上位機の技術を継承しつつ小型化も実現

ラックスマンのレコードプレーヤー「PD-151」レビュー。ベルトドライブならではの音楽性と明晰な表現を両立

岩井喬

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2019年01月23日
ラックスマンから本格的なベルトドライブ方式のアナログプレーヤー「PD-171A」の基本構成を踏襲した弟モデル「PD-151」が登場した(関連ニュース)。2011年より約28年ぶりに再びアナログプレーヤーを投入したラックスマンだが、その歴史を振り返るとベルトドライブ方式を取り入れたモデルが多く、復活以降のアナログプレーヤーもすべてベルトドライブ方式が採用されている。

ラックスマン ベルトドライブ方式アナログプレーヤー「PD-151」価格:298,000円(税抜)

ベルトドライブ方式は構造としてシンプルなため、低価格なエントリークラスでも採用例が多い。またS/Nや流麗なサウンド性など、ベルトドライブ方式ならではのメリットが大きいことから、現代のアナログプレーヤーのシーンにおいて高級機分野でも広く採用されている。

近年では、テクニクスの復活により同ブランドのお家芸ともいえるダイレクトドライブ方式が刷新され、ハイエンド分野でもそのクオリティに注目が集まっている。しかし一方で、ベルトドライブ方式でないと出せない、いかにもアナログらしい濃密で滑らかなサウンドに対してのニーズも根強い。

ラックスマンは、「PD-171A」のようなハイエンドクラス並みの高いクオリティが楽しめるベルトドライブ方式モデルをよりリーズナブルな価格帯で展開することで、「さらに多くの方に本格的なベルトドライブ方式の魅力を味わってほしい」と考え、このPD-151は企画された。リスナーの選択肢を増やす意味でも、新世代の同方式モデルの攻勢が強くなってきた30万円前後の価格帯へ本機を投入することには意義がある。市場全体の活性化まで見越した多面的な要素をカバーした戦略的プレーヤーなのだ。


新開発の専用モーターを搭載、上位機種にも劣らない性能と小型化を実現

PD-151では、PD-171Aで採用されていた特徴的な機能・構造を継承しているが、そのひとつがアンダースラング構造だ。10mm厚(PD-171Aでは15mm厚)の切削アルミ製トップパネルをメインシャーシに見立て、ここに主要部品を吊り下げて組み込むことで、高い剛性と制振性を実現。底部からの振動の影響を排除している。

振動源となるモーターとトランスは、制振ゴムでフローティングする。高硬度・高精度ステンレス製センタースピンドルの機構は、ボールベアリング、耐熱性・機械的強度・耐薬品性などに優れた熱可塑性プラスティックPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を用いたスラスト軸受け、スピンドル軸周囲に配置された真鍮製ラジアル軸受け(有機モリブデングリス注入)で構成されている。

左がPD-151の、右がPD-171Aのスピンドル機構

最大8mmの高さ調整が可能なインシュレーターには、温度特性に優れる新たな制振ゴムを取り入れた大口径のものを採用している。

JELCO(市川宝石)製ユニバーサル型スタティックバランストーンアームについては、PD-171Aに採用されているものと同等のものだ(JELCO「SA-250」の本体色をラックスマン向けにシルバー色へ置き換えた特別仕様品)。そしてラックスマンのロゴ入りマグネシウム合金製ヘッドシェル(自重:13g)も付属するので、適宜好みのカートリッジを取り付けることができる。

JELCO製ユニバーサル型スタティックバランストーンアームは、ラックスマン仕様にシルバーカラーを採用した特別品

またフォノケーブルはOFC仕様DIN・5P - RCAタイプを取り入れているので、IEC・3Pインレットを装備している電源ケーブルも含め、ケーブル交換による将来的なグレードアップも可能だ。


新開発のオリジナル・高精度高トルクブラシレスDCモーターを採用

PD-151になり大きな変化となっているのが、33 1/3回転、45回転に加え、SP盤再生も可能とする78回転に対応したことだ。心臓部となるモーターは、PD-171AではACシンクロナスモーターであったが、本機では高信頼低速モーターをベースに、回転制御プログラムとベアリング、コイルの巻き数などを改良・最適化したという、新開発のオリジナル・高精度高トルクブラシレスDCモーターを採用した。

約2年かけて開発したというオリジナル高精度高トルクブラシレスDCモーター(写真左)を搭載。写真右はPD-171Aのモーター

回転制御にはサイン波PWM・PID制御方式を取り入れ、常に正確な回転数を維持。また、各回転数で独立した調整機構を設けている。

ベルトドライブ式の流麗な音楽性に、現代的で明晰なサウンドが特徴

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