スマホ音源をHi-Fi級に格上げするオーレックスの一体型コンポ「AX-XSS100」で趣味時間をもっと満喫!
左右のユニット間隔が固定されている一体型スピーカーでありながら、至近距離で正対すると明瞭なステレオイメージが出現する。システム背後にある壁との距離も重要で、壁からの反射音も活用することで、部屋全体への音のクリアネスが向上する。
宇多田ヒカル『BADモード』をニアフィールドで聴き込むと、一体型筐体特有のナローさが消え、ステレオイメージが鮮明に浮かび上がる。特筆すべきはボーカルの定位で、目前に迫るような歌声の定位感を見せるし、深みのある低音の落ち着きもいい。スピーカーの存在感を消して、オーディオとして整えられたサウンドが浮かび上がるのだ。
続いて現代的なポップス、ROSE & Bruno Mars『APT.』を再生する。ここでもニアフィールドの恩恵は大きく、2人のボーカルが空間上に飛び交い、声色はビビッドで鮮やかに響く。何より驚かされるのは低域の制動力だ。独自DSPとMDF筐体の剛性が効いているのか、ベースラインが引き締まり、ゴリゴリとした芯のあるドライブ感を持って迫ってくる。
ダイアナ・クラール『夢のカリフォルニア』も聴き込んでみると、これが非常に相性がいい。彼女のハスキーで情熱的な歌声が、トゥイーターの性能によって艶やかに描かれる。バックを支えるウッドベースの胴鳴りの深みや、アコースティックな響きの余韻も美しく、まさにそのサウンドはオーディオ的。本機が “音楽” を深く理解して作られていることを再確認できた。
最後にCDトレイを活用してマイケル・ジャクソン『スリラー』を再生。CD再生の実力も確認した。物理メディアの情報量もさることながら、やはりここでもAUREX HD Remaster によるアップコンバートと、Flat Response Optimizerによる補正が効いているのだろう。特定の帯域が暴れることなく、自然で聴き疲れしないバランスに整えられている。Bluetooth再生時以上にS/N感が高まり、音が空間にスッと立ち上がる感覚がある。
リビングだけでは勿体ない! 書斎のサブシステムにもお薦め
オーレックスのAX-XSS100は「気軽に高音質を楽しみたい」という現代的なニーズに対し、きわめて真摯なアプローチで応えた製品だ。リビングで家族と音楽を共有するBGMシステムとしても優秀だが、オーディオ愛好家にとっては「書斎のサブシステム」としても真価を発揮するように思える。
書斎のPCデスク周りや棚の一角に、壁との距離を調整して自分好みの音を作る。そして手元のスマホで、愛用するサブスク音源を再生する。ただそれだけで、いつもの聴き慣れた楽曲が、ハイレゾ相当の解像度と鮮度を持って空間を満たしてくれる。
「気軽に高音質を楽しみたい」というコンセプトは、単なる手軽さの追求ではない。現代のメインソースであるスマホのサブスク音源を、オーディオ的な高音質で楽しむ──AX-XSS100の真価は、そんな所にあるのだ。

[SPEC]
●形式:2ウェイ・バスレフ型 ●ユニット:64mmコーンウーファー、20mmドームトゥイーター ●実用最大出力:15W+15W(ウーファー)/10W+10W(トゥイーター) ●主な入出力端子:USB Type-A×1、ステレオミニ出力×1、ステレオミニ入力×1、F型コネクタ×1 ●対応フォーマット:CD、CD-R/RW(CD-DA/MP3) ●ワイヤレス機能:Bluetooth ver5.3 ●消費電力:30W ●外形寸法(突起物含む):400W×143H×255Dmm ●質量:約4.5kg ●付属品:電源コード、リモコン、FM簡易アンテナほか
(提供:東芝エルイートレーディング株式会社)
