ロックスターの名を持つ最新世代機

M2TECH「YOUNG MKIII」を聴く − MQAにも対応、今後のオーディオを見据えた先駆者からの解答

岩井 喬

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2017年12月14日
デジタル音源の移り変わりは早い。特にハイレゾ登場以降は、さまざまなフォーマットや伝送方式が目まぐるしく登場してきた。そのなかで、ひときわその先見性を際立たせてきたブランドが、イタリアに本拠を置くM2TECHだ。開発者、マルコ・マヌンタは世界的に見てもデジタルオーディオにおける重要人物のひとり。そのユニークなアイデアとそれを具現化する高い技術力、そして何より、これからのオーディオスタイルへの先見性。この度、最新世代となったロックスターシリーズ「YOUNG MKV」は、そんなM2TECHらしさを存分に盛り込んだ重要モデルとなる。

M2TECH/USB DAC兼プリアンプ「 YOUNG MKIII USB DAC」¥180,000(税別)

■ハイレゾからBluetooth、MQAにも対応する最新DAC

イタリアのM2TECHはネットオーディオ黎明期、192kHz/24bit対応モデルが少ないなか、USBメモリーサイズの超コンパクトなUSB-DDC「HIFACE」を発売し、一躍世の脚光を浴びたブランドだ。常に先を見据えた、切り込み方の鋭いアイテムを次々に送り込む意欲的なスタイルを持つことでも有名で、開発者のマルコ・マヌンタはさまざまなハイエンドブランドのデジタルモジュールも手がけるなど、デジタルオーディオにおける重要人物としてその名を轟かせている。

M2TECHの攻めの姿勢は、据え置きスタイルのUSB-DAC「YOUNG」にも現れていた。湾曲させたフロントパネルに文字の浮かぶ洒落た意匠も印象的だったが、スペックにも妥協はなく、2010年当時の先端を行く384KHz/32bit対応という仕様で市場を驚かせたことも記憶に新しい。

直近では、手の平サイズでありながら多機能・高音質を目指したEVOシリーズに新製品を積極的に投入。HIFACEとの融合を果たしたDDC「HIFACE EVO」や、シリーズの中核DAC「EVO DAC」、そしてユニークな外部クロックユニット「EVO CLOCK」といったラインアップで好評を受けたこのシリーズは、第二世代となるEVO TWOシリーズへとアップデート。その中でも白眉なのがADコンバーターやフォノEQを内蔵した「EVO PHONO DAC TWO」で、デジタル領域でのイコライジングを持つAD/DAである本機は活用の幅が広い。このサイズに落とし込まれた技術は、M2TECHの個性を体現しているとも言える。

そんなM2TECHはこの秋、同社の現在のトップエンドとなるロックスターシリーズに最新世代を投入する。それが原点回帰ともいえるUSB-DACの本機、「YOUNG MKV」である。

YOUNG MKIIIのリアパネル。aptXを採用したBluetoothの新搭載に加えRCAのアナログ入力を備えるなど、よりプリアンプ的な要素が強くなった

フロントパネル周りのデザインもより洗練され、精悍さが増した。今回のリニューアルによりDSD系は最大11.2MHz(DoPでは5.6MHz)まで対応できるようになったほか、新たにMQAにも同社製品として初対応。加えて高音質なaptXコーデックにも対応したBluetooth機能も搭載している。PCM系のUSB入力は384KHz/32bitまでの対応であり、DACチップはバーブラウン製PCM1795。USB以外のデジタル入力としてはAES/EBU、RCA同軸、光TOSによるS/PDIFを装備するほか、アナログRCA入力も用意するなど、よりプリアンプ的な性格を強めた点も見逃せない。

YOUNG MKIIIの内部。初代YOUNGから採用されてきたPCM用のオーバーサンプリング・スキームや独自のパッシブ・アンチ・エイリアス・フィルターを本機でも採用

YOUNG MKIIIのサウンドを聴く

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