HOME > レビュー > DSD“リマスタリング”の効果は絶大! KORGのNutube搭載DAC「Nu 1」はマニア心くすぐるオーディオ機器だ

【特別企画】ハイレゾも圧縮音源も高品質に楽しむ

DSD“リマスタリング”の効果は絶大! KORGのNutube搭載DAC「Nu 1」はマニア心くすぐるオーディオ機器だ

公開日 2018/12/19 06:45 土方久明
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ということで、まずはパソコンからSpotifyソフトを立ち上げ、ピアノ協奏曲「チョ・ソンジン『ショパン:ピアノ協奏曲第1番、バラード集』を再生した。Spotifyはogg vorbisという320kbpsの圧縮フォーマットで配信を行っており、Apple MusicやGoogle Play Musicと比べると音質は良いものの、同一タイトルのハイレゾ音源と比べると、フォルテシモで楽器の数が増えた時の明瞭度が低く、抑揚表現にも影響がある。

Spotifyなどのストリーミング再生にも「S.O.N.I.C.リマスタリング・テクノロジー」を適用できる

そこで、プリセットをDSD変換のみを行い音色や音調はほぼそのままの「FLAT A」にして改めて試聴した。この時の音は、原音に忠実の表現を持ちながら、圧縮音源らしからぬ全帯域の密度感を聴くことができる。本機のDSD変換機能は単なるフォーマット変換/アップサンプリングではなく、本質的に音質を下支えしてくれる、非常に優れた機能に感じた。

次にYouTubeを再生した。「ハイエンドDACでYouTubeを再生するのか」という声もありそうだが、世間一般にはYouTubeは立派な音楽試聴の1つとして認知されている。音楽との出会いの場にもなる、この音を良くできたら一気に使用シーンが広がるはずだ。

まずは、米津玄師 の「Flamingo」をなんの機能も介さずそのまま試聴した。当然、オーディオファイル視点だとレンジが狭く躍動感が物足りない。そこでパラメーター「J-Pop」を適用して改めて再生したのだが、「お、結構いけるんじゃないか」と思う躍動感のある音に変わった。もちろんCDやハイレゾフォーマットの音とは違う次元だが、DSDらしく滑らかな音で、さらにNutubeを有効化すると全帯域で音に躍動感が出て聴き応えのある音に変わった。

YouTubeも「Nu 1」を使えば高水準のサウンドを楽しめる

これもNu 1のピュアオーディオ製品としての基礎能力の高さがあるからこそだろう。ストリーミング再生を水準以上の音質で回遊し、気に入ったタイトルをCD/ハイレゾで入手してさらに高いクオリティで楽しむ。こうした贅沢を1台で実現してくれるのは本機の大きな魅力だ。

最後に、ゼンハイザーのオープン型ヘッドホン「HD650」をアンバランス接続して、ヘッドホン部の音を確かめた。結論から話すとNu 1のヘッドホンアンプはダイレクトかつキレのあるストレートな音質を持つ優れた性能を持っている。キャンディス・スプリングスでは、ボーカルの距離感が適切でスピーカー再生同様に原音に忠実、レニー・クラヴィッツのバスドラムは滲みがなくかなり立ち上がりと立ち下がりに優れており、ヘッドホンを正確に駆動する。本機に接する機会があれば、ぜひヘッドホンの音を聴いてもらいたい。

Nu 1は、近未来のデジタルファイル再生の可能性を具体的に明示してくれる素晴らしいプロダクトだと感じた。特に、KORGが探求してきた「DSD」と「新世代の真空管」という先鋭的な技術を高いクオリティでプロダクトに落とし込んだことを賞賛したい。

◇ ◇ ◇


本機を今お使いのオーディオシステムに組み込めば、Nutubeによる素晴らしい真空管サウンドを自身のシステムに取り入れることもできるし、原音に対してとことんストイックに音質を追求することもできる。またアナログ電源を採用したことや、プリアンプとDACダイレクトの2系統の出力を持つことなどPCオーディオを追求するマニア的な思想も垣間見れるのが最高だ。

今回は試せなかったが、Nu 1にはそれ以外にもDSD11.2MHz/1bitによるレコーディング機能などまだまだ多くの機能が備わっている。アナログレコードのDSD録音も音源のアーカイブや聴き比べなど使いこなせばより楽しめるだろう。

今、オーディオ界では数々のDAC製品が発売されているが、本機は音質が良く、さらに購入後に楽しめる機能がてんこ盛りで、楽しみ尽くせるオーディオ製品だと感じた。導入後の満足感はかなり高いと見た。

(特別企画 協力:株式会社コルグ)

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