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【PR】注目モデルレビュー第2弾

発売直前! 完全ワイヤレス初の“ウッド振動板”搭載機、ビクター「HA-FW1000T」徹底レビュー!

2021/11/04 岩井 喬
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振動板にはカーボンコーティングPET素材を用いており、その中央にあるドーム部へウッドシートを組み合わせた構造。ウッドシートは伝搬速度や減衰特性に優れるカバ材を、独自の薄膜加工技術によって50μmに薄く削り出したものである。

ウッドドーム振動板を完全ワイヤレスに初搭載

そしてドライバーユニット後方には大容量の音響空間を用意することで、大口径ドライバーによってその空気容量を存分に活用し、充実したディテール再現性と奥行き感のある空間表現を実現したとのこと。ボディにはABS樹脂とポリカーボネートによる異種素材を用い、余分な振動を最適化。タッチセンサー部にはWOODシリーズならではのリアルなウッドパーツが用いられている。

さらにイヤーピースは内壁にスパイラル状のドットを配列した、独自の音質向上技術“スパイラルドット”を取り入れつつ、より一段と性能を向上させた『スパイラルドットPro』を本機専用に開発。スパイラルドットはイヤーピース内の反射音を拡散させ、直接音とのバランスを最適化することで音の濁りを抑え、クリアなサウンドを届けられるようにする技術だ。

今回新採用された“Pro”バージョンは新たなスパイラル状の突起形状を追加。さらに全体のフォルムの見直しすることで、より繊細な音まで再現性を高めたという。素材については柔らかいグレードのシリコン素材を採用し、ノイズキャンセル性能への還元も踏まえ、装着感と密閉度を向上させている。サイズはS・MS・M・ML・Lの5種類が同梱されており、厳密にフィット感を追求できる。

新開発の「スパイラルドットPro」イヤーピースを付属

■大柄なボディでも良好な装着感

実際にHA-FW1000Tを装着してみると、大口径ドライバーを搭載していることもあり、ボディは大柄であるものの、新規採用のスパイラルドットProイヤーピースのおかげでフィット感も良く、パッシブでの遮音性も相当高い。

完全ワイヤレスとはしてはやや大柄なサイズだが本体形状の工夫やイヤーピースなどによって良好なフィット感を実現

操作は左右ハウジングのタッチセンサー部のみで、専用アプリなどを別途必要としないシンプルな仕様。アプリからの操作は便利である反面、アプリがないと操作できない機能があったりすると逆に不便となってしまう。設計陣としてはそうしたことが起こらないよう、タップ回数を増やすコマンドによってノイズキャンセル(L側4回タップ)、K2テクノロジー(R側4回タップ)のON/OFFも個別に操作できるようになっている。音量調整は100段階のボリュームステップを採用し、1dB単位で好みの音量に調整可能だ。再生側機器の内蔵ボリュームスライダーでもそのステップ数の多さが反映されているので、タッチセンサーでの操作(L側2回タップで音量ダウン、同3回タップで音量アップ)と掛け合わせて活用すると良いだろう。

ノイズキャンセル効果はそれほど高くはないが、地下鉄やバスの中での雑音を適度に抑え込んでくれるので、音量を低くしていても楽曲のフェードアウト時の僅かなニュアンスまで鮮明に聴き取ることができた。ノイズキャンセル機能のON/OFFで音質変化が生じるモデルも少なくないが、本機はそうした音質変化が起こらないよう、チューニングを行っているという。実際音源再生中、ノイズキャンセル機能のON/OFFを試してみたが、よほど注意深く聴かない限り、その差は判別できないものであった。

■バランス指向で伸びの良い、丁寧なサウンド傾向

アップル「iPod touch(第6世代)」とAACコーデックで接続した音質を確認してみる。K2テクノロジーは音楽停止中でないと切り替えできない仕様だ。まずK2テクノロジーなしの音を聴いてみたが、バランス指向で伸びの良い、丁寧なサウンド傾向であることを感じた。オーケストラのローエンドはゆったりとしており、管弦楽器の旋律は粒立ち細かく滑らかなタッチで浮き上がる。ボーカルは幾分細身だが、質感そのものは荒れたところはなく自然な表現だ。

次ページトップエンドの完全ワイヤレスに相応しい堂々たる存在感

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