驚愕の“超”高コスパ！ 大幅進化した1万円切り完全ワイヤレス、AVIOT「TE-D01gv」実力チェック

「QCC3040」のメリットはいくつもあるが、そのなかでも注目といえるのが、対応コーデックの幅広さだ。SBC、AACに加えて、aptX、さらにはaptX Adaptiveにも対応。より高音質なサウンドを楽しむことができる様になっている。

特に、aptX Adaptiveに関しては、大注目といっていいだろう。こちら、リスニング環境や音声データの量などに応じて転送ビットレートをリアルタイムで可変させ、音質の良さと接続安定性を巧みにバランスさせるシステム。動画再生やゲームにどにおいても、遅延の少なさで効果を発揮してくれるという。

加えて、「QCC3040」に新設計のアンテナを搭載することで、接続安定性にも更なる向上を果たしているとのこと。実際に製品で試してみたところ、スマートフォンOPPO「Reno A」とのaptX接続時で、見通しの良い市街地ながら20mほど離れても安定した接続を保持してくれた。

■ドライバーの一新で音質も強化

また、音質に関してはドライバーが一新されたことも注目だ。今回搭載された、チタン蒸着PU振動板とネオジウムマグネットが組み合わされた6mm口径のダイナミック型マイクロドライバーは、日本人のエキスパートの手によって徹底的にサウンド調整され、「情報量が多いのに滑らかで刺さりの少ない高音域、艶めかしく音像が眼前に浮かび上がるような美しい中音域、聴感を騙すブーストを排除したリニアな低音域」が追求されているという。

いっぽうで、使い勝手の良さにも更なる磨きがかかっている。通話用のマイクとして、新たに高感度MEMSマイクを採用。cVcノイズキャンセリング機能との相乗効果で、声の通りの良いクリアな通話を実現しているという。テレワークやオンライン授業などでも、大いに活躍してくれそうだ。また、新たにアンビエント（外音取り込み）機能を搭載。イヤホン本体をいちいち外すことなく廻りの音を確認することができるので、屋外のランニング時も安心だ。

さらに、連続再生時間は最大11時間へと向上し、専用ケースからの充電を合わせると50時間ほど使い続けることができる様になった。また、ケースはUSB Type-Cポートを搭載し、15分の充電で最大3時間の再生が可能となる急速充電機能にも対応している。そのほか、IPX7の防水性能や別売シリコンケースが用意されているなど、充実したユーザビリティが盛り込まれている。こういった機能性を見ていくだけでも、「TE-D01gv」はとても魅力的な製品に思える。

■ベースモデルとの音の違いをチェック！

しかしながら、音質も重要なポイントのひとつだろう。ということで、ベースモデル「TE-D01g」のサウンドと比較しつつ、試聴してみた。

こと音質については、全く別クラスの製品といっても過言ではないくらい、クオリティが高まっている。まず、歪み感が徹底排除されている。特に低域のフォーカス感が高まったことで、ベースやドラムなどのグルーブ感がよりダイレクトに伝わってくるようになった。

いっぽう、高域も一段とピュアになっていて、金管楽器の音色が煌びやかで美しい。ヴァイオリンの音にも、普段よりも一段の勢いを感じる。

とはいえ、いちばんの魅力と思ったのが総合的なサウンドバランスの良さだ。実は、オリジナル「TE-D01g」も比較的音楽ジャンルを選ばない纏まりの良さを持ち合わせていた（これはこれで良かった）が、それはあくまでも音質調整を突っ込み過ぎずバランスを重視した結果のようにも感じられた。

対して「TE-D01gv」は、音のダイレクト感、メリハリ表現のキレの良さ、ディテール表現のきめ細やかさを重視しつつ、それらを高度にバランスさせた徹底追求形のサウンドに仕上がっているのだ。

おかげで、チェロもヴァイオリンも活き活きとした音色を奏で、ピアノはタッチの力強さと伸びやかさを併せ持ち、女性ヴォーカルは大人っぽいニュートラルな感情表現の歌声を楽しませてくれる。そのいっぽうで、打ち込みを多用するJポップやEDMも迫力満点のビートを感じさせてくれるという、音楽ジャンルを選ばない、クラシックからJポップまで幅広く楽しめる懐の深さを実現している。

このように、「TE-D01gv」はオリジナルモデルから価格クラスをひとつもふたつも上にシフトしたかのような、着実な進化を感じさせてくれる製品となっている。実売9000円前後という価格で、しかも1年あまりの期間でここまでのクオリティアップは驚くばかり。完全ワイヤレスイヤホン新たなるランドマーク誕生を、大いに歓迎したい。

（協力：プレシードジャパン）