【連載】ガジェットTIPS

USBメモリやSDカード、いきなり引き抜いてはいけない理由は?

海上忍
2020年09月10日
パソコンやスマートフォンの補助記憶装置として欠かせない存在の「USBメモリ」と「SDカード」。形状や規格の違いはあれど、どちらもNAND型フラッシュメモリを採用しているなど多くの共通項を備えています。

それらの補助記憶装置を使い始めるとき、所定の位置へいきなり差し込んでも問題ありませんが、使い終えて引き抜くときには取り外しの手続き(アンマウント処理)が必要です。しかし、使用前はいきなりでOKなのに使用後はダメというのは、なんとなく腑に落ちませんよね。

引き抜くときには取り外しの手続きが必要です

引き抜くときアンマウント処理が必要な理由は「キャッシュ」にあります。一般的に、パソコン/スマートフォンがUSBメモリ/SDカードへデータを書き込むときは、メモリ(ダイナミックRAM)上に一時保管し、それをUSBメモリ/SDカードの書き込み性能にあわせ順次転送していきます。田んぼへ水を流すとき、一気に用水路へ流すと溢れるので用水路の手前にある溜池に水を貯え、そこから溢れないペースで流す...とイメージすれば理解しやすいかもしれません。

パソコン/スマートフォンの画面上では書き込みが完了しているように見えても、システムの背後ではキャッシュからUSBメモリ/SDカードへの書き込みが続いている可能性があります。もし、キャッシュした内容を転送し終える前にUSBメモリ/SDカードを引き抜いてしまうと、転送処理は不完全となりデータが破損する可能性大です。だから、引き抜く前にはアンマウント処理が求められるのです。

ただし、Windows 10など一部のOSでは、キャッシュのしくみが改良された結果、USBメモリ/SDカードをいきなり引き抜いても構わない仕様に変更されています(クイック削除)。フラッシュメモリの性能向上やUSB 3.0など新しい接続規格の登場もあり、かつてほど “アンマウントの作法” は重視されなくなりつつあります。

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