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フラグシップとなるセパレートAVアンプ

マランツが考える究極のAV再生が完成。7chパワー「MM8077」を、AVプリ「AV8805」と純正コンビで聴く

公開日 2018/11/30 06:00 小原 由夫
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■音の生々しさに思わずハッとした

最後に観た「ブレードランナー2049」で、マランツが掲げたセパレート型の優位性がはっきり確信へと変わった。まずはChapter.9、ドローンの捉えた映像にきっちり飛行音が重ねられている。この効果音がこれほど鮮明に聴こえたことはなかった。

場面が切り替わって、Kの上官であるマダムのLAPD内の部屋。おそらくは空調と思われる暗騒音の生々しさにも驚いたが、マダムの握っていたグラスがラヴによって握り潰された時のガラスの粉砕音の生々しさたるや!「パリーンッ!」と甲高い音に思わずハッとした。

視聴を行う小原氏

また、Kが廃墟となったホテルに向かう途中、養蜂された蜜蜂の羽音が四方八方から聞こえる。ここではドルビーアトモス特有のイマーシブサウンドが全開となるが、まさに無数の蜜蜂が飛び交う様子が立体的に醸し出された。その情景に被せられる、どこからともなく聴こえるピアノの音の方向感の曖昧模糊とした感じがいい。敢えて明確な方向性を持たせていない点が、このシーンにふさわしい。

クライマックスの雨中のシーンでは、飛行船のシェードに当たる雨音の粒立ちが素晴らしい。まさしく生音を彷彿させる、真に迫った効果音の再現だ。

Kとラヴの死闘は、銃声の野太い音、殴打の鈍い音など、それらの効果音がリアルな質量や質感を伴って浮かび上がり、実体感が半端ない。視聴者にも緊張を強いる、まさに緊迫感たっぷりの再現である。

約8.2kgのトロイダルトランス

MM8077の電源部は、極めて強力な陣容。トロイダルトランスの質量は、実に8.2kgにおよぶ(ちなみにマランツのAVアンプ史上、最大級のサイズとのこと)。その恩恵がストレートに現われ、力感となってシーンに迫真性をもたらす。打ち寄せる荒い波、終始振り続ける強い雨、それら全方位が駆使されたサラウンドサウンドが重なっても、決してマスクされない双方の荒れた息づかいやセリフは圧巻だ。やはりここにも電源を分けたことによるセパレート固有のメリット、さらにはデジタル信号のダイナミックな変化に干渉されないパワーアンプの理想的動作が現われているのである。



今回の視聴を通じて、「純粋さの追求」を打ち出したマランツのAVのポリシーは、AV8805/MM8077の随所に注がれた卓抜した要素技術によって、かつてない高みに達していることを私は確信した。

(小原 由夫)

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