15作/今年で公開50周年)
- 『ゴジラ』(1984年/第16作/ゴジラ生誕30周年記念作)
- 『ゴジラVSメカゴジラ』(1993年/第20作/ゴジラ生誕40周年記念作)
- 『ゴジラ ファイナルウォーズ』(2004年/第28作/ゴジラ生誕50周年記念作)
一見すると通好みの渋いラインナップだが、実はいずれもゴジラ史上の節目を飾った記念碑的な作品ばかり。LD(『ゴジラ ファイナルウォーズ』を除く)、DVD、そしてBDへと、メディアの進化とともに進撃を続けてきたゴジラたちが、はたして4K UHD BDでどう甦ったのか? 高額商品ゆえに様子見の方も少なくないだろうが、ご安心を。この目を見張るクオリティアップなら、税込66,000円の価値は大いに「あり」だ!

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伊尾喜大祐さんの邸宅にファイルウェブ編集部も突撃、「3世代ゴジラファン」勢揃いで “開封の儀” を敢行。取材中、伊尾喜氏の口から飛び出す「ある収録作品での仕事」などなど、ソフト紹介に留まらない一部始終をご覧あれ!
それではお待たせしました。全作レビュー、よーい、スタート!(カチンコの音)
『ゴジラの逆襲』 1955年
『ゴジラの逆襲』 (C)1955 TOHO CO., LTD.
「これまで見えなかったすべてが見える」ファン必見のリマスター盤
個人的に大注目だった『ゴジラの逆襲』。長年のファンなら名画座での上映やこれまでのパッケージ版の「暗くて眠たい」映像が思い浮かぶだろう。しかしこの4Kリマスター、映像の解像感と安定感の向上はもちろん、SDR収録ながら明暗のダイナミックレンジ調整が素晴らしい仕上がりで、映像ディテールも階調情報も見事に掘り起こされているではないか!
特にCH14からの大阪湾上陸、CH15の淀屋橋の激突、CH16の大阪城大破壊と、ゴジラとアンギラスの夜間の激闘はこれまで見えなかったすべてが見えると言っても過言ではない。前年の『ゴジラ』第一作の大ヒットを受けた、前作を超える緻密でスケールの大きなミニチュアセットや凝った合成テクニックの数々も、この4K UHD BDではつぶさに見ることができる。
やや人間的で不気味な顔つきのゴジラや、アンギラスの甲羅の凝ったディテールも鮮明になった。CH21、『トップガン マーヴェリック』を思わせるゴジラ撃退作戦も、ミニチュアセットの広大さに驚くばかりだ。
リニアPCM収録のモノラル音声は、ゴジラたちの咆哮や佐藤勝のスコアがかつてなく力強く、セリフやラジオ音声、避難警報の明瞭度も高い。『ゴジラの逆襲』の真の姿を思い知らされる、まさにファン必見の一枚だ。
※音声は日本語リニアPCMモノラル(オリジナル)でチェック
『ゴジラの逆襲』SPEC
●製作:1955年 ●監督:小田基義(本編)、円谷英二(特撮)●出演:小泉博、千秋実ほか ●本編ディスク:92分、スタンダード、4K SDR ●本編音声:日本語リニアPCMモノラル(オリジナル)、日本語DTS-HD Master Audio、日本語コメンタリーDTS-HD Master Audio(有川貞昌/富岡素敬) ●字幕:バリアフリー日本語
『ゴジラ対メカゴジラ』1974年
『ゴジラ対メカゴジラ』 (C)1974 TOHO CO., LTD.
4Kリマスターで甦った初代メカゴジラ。機体の金属感は「まるでプラチナ」
1972年の本土復帰から間もない沖縄を舞台に描く、ゴジラ生誕20周年記念の娯楽作。その最大のトピックはもちろん、シリーズ屈指の人気ライバル怪獣:メカゴジラの初登場だ。4Kリマスターで甦ったその機体は、随所に描かれた虹色の光彩も相まって、まるでプラチナのような金属感を放つ。
迎え撃つゴジラは、前作『ゴジラ対メガロ』で新造されたスーツを改修したもの。4K化では目に描き込まれた血管までも鮮明に映し出され、メカゴジラへのむき出しの敵意を感じさせる映像に。さらに沖縄の伝説怪獣・キングシーサーも初登場。そのスーツの質感が「やちむん」=焼き物を模して作られていることに、公開から半世紀を経て初めて気づく人も多いのでは。
見どころはやはり、CH21からのシネスコ構図をいっぱいに活用した「三大怪獣沖縄最大の決戦」。全身兵器のメカゴジラが繰り出すさまざまな光線やミサイル攻撃は、4K UHD BDの広色域映像でさらにインパクトが倍増だ!
