【連載】ガジェットTIPS

USBケーブルに付いている「筒状の物体」。これって何?

海上忍
2020年08月25日
ときどきUSBケーブルのプラグ付近に見かける筒状の物体、これは一体何だろうと思ったことはありませんか? それは「フェライトコア」、ノイズ対策のために取り付けられた酸化鉄を主成分とする磁性体であり、かんたんにいえば電磁石です。

それにしても、パソコンやスマートフォンと周辺機器をつなぐためのケーブルになぜノイズ対策が...と思う人もいるのではないでしょうか? その理由が「コモンモードノイズ」です。

エレコムの「DH-AB2F20BK」。録画用HDDとの接続に適しているとメーカーでは説明している

コモンモードノイズは、2本の信号線に乗った同相のノイズ成分のことで、USBケーブルなど差動伝送(2本の信号線を使い互いの逆位相信号/位相が180°異なる信号を伝える)を行うケーブルでも発生します。発生したノイズはUSBケーブル内の2本の導線を同じ方向へ流れ、金属製シャーシや床などを伝わり戻ってくると、ケーブルがループアンテナの役を果たし大きな電磁ノイズを発生させるのです。

そのコモンモードノイズを抑える役割を果たすのが、ケーブルに取り付けたフェライトコアです。コモンモードノイズが放射されると、周囲にある機器、特に電波を扱う機器の動作に影響をおよぼす可能性がありますが、フェライトコアを取り付けると磁束が同じ向きとなるためノイズを低減できます。

フェライトコアは、ケーブルで発生した電磁ノイズをエネルギーとして吸収します。特に電波受信装置を内蔵した機器、具体的にはテレビやラジオのチューナーを搭載する機器や携帯電話などの通信機器を利用するとき、電磁ノイズの放出を抑える役割が期待されています。

製品付属のUSBケーブルにフェライトコアが装着されている場合、EMC規格対策という側面があるにせよ、周囲への影響を考慮したうえでそのような仕様にしている可能性もありますから、安易にフェライトコアなしUSBケーブルへ交換すべきではありません。

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