伝統を継承しながらさらに完成度を高めた

オーディオテクニカ“SOLID BASS” の新境地、ワイヤレス対応「ATH-WS990BT」。至高の低音を聴く

折原一也

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2017年11月11日
オーディオテクニカが展開する“SOLID BASS”は、同社の製品ラインナップのなかでも重低音再生を重視した実に8年の歴史を持つ人気シリーズ。そんなSOLID BASSに加わった最新モデル「ATH-WS990BT」は、ハイレゾとワイヤレス、ノイズキャンセル対応と全部入りモデルで登場した注目機だ。早速その使い勝手やサウンドをレビューしていこう。

Bluetooth接続に対応した新SOLID BASS「ATH-WS990BT」

Bluetoothヘッドホンとして高品位な作り込み

ATH-WS990BTのヘッドホンとしての基本スペックは、φ53mmドライバーを搭載したワイヤレスヘッドホン。「ATH-WS1100」などシリーズのフラグシップにも採用される“ディープ・モーション”ドライバーは、アルミニウムのエンクロージャーに収められた大口径ドライバーで深く鮮明な重低音再生を狙った構造。その再生周波数帯域は5Hz〜40kHzと“ハイレゾ”準拠だ。

ATH-WS990BTの内部構造イメージ

実際に装着してみても、2レイヤード・イヤーパッドによる装着感は柔らかな触れ心地で、アラウンドイヤーの余裕あるフィットによる快適さを実感する。またハウジングを回転させフラットにできるスイーベル構造で、鞄に入れて持ち歩く際の省スペース性にも配慮されている。

イヤーパッドは2層のクッション材によるレイヤード構成で装着感を高めた

再生系のボタンは左ハウジングのレバーが再生/曲送り・戻し/音量操作/通話といったマルチファンクションに対応。素早くレバーを動かせば音量操作、レバーを2秒間倒すとスキップという操作は一度マスターすると問題なく使い分けられる。 

再生/操作系は左ハウジングに集中させている

ワイヤレスヘッドホンとしての機能は、約30時間という長時間のワイヤレスリスニング、Bluetooth標準規格Ver.4.1準拠でSBC、AAC、aptXへと対応。“ハイレゾ”として再生できるのは有線接続の際のみとなるが、ワイヤレスでもiOS/Android共に高音質コーデックまでカバーする形となる。

実際のペアリングの操作は、ヘッドホン左側ハウジングにある電源スイッチがBluetoothのペアリングボタンを兼ねており、スイッチをONにすると自動でLEDが点滅しペアリングモードとなる。あとはスマホ側でペアリング操作をすれば完了だ。

また、本機からシリーズとして初めてノイズキャンセル機能が搭載されている。本体に装備するタッチ式の「NC」ボタンから、長押しでノイズキャンセル/ヒアスルー機能を切り替え、2回押しでON/OFFをセットする方式。なお、切り替えの際には音は途切れるがビープ音などはないようだ。

ノイズキャンセリング機能をON/OFFするボタンはタッチ式

まずはATH-WS990BTを装着して、“ノイズキャンセリング/ヒアスルー”の機能を検証してみた。実際にノイズキャンセリングの検証を始めてすぐ気づく事だが、本機のノイズキャンセリング性能は音質を優先したマイルドなものであると言っておこう。自宅で音楽を流さずにいたら、屋外から聞こえてくる自動車の走行音による騒音は感じられるレベル。路上や電車に持ち出してみると、最も不快な“ゴー”と響く重低音をカットしつつ、すべての帯域を軽減するといったバランスだろうか。

ただし、ヘッドホンを外してみると確実にノイズ軽減効果が得られていることは分かる。ノイズキャンセリングのON/OFFを切り替えてみると、音楽を流していれば電車の走行音の影響を低減させる程度の効果はある。何よりもノイズキャンセリングによる音質変化が感じられないのが大きなメリットになるため、あえてOFFにする事もなく常にONで使う事を推奨したい。

ATH-WS990BTは、近年のノイズキャンセリングのトレンドである、ヘッドホンを装着したまま外音を聞けるヒアスルーにも対応している。実際にヒアスルーを使うと自動的に音量が小さく絞られ(何の曲が流れているかギリギリ判る程度)、音量も上げられなくなる。外音の聞こえ方はヘッドホンを装着していない状態とは異なり、イメージとしては人の声や物音は実際の耳より鮮明で、電車の車内アナウンスや会話の声も聞き取りやすい。ただし、風の強い日に屋外で使うとウィンドノイズも拾ってしまうのは覚えておきたい。

本体はスイーベル機構でポータブルしやすい。キャリーポーチも付属している

ワイヤレス対応“SOLID BASS”のサウンドは?

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