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【特別企画】オーディオルーム防音のポイントを実地で体感

『オーディオと防音』を深堀りでレクチャー&体感 − 「第19回 Acoustic Audio Forum」開催レポート

2015/06/19 ファイル・ウェブ編集部
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防音工事専門会社のアコースティックデザインシステムが、オーディオ/ホームシアターファンに向けて毎月開催している試聴会「Acoustic Audio Forum」の最新回が2日間に渡って開催された。オーディオルーム構築と防音の関係性などについて様々なデモが行われた同イベントの一部始終を以下にレポートしよう。


■直球のテーマ「オーディオと防音」をより深堀り

本イベントを主催するアコースティックデザインシステムは“音楽家やオーディオ/ホームシアターファンのため”を謳う防音工事専門会社。プロミュージシャンも利用する音楽スタジオを多数手がけると同時に、そうしたノウハウを活かし、オーディオファンやホームシアターファンのための部屋作りも行っている。

さて、なぜ防音工事に“音楽家やオーディオ/ホームシアターファンのための”という枕詞が付いているのか。それは、音楽の演奏や鑑賞においては部屋の響きに配慮した施工が必要だからだ。外部への音漏れ対策だけを考えた単純な防音では「せっかく防音工事をして大音量を出せるようになったのに、以前よりも音が悪くなってしまった…」という問題が起こってしまう可能性もある。そうした点に配慮し、オーディオや楽器演奏を充分に楽しめる部屋づくりを行うことを表現するために、アコースティックデザインシステムでは“音楽家やオーディオ/ホームシアターファンのための防音工事会社”と謳っているのだ。

そんな同社が毎月開催している試聴会の最新回「第19回 Acoustic Audio Forum」におけるテーマは「マンション/戸建てのオーディオルーム」。マンション、戸建住宅それぞれでオーディオルームを構築する際に、防音で気をつけるべきポイントなどを体験できる回となった。

なお、オーディオルームの防音をテーマにするのは前回(レポート記事)に続いてのこと。前回の内容が好評で、より深い部分にまで踏み込んだものにしようと考えたのだという。同社代表の鈴木泰之氏は、イベント開催にあたって「間違いだらけの音響知識をお持ちの方もいるので、そのあたりの基礎知識もレクチャーできればと考えている」ともコメントした。

アコースティックデザインシステム 鈴木氏

また、日程も前回に引き続き2日間に渡っての開催で、初日は九段下にある同社ショールームを舞台にマンションの防音について、2日目はオーディオメーカー、スフォルツァートの試聴室で戸建て住宅の防音についてのデモを中心に展開。両日ともに多数の参加者が訪れて会場は熱気に包まれた。

加えて、デモにはDSD 11.2MHz再生にも対応するスフォルツァートの最高級ネットワークオーディオプレーヤー「DSP-01」を使用。前回は開発途中の試作機での試聴だったが、今回は完成版が用意され、イベントに出席していたオーディオ評論家の村井裕弥氏も「普通なら一ヶ月も前のことなど詳細には覚えていられないものだが、これは違いがすぐに分かるくらいに完成度が高められている」と評した同製品を体験できる場にもなった。

評論家の村井裕弥氏も参加していた

スフォルツァートの最上位ネットワークプレーヤー「DSP-01」。写真上が今回使用した完成品で、下が前回までの試作機。外見上では天板の放熱対策などが異なっている

■初日は「マンションでの防音」をテーマに展開

初日の会場となったのは、前述のようにアコースティックデザインシステムの事務所にあるショールーム。ビル内の一室に設けられた防音室で、マンションでの防音を意識した仕様にしており、この日のイベントでは実際に防音室の外だけでなく、事務所外の階段などにも移動して音漏れ具合を確認できるプログラムも行われた。

試聴室の外に出て音漏れ具合を確認

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