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半端ではない瞬発力と表現性を持つアリオン「S-200sv」。パワーアンプとして一級の性能を確認

公開日 2020/11/21 12:00 福田雅光
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半端ではない瞬発力や表現性
■アリオン「S-200sv」の最先端クオリティに驚いた

試聴条件は、CDプレーヤーにアキュフェーズDP-650、プリアンプは同じくC-2850、スピーカーはB&W 800D3。接続ケーブルは、プリアンプ出力XLRケーブルはオヤイデAR-910(ロジウムメッキプラグ)、スピーカーケーブルにクリプトンSC-HR1500。電源ケーブルはPC-Triple C導体ケーブルを使った自作品としている。


福田氏が新試聴室の新レファレンススピーカーに選定したB&W 800D。位相や解像度が正確で高精度な表現性の魅力を、アリオン「S-200sv」は遺憾なく引き出し、この組み合わせは十分な駆動力とこの上ない最先端の音の魅力を聴かせることが分かった
また、使用CDプログラムは、キャロル・キッド『All My Tomorrows』の「When I Dream」、森 麻季『麗しき瞳よ〜ヘンデル・アリア集』、ケイコ・リー『Delight』の「Fever」などである。

このパワーアンプは高純度、高速レスポンスでコントラストの高い陰影描写力、高解像度で洗練された性能に正直驚いた。現在の最先端のクオリティと表現力を示している。回路設計や部品のどのような要素が、この性能をもたらしているのか。メジャー製品でも、この性能を示すことは少ない。

広帯域である。低域、重低音の底力も強力な部分である。引き締まり、弛みがない。強烈な低音リズムを持つケイコ・リー『Delight』の「Fever」を再生すると、その瞬発力や躍動の直進加速力は半端ではない。強力なダンピングを備え、エネルギーは決してボケることがなかった。また、中低域のヴォーカル帯域で朗々と歌うテネシー・アニーフォードの声のリアリティは、この上なく音が立体的に構成されるため、実に音離れがいい。

「S-200sv」に繋がる、斬新で高精度な筐体の10周年記念プリメイン「A10」(¥1,200,000、税抜)。AEX2018製品開発特別賞受賞。出力120W/ch(8Ω)でフォノEQ搭載。高級金属ボディ製リモコン付属

魅力は、低域・中低域ばかりではない。ニュートラルで混濁がなく、繊細な倍音スペクトラムも美しい。空間は澄みきり、広さを出す。高域のトランジェントに優れ、たいへん高精度である。

アリオンの「S-200sv」が、現在一級の最先端の性能を持つことを理解できる。ガレージメーカーの挑戦は見逃せない。コスト制限がない訳ではないが、かなり度外視で作り上げられた印象である。

【S-200svの仕様】
●定格出力:200W/ch(8Ω)●周波数特性:20Hz〜120kHz(+0、-1.5dB)●ゲイン:25dB●S/N:102dB(A-WTD)●入力インピーダンス:20kΩ●歪率:0.1%以下(1kHz AN-WTD 200W出力時)●入力:1系統(XLRバランス)●出力:2系統(スピーカーA/B)●定格電圧:100V(入力電圧200Vの特注機は別途費用)●サイズ:462W×160H×392Dmm●質量:約27kg●保証期間:2年間●フロントパネル:15mmアルミ無垢材削り出し●シャーシ:全て4mm厚アルミ製

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