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使い込んだ実感と進化点をレポート

「DAZN」への不満と期待。Jリーグサポのヘビーユーザー記者がレビュー&プレビュー

公開日 2018/02/22 10:09 編集部:小野佳希
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まず、率直に言ってUIは全体的に使いづらい。例えば栃木SCの試合を見逃し配信でチェックしようとした場合、トップページをスクロールし、「スポーツ一覧」からサッカーを選び、再度画面をスクロールして「J3リーグ」をタップ。そこから栃木SCの試合を選ぶという手順が必要だ。

検索機能も備わっているのだが、日本語に対応していないようで、栃木SCと検索してもヒットしない。「tochigi」と入力すればヒットするので、データベース的にはアルファベットで管理しているのだろう。これは「ガンバ大阪」のようにカタカナで始まるケースでも同様だ(しかも「ganba」ではNGで、正式表記の「gamba」でないとヒットしない)。

また、アルファベットで検索した場合でも栃木SCが最上部に表示されるのではなく、下記画像のように、スポーツジャンルや大会といった大分類が先に来る。しかもチーム名の項目でも、なぜかファジアーノ岡山のほうが上位だったりする。検索機能の日本語対応能力強化は大きな課題だろう。

「tochigi」での検索結果画面

様々なジャンルのスポーツを数多く配信しているため、仕方がない部分ではあるのだが、もっと簡潔に目的の試合へたどり着ける仕組みが欲しい。そのため、今後提供されるパーソナライゼーション機能には非常に期待している。

■シーク機能やチーム表示順にも改善を求めたい

シーク(早送り/早戻し)機能も強化を求めたい。現状ではシークバーを動かしても何分くらい動かしたのかが分からないため、特に見逃し配信で目当てのシーンがあるような場合に、そのシーンを見つけにくいのだ。また、サッカーではハーフタイムをスキップし、ピンポイントで後半開始直後から視聴するのも、現状のDAZNでは難易度が高い作業となってしまう。

シークバー表示にも機能向上を求めたい

そのほか、各チームの並び順も個人的には不満だ。英数字でのアルファベット順>カタカナ/ひらがなの五十音順>漢字の五十音順という法則になっているため、例えば「アビスパ福岡」よりも「FC岐阜」のほうが先に来る。英語も漢字もすべて関係なく読みでの五十音順にするか、国内スポーツであればホームタウンが北のチームから南のチームへと順に並べていくほうが、ファンにとって探しやすいのではないだろうか。

映像の品質面は、時期が進むにつれて改善されたように思う。ジェームズ・ラシュトンCEOも以前の会見で、映像の再読込発生率が劇的に減少したこと、フルHDで視聴できるユーザーも大幅に増加したことをアピールしていた。実際、記者の場合も、ネット回線が極端に遅いような状況では画質を落として映像が止まらないよう腐心しているなと感じるケースにたびたび遭遇した。

映像を再読込するリバファッリングの発生率は大幅に改善されたという

なお、画質についてはユーザー自身の環境に左右される部分もある。記者は自宅では主にFire TV Stickをテレビに接続して視聴していたが、ネット回線速度が一定レベルであれば(それなりにではあるが)満足する画質で利用できた。2017年モデルの新型Fire TV Stickや、StickではないFire TV、PS4など処理性能が高いデバイスであれば、もっと快適に視聴できるかもしれない。Wi-Fiが遅いときにはFire TV用のイーサネットアダプタを使って、有線LANで回線速度を確保することも検討したい。

■お笑い芸人・平畠さんの実況起用など意欲的な試みも

いろいろと不満を書いてしまったが、シーズン中にも改善を続けている姿勢は非常に感じられたし、何よりも一番肝心なコンテンツ内容という点では大満足の一年だった。

Jリーグ中継では、スカパー!時代からサポーターに人気のあったお笑い芸人の平畠啓史さんを実況に起用した試みも面白かったし(お笑い芸人では井上マーさんも実況に起用されていた)、レビュー/プレビュー番組やシーズン終了後の特集番組も質が高かったように思う。またサッカー以外でも、WWEやF1など個人的に興味を持っているスポーツも見放題になるのはお得感が高く、非常にありがたかった。

今後はやはりダウンロード機能、特にダウンロードしたコンテンツの視聴期限がどうなるかに注目したい。発表会での説明では「欧州スポーツを夜のうちにダウンロードしておいて翌日に視聴する」といった使い方をメインに想定しているようだったので、ダウンロード後の視聴期限も比較的短くなる可能性も考えられる。

しかし、優勝や昇格が決まった試合、好きな選手が活躍した試合など、ファンは思い出の試合をいつまでも保存しておきたいもの。できれば1年後でも2年後でも、DAZNがサービスを続ける限りはいつまでも視聴できるようにしてもらいたいところだ。

ダウンロード機能を始めとする新機能の詳細については、今後発表があり次第ファイルウェブでレポートする。その他にも動きがあれば随時お伝えしていくので、今後も当サイトをチェックして欲しい。

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