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PR映画から音楽までBANG & OLUFSENサウンドシステムのチューニングが巧み

TCL「C7Kシリーズ」は“全方位に強みを持つ4K Mini LED液晶テレビ”、コスパ抜群の売れ筋モデルを徹底レビュー

公開日 2025/07/04 06:30 海上 忍
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TCL 4K Mini LED液晶テレビ ”C7Kシリーズ”

「テレビ」という名称にこそ変化はないものの、実のところテレビほど目覚ましい勢いで進化を続けるデバイスはあまりない。液晶テレビとひとくちに語られるが、バックライトに大量の極小LEDを使用する「Mini LED」搭載機が主流となり、テレビメーカー各社はその制御の巧みさで鎬を削る時代だ。音についても立体音響のサポートが増え、テレビ単体で迫力のホームシアターを実現できるかどうかが重視されるようになっている。

そこにTCLから登場した、2025年度の4K Mini LED液晶テレビ “Cシリーズ”。上位の “C8Kシリーズ” はネイティブコントラスト最大7000:1など従来モデルから一線を画す高画質を実現、人気を集めている。続く “C7Kシリーズ” と “C6Kシリーズ” は、同等の機能と高画質技術を採用しつつも圧倒的コストパフォーマンスで魅力を放つ。

オーディオ・ビジュアルの総合アワード「VGP2025 SUMMER」では、映像音響部会で「コスパ賞」に輝くなど、その実力は折り紙付きだ。本稿では、そのうちC7Kシリーズに照準を合わせ、画質・音質および魅力的な機能の数々をレビューする。

オーディオ・ビジュアル機器の総合アワード「VGP2025 SUMMER」、映像音響部会にて「コスパ賞」を獲得

新開発「TCL全領域ハロー制御テクノロジー」でハローを徹底的に低減

C7Kシリーズは、98型を筆頭に85/75/65/55型の計5サイズをラインナップ。大画面トレンドを反映しつつも、日本の住宅事情を踏まえた現実的なサイズを揃えているところがポイントだ。4K解像度の液晶パネルはコントラストに優れたMini LEDバックライトと、広色域が特長の量子ドット技術を採用しているから、陽光輝くシーンからほの暗い洞窟のシーンまで、鮮やかさと階調感を保つことができる。

バックライトにMini LED、広色域を実現するべく「量子ドット技術」も導入している

C7Kに搭載されるMini LED液晶パネルは、新たに「CrystGlow HVAパネル」が導入されており、2,000個以上のローカルディミングにより3,000nitsという明るさを達成、低反射フィルムにより反射を抑えつつディテールに忠実な描画を実現する。

電界内で垂直に配列された液晶分子に、高分子材料ポリイミドを使用することで、光制御能力をコントラストを高めている

映像面で特筆すべきは、新開発の「TCL全領域ハロー制御テクノロジー」だ。皆既日食のような黒いバックに浮かぶ明るい物体を描くと、バックライトを使う液晶テレビではハロー(光のにじみ)が生じがちだが、TCLでは独自に開発した「超凝縮マイクロレンズ」の制御性能を大幅に引き上げることで、光の点を精密に制御できるようになり、バックライトの均一性を高めつつハローを抑制することに成功した。レンズ関連技術だけで34もの特許を申請中というから驚きだ。

新開発の「TCL全領域ハロー制御テクノロジー」によって液晶テレビの弱点のひとつであったハロー現象を抑制している

上位機と同様にBANG & OLUFSENのサウンドシステムで飛躍的な高音質化を実現

画質を支える要素としては、2,000個以上のエリア分割で画素を細やかにコントロールする「プレサイス ローカルディミング」と、センサーを活用し視聴環境に応じた映像調整を行う高画質エンジン「AiPQ Proプロセッサー」の存在も大きい。「Aiコントラスト」をはじめ、「Aiカラー」「Aiクラリティ」「Aiモーション」「Ai HDR」「Aiシーン」といった、AIを活用して映像を適切に調整する機能は、上位機と比較しても遜色ないものだ。

革新的な高画質エンジンとして「AiPQ Pro プロセッサー」が搭載されている

音響面の充実も2025年度モデルにおける大きな進化点だ。C7Kシリーズでは同社のハイエンドモデル群と同様に、BANG & OLUFSENとの共同開発による音響システムを採用したことで、従来モデルでは成し得なかったサウンドクオリティを実現した。立体音響技術の「Dolby Atmos」と「DTS Virtual:X」にも対応するから、包みこまれるようなサウンドをテレビ1台で再生できる。

専用チューニングが施されたBANG & OLUFSENのサウンドシステムを搭載する

用途の広さもいまどきのテレビだ。システムに「Google TV」を採用、VODサービスはもちろん、ゲームのアプリも自由に追加できるから、楽しめるコンテンツの幅は無限大。独自アルゴリズムでリフレッシュレートを最大288Hzまで、55型はDLG240Hzまでブーストできる「ゲームアクセラレーター」を搭載しているから、ゲーム中にキャラクターの動きがおかしく見えることもない。

スマート機能のひとつとして「Ai ART」機能も備えており、よりユーザーの好みにあった壁紙を自動で作成してくれる

ゲームに特化したモードとして「ゲームアシスタント」を採用しており、ゲーム専用画質モードをはじめ、ALLMやVRRなどの設定がスムーズに行える

HDRコンテンツらしいギラつくようなピーク感も違和感なく描く

視聴では、65型「65C7K」でVODサービスによる映像コンテンツで、アクション映画、アニメ、音楽ライブ、放送番組と、普段テレビで見ることの多いジャンルから数タイトルをピックアップのうえ検証した。

65型「65C7K」でクオリティをチェック

選んだ映画は、Netflixで配信中の『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』。ローマ市街地でのカーチェイスは迫力抜群、主人公を猛追する軍用車のエンジン音が響き渡る。NetflixではDolby Atmosで配信されているから、右から左へ音が移動するときの動きをつかみやすい。黄色のチンクエチェントが階段を転げ落ちるシーンも、衝撃音が四方八方から飛んでくるようで、イマーシブオーディオの効果を実感できた。

映像モードの設定「画質設定」では、AI機能が活躍する「インテリジェンス」を備える

映像制作者の意図に沿った映像表現を可能とする「FILMMAKER」モードも用意

C7Kシリーズが持つ描画性能のわかりやすさという点では、終盤の列車アクションシーンが好例だ。列車内はもちろん、明るい山並みを借景とする屋上格闘シーンも、暗いトンネルを通過するときの格闘シーンも、HDRコンテンツらしいギラつくようなピーク感も細やかな暗部階調も違和感なく描く。明るすぎる部分がサチュレーションを起こすこともなく、そつなく描画するところに好感が持てる。

自動コントラスト調整機能「動的コントラスト」は、低/中/高/オフから効果を選択できる

「ピーク輝度」ではローカルディミング技術を活用し、最大輝度を調整することができる

次ページ音楽ライブから放送番組まで画質・音質をチェック

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