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【特別企画】AQCOLORシリーズに加わった4K対応27インチの新モデル

基本性能の高さと使い勝手は折り紙付き!BenQの実力派PCモニター「SW271C」レビュー

2021/04/02 山田久美夫
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■設置スペースと表示解像度のバランスのよさは大きな美点

実際に仕事場に本機を設置してみると、昨年レビューした32インチの「SW321C」(SW321Cのレビュー記事)を設置した時と比べ、随分と印象が違う。画面の見やすさという点では、やはり、より大画面であるSW321Cに分があるものの、実際に作業を始めると、本機のバランスのよさに気がつく。

まず、設置に必要なスペースが大きく異なる。SW321Cは設置場所を選ぶが、本機であれば、一般的な事務用机の上でも無理なく設置できる。デスクトップPCであればモニターの手前にキーボードを楽に置けるし、ノートPCと組み合わせての使用でも、さほど狭さを感じることはないだろう。

また、SW321Cより画面サイズは小さいが、解像度は4Kと高いため、想像していた以上に細部のチェックが快適に行える。設置スペースと表示解像度の絶妙なバランス感はSW321Cにはない大きな美点で、積極的に本機を選ぶひとつの理由となるだろう。

次に本機を使って実際に色々な作業を行ってみたが、先に結論を書いてしまうと、本機は画像編集のメインモニターとして、十分に活用できるレベルの性能を備えている。

SW271C(左)とSW321C(右)の大きさの比較。いずれも表示解像度は4K UHD(3840×2160)と同等だが、SW271Cの表示が細かすぎて見辛いという印象はなかった

仕事柄、様々なハイエンドモニターを試用してきたが、上質なモニターに共通する特徴として感じるのは、長時間見ていても疲れず、とても自然で落ち着いた、誇張のない表示をする点だ。本機はまさにそういった感覚で扱えるモニターであり、信頼に値する表示品質を実現している。

特に感心するのは、箱から出してPCと接続した瞬間から、十分に高い表示品質を備えている点だ。メーカーによれば、本機はSW321Cと同じく、全品きちんと校正した状態で出荷されているとのこと。液晶パネルもバックライトも、組み込んだままだと多少の表示偏差があるものだが、本機は出荷前にその偏差を測定し校正しているのだ。

とはいえ、当然モニターは経年劣化するものだ。しかし本機はハードウェアキャリブレーションに対応しており、経年劣化を感じた場合は、手持ちのキャリブレーターを使い、その都度校正することで、初期状態の表示品質をほぼ維持することができる。試しに手持ちのキャリブレーターを使ってデモ機を調整してみたが、調整前とまず見分けが付かないレベルの差であった。

独自開発のハードウェアキャリブレーション用PCソフト「Palette Master Element」(無料)が用意されており、手持ちの対応キャリブレーターと組みわせ、簡単な操作でハードウェアキャリブレーションを行うことが可能だ

また、手持ちのキャリブレーターでは校正できない、画面内の均一性(ユニフォーミティ)も出荷時に調整されているため、画面内のどの場所でも均一な色や明るさで表示できるので実に安心だ。

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