ミサイルの直撃で流血するゴジラの首元の弾着や、メカゴジラ飛行体を支えるワイヤーなども視認でき、往年の東宝特撮の職人技がじっくり味わえる。音声は音ネガから新たに制作された、オリジナルのモノラル音声の鮮度の高さを特筆したい。
※音声は日本語リニアPCMモノラル(オリジナル)でチェック
『ゴジラ対メカゴジラ』SPEC
●製作:1974年 ●監督:福田純(本編)、中野昭慶(特撮)●出演:大門正明、青山一也ほか ●本編ディスク:84分、スコープ、4K SDR ●本編音声:日本語リニアPCMモノラル(オリジナル)、日本語DTS-HD Master Audio 5.1ch(2002 Remix)、日本語コメンタリーDTS-HD Master Audio(ゲスト:中野昭慶 聞き手:倉敷保雄) ●字幕:バリアフリー日本語
『メカゴジラの逆襲』1975年
『メカゴジラの逆襲』 (C)1975 TOHO CO., LTD.
広色域が効果をあげる「昭和ゴジラ」最終作。都市破壊シーンは画・音ともに圧巻
「昭和ゴジラ」の最後を飾った第15作は、監督・本多猪四郎&音楽・伊福部昭の最強コンビが復活した本格怪獣スペクタクルだ。ゴジラの着ぐるみは『対メガロ』版をさらに改修。4Kの高精細でさらけ出されるスーツの疲弊が、そのままゴジラの満身創痍で凄みを湛えた表情につながっている。
海底から回収されたメカゴジラ2(MG2)の機体は前作の白銀から一転し、パネルラインを中心に全身が黒ずんだ重厚な彩色に生まれ変わった。初登場の水棲怪獣チタノザウルスは、全身を覆う赤・黄・黒の体色を広色域映像がより毒々しく描き出す。広色域が映えるのは、物語の鍵を握るサイボーグ少女・桂も同様だ。
CH19の蘇生手術では、青白く生気のない肌の色が「彼女もMG2と同じ人工物である」という残酷さを実感させる。CH21、桂とMG2の瞳がシンクロして発光するカットも、これまで以上のインパクト。そして最大の見せ場は、CH22からの都市破壊シーン。
特に63分10秒、MG2のミサイルで街が地表ごと吹き飛ぶカットは、土砂の粒立ちまでも鮮明であまりにも圧巻だ。リニアPCM収録のモノラル音声は、何より伊福部スコアを骨太に響かせる。♪ドシラ、ドシラの「ゴジラのテーマ」も、第1作から実に21年ぶりに本作で復活を遂げたのだった。
※音声は日本語リニアPCMモノラル(オリジナル)でチェック
『メカゴジラの逆襲』SPEC
●製作:1975年 ●監督:本多猪四郎(本編)、中野昭慶(特撮)●出演:佐々木勝彦、藍とも子ほか ●本編ディスク:83分、スコープ、4K SDR ●本編音声:日本語リニアPCMモノラル(オリジナル)、日本語DTS-HD Master Audio 5.1ch(2002 Remix)、日本語コメンタリーDTS-HD Master Audio(ゲスト:富岡素敬 聞き手:倉敷保雄) ●字幕:バリアフリー日本語
『ゴジラ』1984年
『ゴジラ』(1984) (C)1984 TOHO CO., LTD.
4K映像が緻密に描くサイボットゴジラ。シリーズ初ドルビーステレオ音声の響きもリッチ
『メカ逆』から9年ぶりとなる第16作は、”恐怖の象徴”としてのゴジラを甦らせた超大作だ。従来の着ぐるみに加えて体長5mの「サイボット・ゴジラ」も制作され、より凶暴なゴジラの表現に挑んでいる。
4Kリマスターではサイボット頭部の細やかなディテールや、目元・口元の動きを、質感豊かに描き出す。身長80mという設定に合わせて作り込まれた東京のミニチュアワークも圧巻だ。CH19の銀座襲来シーンでは有楽町マリオンや新幹線、ソニービルの壁面には『ゴーストバスターズ』のロゴもチラリ。
CH20からの新宿副都心では、高層ビル群の窓の明かりの細かな違いが見て取れる。そしてCH23、ゴジラとスーパーXが激突!その機体のパネル構造が克明で、照明弾やレーザー光線も階調豊かに力強く描かれる。熱線で撃ち抜かれる京王プラザホテルや、倒壊する住友三角ビルは、建物内部の緻密な作り込みも浮き彫りになった。
そして本作、シリーズ初のドルビーステレオ音声作品でもある。リニアPCM収録の2.0chサラウンド音声は鮮度が高く広レンジで、CH18の東京湾上陸やスーパーX戦など、シリーズ屈指の音響効果が楽しめる。小六禮次郎の壮大な劇伴の響きも非常にリッチだ。64分20秒で作戦本部の直上を通過するゴジラの足音も凄まじい迫力!
※音声は日本語DTS-HD Master Audio 5.1ch(2002 Remix)でチェック
『ゴジラ』(1984)SPEC
●製作:1984年 ●監督:橋本幸浩(本編)、中野昭慶(特撮)●出演:小林桂樹、田中健ほか ●本編ディスク:103分、ビスタ、4K SDR ●本編音声:日本語リニアPCM2.0ch(オリジナル)、日本語DTS-HD Master Audio 5.1ch(2002 Remix)、日本語コメンタリーDTS-HD Master Audio(ゲスト:中野昭慶 聞き手:倉敷保雄)●字幕:バリアフリー日本語
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