PRデノン/マランツ/B&Wのアイテムを横並びで聴き比べ
立体音響を叶える高級サウンドバーvsコンパクトでも本格派のHi-Fiシステム、テレビと組み合わせるならどっち!?
2025年の現在、テレビの大型が進む中、「テレビの音質アップ」を本気で考えている人は多いのではないだろうか。ここ数年、テレビ周りのサウンドを強化するアイテムのトレンドが二極化し始めている。サウンドバーを導入するか、はたまたプリメインアンプを組み合わせるかだ。
サウンドバーはテレビのサウンド強化の本流といっても過言ではないが、注目度が高まっているのがDolby Atmosなど3Dサウンド対応のサウンドバーだ。テレビの脚元に手軽に設置できるのはもちろんだが、VODサービスや4K UHD BDに収録される立体音響に完璧に対応できるため、理想的なシステムといえる。
そこに新たな選択肢として立ちはだかったのが「HDMI搭載プリメインアンプ」だ。オーディオブランドのスピーカーを組み合わせることができる、Hi-Fiオーディオファンが待ち望んでいたアイテムのひとつである。ARC対応のHDMIを搭載しているためテレビと接続しやすく、本格的なステレオ再生でテレビの音を楽しむことできる。
3Dサウンドやサラウンドが楽しめるサウンドバーと、本格的なステレオ再生が楽しめるプリメインアンプでは、音の傾向が大きくことなるが、実際に聴き並べてみるとどれほどの音質アップを体感できるのか。今回は、オーディオビジュアル機器の総合アワード「VGP2025」で高評価を受けた、「DENON HOME SOUND BAR 550 SURROUND SET」とBowers & Wilkins(B&W)「Panorama 3」のサウンドバー、デノン「DENON HOME AMP」とマランツ「MODEL M1」のプリメインアンプを用意し、横並びで音質比較レビューを試みた。
サウンドバー「DENON HOME SOUND BAR 550」とネットワークスピーカー「DENON HOME 150 NV ST」を組み合わせることで、4.0chのワイヤレスサラウンドを再生することができるのがDENON HOME SOUND BAR 550 SURROUND SETだ。
DENON HOME SOUND BAR 550は、19mmトゥイーター×2基、55mmミッドバス×4基、50×90mmパッシブラジエーター×3基を搭載し、全ch独立駆動の6chパワーアンプを備えている。立体音響フォーマットはDoby AtmosとDTS:Xをカバーしており、ワイヤレス機能はHEOSやBluetooth、AirPlay2などに対応しているため、手軽に音楽ストリーミングサービスを再生できる。HDMIを2基搭載しており、eARCにも対応する。
まずは、DENON HOME SOUND BAR 550単体で『トップガン マーヴェリック』を試聴してみると、まず圧倒されるのは、映画館のような高さを伴った、見通しの良いサウンドだ。特に戦闘機のエンジン音が遠くから迫ってくる場面では、BGMの定位と空間表現の広さが特徴的。セリフの質感もポイントが高く、トム・クルーズの声も力強く響く。センター重視の音作りが明確で、声が埋もれることなく聴き取りやすいのも好印象だ。
ここで、ネットワークスピーカーを組み合わせたENON HOME SOUND BAR 550 SURROUND SETのサウンドに切り替えて観ると、予想以上に音場の作りが変わる。全方位に音が広がり、調和の取れた形で音場の広大さが一段を向上する。後方から飛んでくる戦闘機の音や格納庫の奥行きを感じさせる環境音も、いっそう没入感の高い音にブラッシュアップされた。
『推しの子』のライブシーンでは、臨場感の再現が絶大で、“ライブ感” が一気に高まる。歓声が前後左右から包み込むように広がり、実際にライブ会場にいるような感覚をしっかりと味わうことができ、密度感の高い立体音響サウンドを楽しむことができる。歌声も明瞭で、楽器の質感も自然、ライブ感に加えて各サウンドの実存感も十分だ。
