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PRインテリアのアクセントにも成り得るスピーカーシステムを横並び

テレビにベストマッチなブックシェルフ型スピーカーを大研究!Bowers & Wilkins/DALI/Polk Audioで比較レビュー

公開日 2025/05/27 06:30 鴻池賢三
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テレビと組み合わせやすいブックシェルフ型スピーカーを比較チェック

テレビの音質を本格的なピュアオーディオのように向上させたいなら、やはりHi-Fiオーディオグレードのスピーカーを導入するのがベストと言える。特に最近はそうしたニーズを見越してか、ARC対応のHDMI端子を搭載したプリメインアンプが増えているので、必要とするクオリティや予算に応じて選び易くなっているのもポイントだ。

アンプで駆動するパッシブスピーカーは無数に選択肢があるが、テレビとの組み合わせを考えると、ブックシェルフ型スピーカーが魅力的に映る。サイズ面でテレビとのバランスが良く、上手く行けばテレビ台の余剰スペースを活かすことができるからだ。さらにテレビの幅の1.5倍程度と余裕のあるローボードなら、スピーカーの選択肢がさらに広がり、音質優先でセッティングを追い込める可能性も広がってお薦めだ。

そこで今回は、テレビ周りに組み込みやすいブックシェルフ型スピーカーをBowers & Wilkins(イギリス)/DALI(デンマーク)/Polk Audio(アメリカ)の人気3ブランドからピックアップし、55型の4K有機ELテレビに実際に組み合わせてみた。

絶対的な音質に加え、映像コンテンツとのマッチングもチェック。サラウンド環境で得られる包み込まれ感も魅力だが、高品位な2chサウンドが引き出すコンテンツの力は計り知れない。日常のテレビの音をより豊かにし、映画や音楽を最高のクオリティで楽しめる、読者それぞれに最適なスピーカー選びの参考になれば幸いだ。

Polk Audio「R100」〜パワフルかつダイナミックで奥行きも豊か〜

Polk Audio「R100」 77,000円(ペア/税込)

“Reserve シリーズ” は、Polk Audioのラインナップの中で上位に位置するハイグレードラインで、「R100」は同社独自の「ピナクル・リング・ラジエーター」を備えたトゥイーターや、「タービンコーン」を用いたウーファーが個性的だ。筐体やネットワーク回路に至る隅々まで、上位機ならではの設計思想や技術を備えながらも、リーズナブルな価格に抑えたコンパクトモデルであり、横幅も166mmとシリーズ内で最もスリムなモデルとなっている。

R100を4Kテレビの隣に設置したイメージ(パナソニック「TV-55Z90A」)

R100を鳴らすアンプには、価格のバランスも合い、薄型デザインも特徴的なプリメインアンプとしてマランツ「NR1200」を選択。ネットワーク再生機能を備え、HDMI端子を搭載するプリメインアンプの草分けとも言える存在で、音質と機能性の両面で今もなお根強い人気を誇る名機だ。

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R100のクオリティチェックでは、マランツのプリメインアンプ「NR1200」(116,600円・税込)を組み合わせた
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NR1200のHDMI端子はARC対応

「部屋全体が揺らす重低音はアクションシーンと好相性」

アクション映画『新幹線大爆破』(Netflix)を視聴。ステレオ再生であるためか、センタースピーカーが独立したマルチチャンネルシステムと比べると、セリフが抑え目ではあるが、映像との馴染みが良く、緊迫したシーンも違和感を覚えずに高い没入感が得られる。

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高域の拡散性を精密に調整されたウェーブガイドを採用したピナクルリング・ラジエーター・トゥイーター
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自然な中音域の再現を実現するタービンコーン・ミッド・ウーファー

Polk Audioのキャラクターとして低域の量感再現に長け、部屋全体の空気が揺らぐような重低音はアクションシーンと好相性。新幹線内で高まる緊迫感、走行音の重量感を堂々と鳴らし切り、サブウーファーの出番は無さそうだ。柔らかな表現は良い意味で適度な曖昧さを持ち、エアボリュームが大きな映画劇場の雰囲気も楽しい。

セリフの再現性は、ドラマ『地面師たち』(Netflix)で確認。言葉は際立つというよりも、シーンに溶け込む雰囲気。レストランや事務所内のシーンなどでは、セリフがその場の空気感を纏って終始ナチュラル。現実に引き戻されることなく没入感が高く感じた。

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バスレフポートには不要な共振を排除する特許技術「X-Port」が採用されている
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スピーカーターミナルはシングルワイヤリング仕様

「ライブの迫力を堪能したい “臨場感重視派” にお薦め」

音楽はユーザーの視聴実態を想定し、またライブ感の確認もしたいため『【Ado】風のゆくえ (EXPO 2025 大阪・関西万博 )』(YouTube)もチェック。音に厚みがあり空気感も豊かで、この点、サウンドバーでは到達し得ない次元だと感じた。ドラムなどの低域楽器はパワフルかつダイナミックで、余裕が奥行きも豊かに感じさせる。音量を大きめにしても破綻なく、ライブの迫力を堪能したい “臨場感重視派” にお勧めできるものだ。

ほか、一般的なテレビ番組視聴を想定して、電波放送によるニュース映像も確認。アナウンスなどの「声」は張りが感じられ輪郭も明瞭。ニュアンスは薄目ながら言葉として聞き取りやすい。屋外でのインタビューは空間の響きを濃く反映させている。収録現場の状況によっては言葉が少し曖昧になるが、現場の雰囲気を聴覚で感じ取れるのはプラス。総じて一般的なサウンドバーより情報量が多く、聴覚で状況を濃く感じ取れるのがメリットに感じた。

R100と4Kテレビを組み合わせた際の試聴シーンのイメージ(朝日木材加工のローボード「SP-STN2080」)

 

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