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【特別企画】連続レポート第1回

OPPO「UDP-205」導入レポ<小原由夫編> UHD BDからSACDまで、12cmプレーヤーはこれ1台で

公開日 2017/09/20 10:57 小原由夫
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小原氏の試聴システムに、UDP-205はどのように組み込まれたのか

UDP-205を自宅システムに組み入れるにあたって、次のような結線を行なった。HDMIのメイン出力は、エイム電子のHDMI光ケーブルを用いてJVCの4K対応D-ILAプロジェクター「DLA-Z1」に、HDMI音声専用出力はパイオニアのAVアンプ「SC-LX901」にそれぞれ接続した。

HDMI音声出力はAVアンプにパイオニア「SC-LX901」を、アナログマルチch音声出力はソニー「TA-P9000ES」へ接続して視聴を行っている

アナログマルチch音声出力はソニーのマルチch対応プリアンプ「TA-P9000ES」に接続した。ここで「P9000ES」を準備したのは、SC-LX901にアナログマルチch入力端子が装備されていないためで、ES9038PROを擁したUDP-205の強力なアナログ音声回路を存分に活用したければ、マルチch音声をHDMIからではなく、アナログ出力から取り出す必要があるのだ。

高いフォーカス感と鮮やかで稠密な色再現でUHD BDの画質を引き出す

始めにUHD BD『ハドソン川の奇跡』を視聴した。この作品は「ALEXA IMAX 65mm」という6K解像度を誇るデジタルカメラで全編撮影されている。その鮮明かつ細密な映像を、UDP-205は驚異的な精密感、ディテール描写で映し出した。サリー機長が夜のマンハッタンをジョギングするシーンでは、夜景の色鮮やかさと輝かしさに目が向き、その対照として夜空や路地の闇とのコントラストが一層際立つ。一方、川に不時着を試みる機体のコックピット内シーンは、コックピット内のさまざまな機器類の細部がとてもリアルに再現される。スイッチ類や計器、メーター、自照ボタンなど、無機質な様子の中にもパネル上の各々が非常事態を激しく訴えているのがよくわかる。

プロジェクターはJVCの4K対応D-ILAプロジェクター「DLA-Z1」を使用。200インチのサウンドスクリーンにて視聴を行っている

次にUHD BD『レヴェナント/蘇りし者』。凍てつく極寒の地ならではの空気感が画面から香り立つ。それは凛とした透明な空気感であり、朝焼けを背にした針葉樹の幹や枝がくっきり屹立している画からは、神々しさすら伝わってくる。まだ一切混じり気のない陽光の輝きとそのピーク感にしばし見惚れた。馬に乗るネイティブアメリカンがゆっくり進み行く場面の靄は、まるで1枚の先鋭な絵はがきだ。雪の白さ、氷の冷たさが痛いほど。

UDP-205の画質を総括すると、画面全体の先鋭感とフォーカスの高さに支えられ、鮮やかで稠密な色再現が際立つ画、という印象を受けた。暗部の締まり、コントラスト感も申し分ない。紙数の都合で割愛するが、2KのBDの4Kアップコン映像も立派なもの。ノイズ感を助長することなく、細部を立体的に醸し出す術に長けていることを実感した。

また、HDR非対応の4Kディスプレイで威力を発揮する「ターゲット輝度」は、HDR/SDR変換における最高輝度が調整できる便利な機能。メニュー画面からHDR設定を「オート」または「オフ」にすると設定可能だ。

一方、映像コンテンツの再生中にリモコンの「i」ボタンを押すと、映像のビットレートや音声のサンプリング周波数/ビット値などのディスクの収録情報が表示される。これもまたマニアックな機能といえよう。

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