コスパ抜群の入門モデル

飾り気のないワイルドさが魅力。トライオードのエントリーフォノEQ「TRX-EQ7」を聴く

石原 俊
2020年07月09日
フォノイコライザー「TRX-EQ7」は、廉価かつ高性能な真空管式アンプで知られるトライオードのソリッドステート式の小型フォノイコライザーである。筐体はフルサイズのオーディオ・エレクトロニクスの6分の1程度のサイズで、レコードプレーヤーの横にセッティングすることもできるだろう。

トライオードのフォノイコライザー「TRX-EQ7」。価格は48,000円(税抜)

フロントパネルにはメインスイッチとMM/MC切り換えスイッチがマウントされている。電源を入れるとメインスイッチの周囲がフィラメント色に輝くのが嬉しい。

本機は以前にラインアップしていた TRX-EQ6の後継機である。主な改良点は昇圧比で、EQ6ではMM 36dB/MC 55dBだったのに対して、本機はMM 46dB/MC 64dBとなった。これは「もう少し増幅ゲインが大きい方がさらに使いやすい」というEQ6のユーザーの声に応えての改良だという。ゲインの上昇に伴って、スイッチング方式の電源回路は別筐体となった。

「TRX-EQ7」のリアパネル。RCAフォノ入力1系統、出力1系統というシンプルな構成

試聴では、カートリッジにミューテックの高級MC型機「耀」を使用したのだが、まったく位負けしていない。 それは単刀直入なアナログ表現だ。カーッと燃え上がるような熱い音楽表現といってもいい。これはおそらくゲインを上昇させたことの副産物であろう。もちろん高級機と比較すれば音像の瑞々しい質感や広大な音場、透明なワイドレンジ感などは、甘く感じられる。だが本機の音にはアナログらしい稠密感と飾り気のないワイルドさがある。

ジャズは荒々しい。サックスやトランペットの音像がリスニングポジションに襲い掛かるかの如く飛んでくる。高級機の滑らかな表現もいいが、ある種のジャズファンはこちらを善しとするだろう。ヴォーカルはストレートに艶っぽい。クラシックは雰囲気で聴かせる。抜群にコストパフォーマンスの高いエントリーモデルである。



本記事は季刊・analog vol.68 Summerからの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから

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