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PR年内発売予定の第2弾 “85mm” の作例も掲載!

圧巻の描写はそのままに小型軽量化を実現! ZEISS「Otus ML 1.4/50」実写レビュー

公開日 2025/05/23 06:30 河田一規
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ZEISS「Otus ML 1.4/85」


SPEC ●焦点距離:85mm ●絞り値:F/1.4-F/16 ●最短撮影距離:0.8m ●フィルター径:φ77mm ●外形寸法:φ87.9mm×105.7mm ●質量:1,060g ●対応センサーサイズ:フルサイズ ●対応マウント:ソニーE、ニコンZ、キヤノンRF ●価格:未定 ●発売日:2025年内発売予定 ※数値は全てキヤノンRFマウント用の数値


Otus ML 1.4/50に続くミラーレス用Otusの第2弾として、Otus ML 1.4/85が年内に発売される予定だ。こちらもミラーレス機ならではのショートフランジに対応することで小型軽量化されている。

先に発売されるOtus ML 1.4/50に比べると、一眼レフ用Otusからのサイズ変化率は小さいが、それでも確実に実感できるダウンサイジングが行われている。

非球面レンズが2枚使われているが、玉ボケ部分にも輪線模様は出ておらず、精度の高い光学系であることがわかる

具体的には一眼レフ用の「Otus 1.4/85」と比べて、全長は10.6mm、最大径は13.1mmのサイズダウン、質量は90gほど軽くなっている(キヤノンマウント同士の比較)。最大径が細くなったので片手でレンズを掴みやすく、レンズ交換時に取り落としにくくなったのは実使用で大きなメリットと感じた。

Otus ML 1.4/55は一眼レフ用Otusと同じくアポ・ディスタゴンだが、Otus ML 1.4/85は一眼レフ用Otusがアポ・プラナーだったのに対しアポ・ゾナーにレンズ銘が変更されている

またOtus ML 1.4/50と同様にインナーフォーカス式を採用しており、ピント合わせに伴うレンズ全長変化がないため重量バランスがほとんど一定で手持ち撮影もやりやすい。

外観の作り込みや仕上げはOtus ML 1.4/50と同じく高品位なもの。付属フードはガッチリとした感触でロックされるバヨネット取り付け式で、最近では珍しく内側が植毛タイプの手が掛かった仕様。鏡胴上の距離表示や絞り表記、被写界深度スケールの数字はすべて陰刻の彫り込みなのでハードに使っても消えてしまうことはないだろう。

Otus ML 1.4/55と同じく合焦部の解像は秀逸。ボケもいい感じだ

写りの印象はOtus ML 1.4/50と同様に、解像性能は恐ろしいほど高いものの、高解像度レンズにありがちな硬すぎる描写とは無縁なので、ポートレートでは髪の毛などもしなやかに再現される。年内の発売が楽しみなレンズだ。

一眼レフ用Otusは写りのよさに異論のないレンズではあるが、Otusならではの開放付近の描写を楽しもうとすると、一眼レフの光学ファインダーでは正確な合焦を得るのが難しいというジレンマがあった。

しかし、ミラーレス機ならピーキングや部分拡大などMFをサポートする多数の機能が搭載されているので、容易に正確な合焦を得ることが可能であり、その意味では一眼レフ用Otusより実力を発揮させやすい。

特にボディ側との電気通信によりボディ内手ブレ補正が利用できるのは大きな長所で、ファインダー像が安定するので手持ち撮影でも正確なピント合わせが可能だ。

しかもミラーレス用に新設計されたことで、画質を落とすことなく小型軽量化されているので機動力も向上。さらには価格的にも買いやすくなっているなど、一眼レフ用Otusに比べるとあらゆる敷居が下がっている。

一眼レフ用Otusの描写性能に魅力を感じつつも、いろいろな点で手を出しにくいなぁと考えていた人には、ぜひとも試して欲しい魅力的なレンズ群だ。一眼レフ用Otusには、28mm、55mm、85mm、100mmの計4本がラインアップされたことを考えると、ミラーレス用となるOtus MLシリーズも今後のラインアップ展開が期待できそうであり、そちらも楽しみだ。

モデル:いのうえのぞみ(https://x.com/nononononozomin


(提供:株式会社コシナ)

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