HOME > レビュー > 常用できるコンパクトな実力派大口径広角、フォクトレンダー「NOKTON 28mm F1.5 Aspherical」レビュー

PRα7C系などコンパクトなカメラと相性抜群!

常用できるコンパクトな実力派大口径広角、フォクトレンダー「NOKTON 28mm F1.5 Aspherical」レビュー

公開日 2025/01/10 06:00 桃井一至
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

簡単で失敗のないカメラ任せの撮影が好まれる一方、マニュアルミッションの自動車のように、操作感など、そのプロセスを意のままに楽しみたい人も多いだろう。ファインダーを覗き、絞りリングをダイレクトに操作してボケ具合を操り、指先から伝わる触感を味わいつつフォーカスリングを操り、狙いの場所にピントを合わせて瞬間を切り取る。

そんな写真愛好家、カメラファンの多くに愛されているのが、日本の老舗光学メーカーであるコシナが手がけるフォクトレンダーブランドのレンズたちだ。ラインアップも拡充を続けており、今ではミラーレスカメラ用やレンジファインダー用として、ソニーE、ライカM互換、マイクロフォーサーズ、フジフイルムX、ニコンZ、キヤノンRFと、計6種のマウント向けにレンズを展開している。

そのフォクトレンダーのミラーレスカメラ向けレンズの最新モデルが、今回ご紹介する「NOKTON 28mm F1.5 Aspherical E-mount」。フォクトレンダーのEマウントレンズとしては13本目となる大口径広角レンズだ。

NOKTON 28mm F1.5 Aspherical E-mount


SPEC ●焦点距離:28mm ●絞り値:F/1.5-F/16 ●最短撮影距離:0.28m ●フィルター径:φ49mm ●外形寸法:φ62.6mm×55mm ●質量:320g ●対応センサーサイズ:フルサイズ ●対応マウント:ソニーE ●価格:¥143,000(税込)●発売日:2025年1月23日

モデル名に冠された「NOKTON(ノクトン)」とは「夜想曲(ノクターン)」が由来。初代ノクトンが誕生した1950年代において、夜間など光量の少ない暗いシーンでも撮影を楽しめるレンズに冠された称号で、現在ではフォクトレンダーのレンズの中でもF1.5以下の開放F値を持つ大口径レンズに付与されている。

全長は55mm、フィルター径は49mmとコンパクトな本体だが、手にすると金属らしい冷たさと適度な重みが高級感を感じさせ、ただモノならぬ雰囲気を醸し出す。


金属製の専用フードが付属(写真は専用フード装着時)。開放絞りF1.5の大口径ながら全長55mmとコンパクトで取り回ししやすいサイズ感を実現している
もちろん見た目だけでなく操作感も格別だ。グリップ力の高いダイヤパターンのフォーカスリングは、しっとりとした上質な感触で、実際に操作すると思わずほくそ笑んでしまう。絞りリングの感触もフォーカスリング同様に上質で、心地よいクリックが撮影意欲を高めてくれる。ちなみに絞りリングはレンズ先端のクリック切替え機構を備え、クリック有無の選択が可能だ。


フォーカスリング、絞りリングには、共にグリップ力に優れたダイヤパターンを採用。市販の動画用フォーカスギアの取り付けも安定して行うことが可能
レンズ構成は8群10枚。前方に2枚の異常部分分散ガラスに加え、非球面ガラスを2枚備える。絞り羽根も12枚と一般的なレンズよりも多く、絞り込んでも美しい円形をキープしてくれる。


絞り羽根の枚数は12枚と円形に近く、点光源のボケなども整った形で描写することが可能

次ページ普段使いにちょうどいい高い携帯性と優れた描写力

1 2 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE