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【特別企画】プリ/ヘッドホンアンプを内蔵

CHORD「Hugo TT 2」レビュー。唯一無二の“滑らかな音の質感”を聴かせてくれる多機能DAC

公開日 2019/09/02 06:15 生形三郎
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なお、本機はボリューム機能を搭載しプリアンプとしても使用可能だ。そこで、アキュフェーズのプリアンプを通さずに、パワーアンプへと直結しても試聴した。すると、さらに鮮度の良い音で、先述の音質を楽しむことが出来た。

オーディオシステムにとって、プリアンプはサウンドキャラクターを統率する重要な要素である。故に、質感を求めるうえでプリアンプは欠かせない存在だが、本機はそれ単体でも十分な音楽性を備えており、音楽が無味乾燥になったり、またストレートすぎることなく、十分に音楽的な豊かさを楽しませてくれる音である。

Hugo TT 2のプリ機能を用い、パワーアンプ直結での音質もチェックした

逆に、本機の場合は、テーブルトップというコンセプトの上でも、よりシンプルでスペースファクターに優れる、パワーアンプへの直結接続がお似合いだろう。


ヘッドホンアンプとしても優れた性能を備える

ヘッドホンアンプの試聴は、ゼンハイザーのHD 800を接続してテストした。当然ながら音圧が低めのクラシックソースでも十分な音量がとれると共に、駆動力も申し分がない。HD 800ならではの緻密な再現力を十分に引き出しながらも、若干のコントラストが向上したかのような温度感の高い描かれ方が楽しめる。

ゼンハイザー「HD 800」と組み合わせてヘッドホンアンプの音質もチェックした

先ほどと同じく、音楽の表現に血肉や体温が通った、温もりと張りを持った音を楽しませる。各楽器の音像は明瞭な輪郭で描き出されるとともに、しっかりとした厚みのある表現が実に心地よい。それでいて、決して音の流れが鈍重にならないところに感心させられる。あくまで自然な軽快さでもって音楽が流れていくのである。

最後に、Bluetooth接続による再生も試した。スマートフォンとの連携では、安定した接続によって、スマートフォンからの音声を出力することが出来た。より音質的なロスの少ないaptXコーデックにも対応しているので、対応機器を用いることで、さらに良い質感で音楽を楽しむことができるだろう。



Hugo TT2は、ハイレゾからワイヤレスまでを、デスクトップに手軽に収まるサイズで高品位に楽しめるシステムを構築することができる。同社最新DACとして、従来モデルからの大幅なスペックアップを実現し、コンパクトながらハイエンドオーディオたる音質を実現したその存在は、これからのオーディオスタイルの在り方を鮮烈なインパクトで持って明示する、唯一無二のプロダクトといえよう。

(生形三郎)


特別企画 協力:タイムロード

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