代表的なスピーカーブランドであるB&Wが手掛けたハイエンド・サウンドバーPanorama 3は、高級感の溢れるエレガントなボディに、19mm チタニウムドーム・トゥイーター×3基、50mm ウォーブン・グラスファイバーコーン・バスミッドレンジ×6基、50mm ウォーブン・グラスファイバーコーン・アトモスドライブユニット×2基、100mm ロープロファイル・バスユニット×2基、合計13基のドライバーを搭載、400Wのパワーアンプで駆動させている。
Panorama 3は、高さ方向のサウンドを再生するドルビーイネーブルドスピーカーを備えているため、3Dオーディオの再生に自然と期待が高まる。立体音響フォーマットはDolby Atmosに対応、ワイヤレス機能はBluetoothやAirPlay2をフォローする。また、BluetoothではSBCやAACの他にaptX Adaptiveのコーデックにも対応する。アプリ「Bowers & Wilkins Music」によって入力切替や音量調整など各種設定の操作、音楽配信サービスの再生も可能だ。eARC対応のHDMIを1基装備。
『トップガン マーヴェリック』では、トム・クルーズがトレーラーで目を覚ますシーンで流れる、微かなラジオの音も丁寧に浮かび上がり、BGMのオーケストラの音も透明感が素晴らしく、誇張感なく鳴らす繊細なサウンド表現は、B&Wならではの高音質だ。
ダークスターの離陸シーンでは、ジェットエンジンの轟音が部屋全体を包み込むように広がり、頭上から背後に抜けるような空間的な広がりも再現する。音の定位は、空間上の定位の正確さに振り切っている印象で、スピーカーの存在を消す方向。背後方向の定位感も、物理的なリアスピーカーを持たないサウンドバーとしては非常に優秀だ。
『推しの子』のライブシーンは、アイドルの歌声が非常に明瞭であり、メンバーそれぞれの声色の違いがはっきりと表現されるし、コールは耳元まで飛んでくるような再現。そこにライブ会場の音場空間が加わり、いっそうリアリティが増す印象を受ける。ドラマパートの声の質感も、ライブシーンとは異なり、現実感に富んだサウンドとなる。サウンドバーながら、スピーカーの存在が消えるような音は、Panorama 3の真骨頂だ。
サウンドバーはテレビのサウンド強化の本流といっても過言ではないが、注目度が高まっているのがDolby Atmosなど3Dサウンド対応のサウンドバーだ。テレビの脚元に手軽に設置できるのはもちろんだが、VODサービスや4K UHD BDに収録される立体音響に完璧に対応できるため、理想的なシステムといえる。
そこに新たな選択肢として立ちはだかったのが「HDMI搭載プリメインアンプ」だ。オーディオブランドのスピーカーを組み合わせることができる、Hi-Fiオーディオファンが待ち望んでいたアイテムのひとつである。ARC対応のHDMIを搭載しているためテレビと接続しやすく、本格的なステレオ再生でテレビの音を楽しむことできる。
3Dサウンドやサラウンドが楽しめるサウンドバーと、本格的なステレオ再生が楽しめるプリメインアンプでは、音の傾向が大きくことなるが、実際に聴き並べてみるとどれほどの音質アップを体感できるのか。今回は、オーディオビジュアル機器の総合アワード「VGP2025」で高評価を受けた、「DENON HOME SOUND BAR 550 SURROUND SET」とBowers & Wilkins(B&W)「Panorama 3」のサウンドバー、デノン「DENON HOME AMP」とマランツ「MODEL M1」のプリメインアンプを用意し、横並びで音質比較レビューを試みた。
■DENON HOME SOUND BAR 550 SURROUND SET、魅力的な4chワイヤレスサラウンド
サウンドバー「DENON HOME SOUND BAR 550」とネットワークスピーカー「DENON HOME 150 NV ST」を組み合わせることで、4.0chのワイヤレスサラウンドを再生することができるのがDENON HOME SOUND BAR 550 SURROUND SETだ。
