【特別企画】臨場感豊かな“パーソナルコンサートホール”の実現

空気感までリアルに再現。クロスゾーンの“頭外定位”ヘッドホン「CZ-1」でクラシックBDを味わい尽くす

山之内 正

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2017年12月13日
「CZ-1」でクラシックのブルーレイディスクを味わう

そんなCZ-1でぜひ楽しみたいコンテンツの一つが、ブルーレイディスクである。ディスクプレーヤーとディスプレイを組み合わせただけのシンプルなシステムにCZ-1を組み合わせれば、最小の構成から最大限の効果を引き出せるのではないか。

そんな狙いから、今回は「UDP-205」本体のヘッドホン出力にCZ-1を直接繋ぐという、シンプルな方法で音楽BDの話題作を楽しんでみることにしよう。

実際、UDP-205のアナログ出力は非常にクオリティが高いので、手持ちのオーディオシステムにつないでヘッドホン出力を取り出したり、独立したヘッドホンアンプを組み合わせれば、さらにグレードの高いサウンドを狙うこともできるだろう。

BDプレーヤーにOPPO「UDP-205」、テレビにはTOSHIBAの有機ELテレビ「55X910」を使用した、シンプルな構成で試聴


会場の空気や楽器の実在感をリアルに再現

最初に2017年のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートを再生した。グスターボ・ドゥダメルが指揮棒を握ると、ウィーンフィルの演奏にダイナミックで起伏の大きな振幅が生まれ、曲の中に隠れていた温度感や、時にはデモーニッシュな部分まで浮かび上がってくるから面白い。

『ニューイヤー・コンサート2017』

第一部終盤に演奏された、ヨハン・シュトラウス2世《メフィストの地獄の叫び》はその好例だ。冒頭から他の曲とはひと味違う緊張感が漂い、明るい高弦と暗い低弦のコントラスを際立たせている。その曲調を効果的に引き立てているのが、ステージ上の楽器配置と、ムジークフェライン大ホールならでは立体的な空間再現だ。

トランペットやトロンボーンの特徴的な旋律は斜め前方に定位し、高弦、低弦、木管の間の距離感や旋律ごとの明暗を立体的に対比させて描き出す。テンポの速いポルカでは、コントラバスとパーカッションが刻むリズムとヴァイオリンの動きのある旋律がガッチリと噛み合い、ウィーンフィルのアンサンブル精度の高さに舌を巻く。

有機ELテレビとヘッドホンアンプ内蔵BDプレーヤーに「CZ-1」を組み合わせるという、シンプルかつハイクオリティを実現できるシステムを用意した

ヘッドホン再生では一音一音の粒立ちをクリアに再現しながらも、楽器間の立体的な位置関係などが把握しづらいことがあるが、それは空間的な広がりと3次元の立体感を再現するのが難しいことに理由がある。CZ-1のサウンドが他のヘッドホンと異なるのは、まさにその点だ。

ディスプレイに映っているステージと客席の関係や、高い天井がもたらす立体的な残響の広がりをリアルに再現することによって、映像と音響の印象がバラバラにならず、一体感豊かな臨場感を生んでいる。オーケストラ演奏の再生では細部と全体のバランスが非常に重要だが、CZ-1はディテールを精密に描写しつつ、常にステージ全体の一体感を失うことがない。安心して演奏に浸ることができ、充実した時間を過ごすことができた。

オペラの独唱も自然に鳴らす。オーケストラも細かく描写

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