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[特別企画]全ての要素で期待を超える完成度

これがワイヤレス+ノイキャンヘッドホンの新たな基準! パナソニック「RP-HD600N」を聴く

公開日 2018/03/30 11:10 折原一也
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新世代のスタイリッシュなヘッドホンデザイン

RP-HD600N/RP-HD500Bを語る上で、そのデザインについても言及しておきたい。近頃、筆者は複数の女性ファッション誌でヘッドホン企画の監修を手がけた事もあり、ヘッドホンは人の目を引くアクセサリーという意識を改めて抱くようになった(余談だが、デザイン面でみると、女性向けヘッドホンの筆者のイチオシはパナソニックの「RP-HTX80B」だ)。

パナソニックが従来展開していた高音質ヘッドホンのデザインは、少々乱暴な言い方かもしれないが、30代の筆者のセンスにはあまり合っていなかった。高機能で信頼感のあるパナソニック製品らしさは感じるのだが、身につけるものとして考えたときに、若干メカっぽさが際立つのが気になっていた。ところがRP-HD600N/RP-HD500Bは、そんな僕が一目見て「おっ!」と驚きを口に出してしまうほど、デザイン志向のヘッドホンとして作り込まれているのだ。

外観や装着感にこだわったデザイン

イヤーカップの形状はシンプルなラウンド型のフォルムなのだが、緩やかなカーブの具合も洒落た雰囲気を帯びている。デザインコンセプトは装着美と装着性の両立で、ブラックやブラウンはマットな光沢感がストレートに質感の良さを表しており、また「Panasonic」ロゴも印刷ではなく彫り加工。これまでのパナソニック製品を思い起こしても、この処理はあまり記憶にない。単体のモノとしての美しさもさる事ながら、RP-HD600N/RP-HD500Bの質感であれば、ファッションとのコーディネートも楽しそうだ。

装着した様子。ロゴは彫り加工となっており、さりげない印象だ

RP-HD600Nの3色の本体カラーで僕が特に気に入ったのは、オリーブグリーンだ。ヘッドホンとしてブラックは定番の人気色だし、ブラウンは珍しい色ではあるものの、落ち着いた大人を狙ったカラーとして納得感がある。だがオリーブグリーンはそこから一つ飛んで、10代から30代までのファッションシーンで近年注目のミリタリーテイストにも通じるトレンドカラーだ。定番色のブルーやレッドをスキップしてグリーン系のオリーブグリーンを送り出したきたことに、デザインを革新しようという意気込みを感じずにはいられない。

「RP-HD600N」のオリーブグリーンモデル

なおディテールでは、オリーブグリーンのみ、イヤーカップの縁にあたるパーツがブラウンのツートーンと凝っている。僕が今回レビューするにあたって、RP-HD600Nのオリーブグリーンを指名して外に持ち出し、使ったのは言うまでもない。

デザインコンセプトのもう一面である装着性についても、細かな作り込みがなされている。イヤーパッド全体が三次元に動きながら耳にフィットする構造は実に合理的だ。また、耳の後ろ側が首に向けて凹んでいる構造にあわせて、耳周辺の厚みを変えた低反発ウレタン製を採用し、密閉性と遮音性を高めながら、同時に、実に心地良い装着感を実現している。実際に身に着けてみても、ストレスなく着けていられるのは当然ながら、それ以上に装着時の気密性の高さを実感した。なお、折りたたみも可能なので携帯性も万全だ。

室内/路上/電車/飛行域全てで抜群の精度を誇る“広帯域ハイブリッドノイズキャンセル”

それではRP-HD600Nを実際に使っていこう。はじめにヘッドホンのボタン操作と端子を解説しておくと、R側に操作ボタンは全てまとめられており、上(首側)から順にマルチファンクション(音量、再生コントロール系)、NC、電源・ペアリングの順番で、microUSBによる充電端子も右に搭載。左側には有線接続用の3.5mmステレオミニ端子のみを搭載する。

まずは、RP-HD600Nのみ搭載する“広帯域ハイブリッドノイズキャンセル”の性能をチェックした。右イヤーパッドのボタンからオンにできるノイズキャンセリング機能は、標準の「ノイズキャンセルA」が最も高精度に働く。屋外の騒音が少し聞こえる自宅でも、「ノイズキャンセルA」設定では、ほぼ無音の静寂までノイズが抑えられる。路上の利用でも静寂を感じられるレベルまで騒音を低減した上で、自動車の加速音などは聞こえた。

操作ボタンは全て右側イヤーカップに備えられている

電車の中でも騒音はほぼなくなり、人の声や車内アナウンスは、ボリュームを一段下げたような聞こえ方で伝わってくる。飛行機の機内では、特に目立つエンジン音の低音の騒音はほぼカット。風切のように鳴る高域ノイズが若干残るレベルまで低減した。

騒音を抑えるという目的では「ノイズキャンセルA」だけで良いのでは?というのが、僕が使ってみた感想だ。なお、「ノイズキャンセルB」「ノイズキャンセルC」の位置づけは、「ノイズキャンセルA」よりも中域の効き目を落としたもので、ファン音程度の騒音しかないオフィスや、ある程度は騒音も聞きたいカフェなどパブリックスペースで使う時に積極的に切り替える形が良さそうだ。

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