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【特別企画】日本人のためのチューニングが光る

ハイコスパ完全ワイヤレスイヤホン、最強の一角! 6,980円のAVIOT「TE-D01c」をレビュー

公開日 2018/10/05 08:47 折原一也
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フラットな帯域でボーカルもクリアと素直な再生クオリティ

それではAVIOT「TE-D01c」のサウンドをチェックしていこう。

「TE-D01c」を試聴してみる

まずは、宇多田ヒカルの「あなた」を聴く。冒頭からピアノの丁寧な音の響きと共に、歌声がクリアかつ抑揚までたっぷりに浮かびあがった。ビートの刻みはゴツりとした質感と音圧感を伴いつつ、フラットを基調に曲全体のバランスを持たせたタイプだ。

「あなた」はバンド、オーケストラ、ハンドクラップなど音数の多い音源だが、個々の楽器の音の位置まで鳴らし分ける空間再現性は、入門クラスとは思えない実力だ。

RADWIMPSの「前前前世 (movie ver.) 」を聴くと、冒頭のエレキギターは行き過ぎないにならない程度の歯切れ良さ。やはりフラットを基本とし、情報量で音を描写していくタイプ。ベースの音はタイトに絞ってメロディアスに鳴らす一方で、男性ボーカルのクリアネスも確保。分離感高く最後まで高解像志向で鳴らすチューンは、作り込まれたJ-POPの音源を聴き込むと曲の面白さを引き出す。

映画『ラ・ラ・ランド』のサントラよりジャズ音源「アナザー・デイ・オブ・サン」を聴いても、素直でフラットな音というのがよく分かる。ピアノの音は質感を伴った形で表れるし、ウッドベースの音の沈み込みは、リズム感とのバランスが取れている。そして、ジャズの持つサウンドスケールの大きさや、極端なピークを持たないアコースティックな楽器でも、バランスに優れたチューンで音楽をトータルで演出する。
 
TE-D01cのサウンドキャラクターをひと言で表すと「安いのに真面目に良い音」といったところ。基本がフラットで情報量があるので、ジャンルを問わず音源を聴ける。J-POPをはじめとした楽曲のボーカルをクリアに鳴らすという点からも、完全ワイヤレスイヤホンの入門機としては、まず「大当たり」のモデルと言える。

なお、音切れについてだが、TE-D01cを装着して新宿の雑踏の中を歩いてみたところ、極端に通信が途切れやすい交差点等では片側の音切れが発生したものの、それ以外は途切れることはなかった。またNetflixで国内ドラマを視聴して遅延もチェックしてみたが、遅延についてはほとんど気にならい水準だった。

ネット専売で6,980円と、挑戦的な価格で登場したAVIOTの完全ワイヤレスイヤホンTE-D01c。パッケージやイヤホンのデザインセンスは高級感があるし、ナビゲーションも日本語で安心。「Japan Tuned」を謳うサウンドチューニングも、本当に日本の音楽ファン・ポータブルオーディオファンにマッチした高音質を提供してくれる。

改めて、これだけ丁寧に作り込まれたTE-D01cが6,980円というのは驚くほかない。2018年秋のハイコスパ完全ワイヤレスイヤホン、最強の一角として推薦したい。

(折原一也)

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