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【特別企画】アコースティックデザインシステムによる試聴イベントに編集部記者が参加

「防音工事をすると音が良くなる!」理由とは? 試聴イベント「Acoustic Audio Forum」取材レポート

2015/07/15 編集部:小野佳希
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そして、反射音の付帯歪音が音質に悪影響であることにも言及。内装材の振動に伴う低音域の吸音や、カーペット等による高音域の吸音などにより、高音域を吸音しすぎたりして反射音の周波数特性バランスが崩れることで音質悪化の要因になるとした。

付帯歪音の影響で音が悪くなることなどを説明

また、「例えばスピーカーでも筐体の形を工夫することで定在波対策をしているものがある」とコメント。部屋づくりにおいても同様に、もともとの形状が響きに大きく影響することに触れ、「防音工事をすると部屋の響きがハッキリ出る。だからしっかり考えて部屋づくりを行う必要がある」と説明する。

そして、ちゃんとした設計の下に防音工事をすることで、中低音域の残響が豊かになり、響きのバランスが向上すること、また、反射音の歪成分が少なくなり、全音域の音がクリアになることを紹介。これによってスピーカーが楽に鳴るようになり、製品本来の個性や性能を発揮できるようになるとし、今回のテーマである「防音工事をすると音が良くなる!」という点について言及した。

ちゃんとした防音工事をすることでオーディオにおける音質向上も手に入れられる

なお、反射音については絶対的な正解があるわけではないことも紹介。個人によって音の好みは異なるため「積極的に反射音をコントロールして音を創っていくという考え方もあるだろう」とも述べた。

そのほか同社スタッフ宅の響きの測定データなども紹介

■「部屋づくりもオーディオも基本思想は同じ」

そのほか、前回までと同様に室外に出ての音漏れ具合確認も体験。特に、2日目のスフォルツァート試聴室での回では「本当に室内で音が鳴っているの!?」と驚きの声が挙がったり、窓の施工やエアコンの静音施工について質問したりと、かなり積極的な参加者の姿が見られた。

試聴室の外から音漏れ具合を確認。試聴室のなかではかなり大きな音で音楽が鳴り響いている

ちなみに、これまでもレポートしているようにスフォルツァートの試聴室は木造だが、本格的な音楽スタジオ並みの防音能力を持たせている。鈴木氏は「木造住宅でも、例えば鉄筋コンクリートで作り直すだとか、地下室を作るより安く、これくらいの防音は実現できる」と、同社が様々なノウハウを持っていることに改めて言及した。

電源を床下に隠していることなども紹介

そして「オーディオ機器の筐体も部屋も、『振動しないように高剛性に作る』という基本思想は同じだ」とコメント。「部屋もオーディオコンポーネントの一部だということ。そういう役割を部屋は担っている」と続ける。

そして最後に「収録現場にいられるわけはないのだから、我々ファンは“原音”をそっくりそのまま再生できるわけがないという考え方もあって、それもオーディオの楽しみ方のひとつ。音には好みもあるが、基本的なところを抑えて自分好みの音のする部屋を作ってほしい」と結んだ。

なお、同社では次回の「第21回Acoustic Audio Forum」を7月17日(金)・18日(土)に開催予定。会場は同じく初日がアコースティックデザインシステムのショールーム(九段下)で、2日目がスフォルツァート試聴室(日野市)。「防音工事をすると音が良くなる!!その2」をテーマとして特に定在波対策をメインに扱うという。詳細は公式サイトで確認でき、メールフォームからの参加申し込みを受け付けている。

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