Bowers & Wilkins「Px8S2」徹底レビュー!評論家も推薦、新旗艦ヘッドホンは「想像を上まわる実力の高さ」
音質の要といえるドライバーユニットは、40mm口径のダイナミック型、カーボン素材の振動板などを先代から継承しつつ、バスケット(ドライバーを固定する部分)の高剛性化や固定方式の変更、振動板とエッジの接合部の面積を減らすなど、様々な改良によってさらなる低歪みを実現。DSPやDAC、アンプの各パートをそれぞれ独立して搭載することで、よりピュアなサウンドを追求しているという。
Bluetoothは5.3に対応し、安定した接続を実現。同時に、aptX LosslessやaptX Adaptive(96kHz/24bit)にも対応し、ワイヤレス接続でもハイレゾ相当のサウンドが楽しめるようになっている。
また、USB-Cでの有線接続も可能で、最大96kHz/24bitに対応しているほか、Apple MFiやGoogle Fasr Pairといった機能も搭載しているため、パソコンやスマートフォンなど様々な機器で手軽に良質なサウンドを楽しむことができる。
Px8 S2音質レビュー:「想像を上まわる実力の高さ」
さて、ここまでスペック的な内容を記述することで大いに期待値を高めたサウンドについてだが、実際に聴いてみると、想像を上まわる実力の高さに思わず驚かされた。

まず、解像度がワイヤレスとは思えないくらい高く、緻密で精密な表現が伝わってくる。それでいて、抑揚表現がダイナミック。音楽がとても躍動的に聴こえる。
フルオーケストラの演奏を聴くと、大きく広がるホールの全てから音が伝わり、かつ、各楽器のディテール、演奏のニュアンスがハッキリと見える。同時に、金管楽器の伸びやかさ、コントラバスの深い低音など、色彩に満ちた演奏が楽しめる。さらに、トランジェントが優秀なため、曇りのないキレよい演奏も楽しめる。
おかげで、Jポップも楽しい。ヨルシカ「火星人」は冒頭のギターやドラムの演奏が普段よりリズミカルに感じられ、思わず体が動いてしまうし、ヴォーカルもクリアかつスレンダー(滲みやボケのない)な、魅力的溢れる歌声を聴かせてくれる。
特にReoNa「シャル・ウィ・ダンス」のような、生楽器ところどころ打ち込み+ハスキー系女性ヴォーカルとの相性が抜群で、リアルかつノリの良いサウンドが存分に楽しめる。これも、特性のよさがイコール万能選手となり得た「Px8 S2」ならではの、表現力の高さといえる。
また、ワイドレンジな帯域特性、かつ絶妙なサウンドバランスのおかげもあって、Creepy Nutsのような曲調も楽しい。ローエンドに深く伸びたキックの音がノリの良いリズムを楽しませてくれるし、R指定の声色の豊富さを存分に堪能できる。
さらに、USB-Cによる有線接続もオススメだ。こちらはSNがひと段階向上し、クリアなサウンドとなるため、静かな曲調の楽曲も心地よく楽しむことができる。

「数多あるANCワイヤレスヘッドホンの中でも、頂点に存在する優秀機」
このように、「Px8 S2」は屋外での使い勝手はもちろんのこと、音質面でも満足度の高い製品に仕上がっている。
特に前モデルである初代「Px8」に対しては、低域のフォーカスが向上したほか躍動的で迫力あるサウンドへと変化、圧倒的に音楽が楽しく印象的になった。
「Px7 S3」に準じて“S3”と名付けても良かったのではないか、と思える大幅な進化を成し遂げているので、屋外でもこの音を存分に楽しみたいと思う人にとって買い替えは必須と言いたくなるレベルだ。
「Px7」ユーザーも「Px7 S3」を除けばこの機会にアップグレードを検討してほしいところ。いずれにしろ、数多あるANCワイヤレスヘッドホンの中でも、頂点に存在する優秀機であることは確かだ。
(提供:ディーアンドエムホールディングス)
