フラグシップとなるセパレートAVアンプ

マランツが考える究極のAV再生が完成。7chパワー「MM8077」を、AVプリ「AV8805」と純正コンビで聴く

小原 由夫

前のページ 1 2 3 次のページ

2018年11月30日

マランツのAV(マルチchサラウンド)におけるスタンスは、ハイファイと分け隔てなく、まったく同列というもの。それを体現した「AV8805」(関連ニュース)が今日高く評価されているのは、ステレオ・プリメインアンプ顔負けのダイナミックなサウンドパフォーマンスと、サラウンド再生時のつながりのよい音場感とリアリティからである。

AV8805(手前)、MM8077(右奥/左奥)

そうしたAV8805の実力が、7chパワーアンプ「MM8077」(関連ニュース)の国内市場投入で、より盤石なものになるに相違ない。すなわち、コンセプトが一致した ”相方” をAV8805が得たことで、同社が考える最新のAVのステージ、世界が完成したのである。

■圧倒的なサラウンドサウンド、空間を埋める音の密度

では、その世界はどんなパフォーマンスを私たちに提示してくれるのだろう。様々なコンテンツを観賞しながらそれを探ってみたい。

AVプリアンプ「AV8805」500,000円(税抜)

7chパワーアンプ「MM8077」270,000円(税抜)

まずはUHDブルーレイ「ダンケルク」の視聴において、パワーアンプの先代機と当時のAVプリアンプ「AV8003/MM8003」(2008年発売、31.5万円/28万円)と、最新ペアの「AV8805/MM8077」を比較してみた。

英軍の戦闘機スピットファイアと独軍のメッサーシュミットの空中戦は、エンジン音のリアリティに予想以上の明確な差が出た。つまり最新のAV8805/MM8077は、機体の重さを感じさせる旋回音と、なおかつスピード感がある上に、チャンネル間の音の軌跡、つながりが一層緻密なのである。

試聴ルームには、AV8003(写真中央上)とMM8003(写真奥上)も用意。マランツの新旧セパレートAVアンプ比較試聴も行った

最も如実に差を感じたのが、独軍機からの機銃で被弾し、墜落するスピットファイアから脱出を試みるシーンだ。風防を開けた時の空気の流入による暗騒音は、脱出を諦めて再びそれを閉じた時の密閉具合がずいぶん違って聞こえた。最新機の組合せの方が、風防の気密性の差がより顕著だったのだ。

先代機AV8802の比でいうと、AV8805は採用部品の実に1,800個以上が変更され、より高性能な高品位パーツが随所に使用されている。その成果が高精度なプロセッシングと圧倒的な描写力に帰結していることはいうまでもない。

AV8805(左)とMM8077(右)の内部

MM8807内蔵の7ch同一構成パワーアンプは、マランツ自慢の電流帰還型だ。同社のハイファイ用パワーアンプにも採用されている、高い電流供給能力を誇るパワーデバイス「LAPT」を採用し、駆動力において他社の追従をゆるさない。10万μFの電源平滑用コンデンサーを含めた強力な電源部も相まって、圧倒的なサラウンドサウンドを実現しているといってよく、それが空間を埋める音の密度の差となって現われたのだろう。

MM8077の電源用コンデンサー。容量は1本50,000μFで、これが2本搭載される

■クリアーでボディ感のあるセリフ

こうした半ば派手なシーンでのサラウンドサウンドは、インパクトとして印象に残りやすいが、映画で肝心なのはセリフだ。その描写力はどうだろうか?

フルディスクリートアンプによる克明な描写力

前のページ 1 2 3 次のページ

関連記事