DENON HOME SOUND BAR 550は、19mmトゥイーター×2基、55mmミッドバス×4基、50×90mmパッシブラジエーター×3基を搭載し、全ch独立駆動の6chパワーアンプを備えている。立体音響フォーマットはDoby AtmosとDTS:Xをカバーしており、ワイヤレス機能はHEOSやBluetooth、AirPlay2などに対応しているため、手軽に音楽ストリーミングサービスを再生できる。HDMIを2基搭載しており、eARCにも対応する。
「音場が全方位に広がり、調和の取れた広大な臨場感を味わえる」
まずは、DENON HOME SOUND BAR 550単体で『トップガン マーヴェリック』を試聴してみると、まず圧倒されるのは、映画館のような高さを伴った、見通しの良いサウンドだ。特に戦闘機のエンジン音が遠くから迫ってくる場面では、BGMの定位と空間表現の広さが特徴的。セリフの質感もポイントが高く、トム・クルーズの声も力強く響く。センター重視の音作りが明確で、声が埋もれることなく聴き取りやすいのも好印象だ。
ここで、ネットワークスピーカーを組み合わせたENON HOME SOUND BAR 550 SURROUND SETのサウンドに切り替えて観ると、予想以上に音場の作りが変わる。全方位に音が広がり、調和の取れた形で音場の広大さが一段を向上する。後方から飛んでくる戦闘機の音や格納庫の奥行きを感じさせる環境音も、いっそう没入感の高い音にブラッシュアップされた。
『推しの子』のライブシーンでは、臨場感の再現が絶大で、“ライブ感” が一気に高まる。歓声が前後左右から包み込むように広がり、実際にライブ会場にいるような感覚をしっかりと味わうことができ、密度感の高い立体音響サウンドを楽しむことができる。歌声も明瞭で、楽器の質感も自然、ライブ感に加えて各サウンドの実存感も十分だ。
■Panorama 3、イネーブルドスピーカー搭載で高さ方向のサウンドに万全
代表的なスピーカーブランドであるB&Wが手掛けたハイエンド・サウンドバーPanorama 3は、高級感の溢れるエレガントなボディに、19mm チタニウムドーム・トゥイーター×3基、50mm ウォーブン・グラスファイバーコーン・バスミッドレンジ×6基、50mm ウォーブン・グラスファイバーコーン・アトモスドライブユニット×2基、100mm ロープロファイル・バスユニット×2基、合計13基のドライバーを搭載、400Wのパワーアンプで駆動させている。
Panorama 3は、高さ方向のサウンドを再生するドルビーイネーブルドスピーカーを備えているため、3Dオーディオの再生に自然と期待が高まる。立体音響フォーマットはDolby Atmosに対応、ワイヤレス機能はBluetoothやAirPlay2をフォローする。また、BluetoothではSBCやAACの他にaptX Adaptiveのコーデックにも対応する。アプリ「Bowers & Wilkins Music」によって入力切替や音量調整など各種設定の操作、音楽配信サービスの再生も可能だ。eARC対応のHDMIを1基装備。
「オーケストラの音は透明感に富み、BGMは頭上から抜けるような空間再現」
『トップガン マーヴェリック』では、トム・クルーズがトレーラーで目を覚ますシーンで流れる、微かなラジオの音も丁寧に浮かび上がり、BGMのオーケストラの音も透明感が素晴らしく、誇張感なく鳴らす繊細なサウンド表現は、B&Wならではの高音質だ。
ダークスターの離陸シーンでは、ジェットエンジンの轟音が部屋全体を包み込むように広がり、頭上から背後に抜けるような空間的な広がりも再現する。音の定位は、空間上の定位の正確さに振り切っている印象で、スピーカーの存在を消す方向。背後方向の定位感も、物理的なリアスピーカーを持たないサウンドバーとしては非常に優秀だ。
『推しの子』のライブシーンは、アイドルの歌声が非常に明瞭であり、メンバーそれぞれの声色の違いがはっきりと表現されるし、コールは耳元まで飛んでくるような再現。そこにライブ会場の音場空間が加わり、いっそうリアリティが増す印象を受ける。ドラマパートの声の質感も、ライブシーンとは異なり、現実感に富んだサウンドとなる。サウンドバーながら、スピーカーの存在が消えるような音は、Panorama 3の真骨頂だ。
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