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【特別企画】連続レポート第2弾

OPPO「UDP-203」のUHD BD再生をチェック ー 新機能“ターゲット輝度”も検証

2017/03/28 山之内正
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OPPOからついに登場したUHD BD対応ユニバーサルプレーヤー「UDP-203」。オーディオビジュアル評論家による連続レポート第2回目は、山之内正氏が、UDP-203の画質&音質について詳細にレビューする。

OPPO「UDP-203」¥OPEN(直販サイト価格91,800円・税込)

アナログオーディオ回路の充実を実感できるディスク再生

OPPO(オッポ)のUHD BDプレーヤー第一弾「UDP-203」を複数の環境で視聴する機会があったので、画質と音質を報告しよう。

OPPOのBDプレーヤーが根強い人気を集める第一の理由は、複数の音楽&映像メディアをシームレスに再生し、しかもその使い勝手が優れていることにある。UHD BD対応でもその点に変わりがないかどうか、まずはアナログ接続で、音楽ディスクを試してみよう。

CDはローディングから音が出るまでのスムーズなレスポンスが専用機並みに良好で、一部のユニバーサルプレーヤーのように待たされることがない。もちろんそれはSACDでも変わらないし、最初に読み出すレイヤーとエリアをメニューで設定できる点もこれまでと同様だ。

音元出版の視聴室に設置した「UDP-203」

ヴァンスカ指揮ミネソタ管弦楽団のシベリウス交響曲第3番のマルチチャンネルエリアを再生すると、冒頭の軽快な旋律が広大な音場のなかに立体的に展開し、サラウンド再生ならではの奥行きの深い空間が広がった。音の鮮度の高さと透明感は期待以上の水準で、楽器が増えて響きが厚みと広がりを増したときのスケール感にも余裕が感じられた。

細部を描き分ける解像力もこのクラスのユニバーサルプレーヤーの平均値を超えており、音数が多いフレーズで飽和したり、ディテールを聴き取りにくくなる心配もいらない。本機はステレオ専用出力こそ省かれているが、D/A変換回路以降のアナログオーディオ回路についても手を抜かず、時間をかけて音を追い込んでいることをうかがわせる。

ムジカ・ヌーダのヴォーカルを聴くと、余分な付帯音を加えず、低音と中高音のバランスもきれいに整っていることに感心させられた。ヴォーカルとベースの音量はほぼ対等の関係だが、音色と音域の違いからかヴォーカルの方が手前に鮮明な像が浮かぶ。そんな微妙な位置関係まで正確に再現することから判断して、本機の基本的な音質が十分及第点に達していると言って良さそうだ。

山之内 正氏

ジャズのピアノトリオ(アレッサンドロ・ガラッティ)でもピアノ、ベース、ドラムの三者がほぼ同じぐらいの力強さで拮抗し、音域ごとのエネルギーの偏りがないことに気付く。このCDでは楽器の間近で聴くような音像のリアリティをどこまで引き出せるかがポイントだが、本機の再生音は特にドラムのスネアやシンバルの質感が生々しく、ピアノとベースのぶ厚い音にマスクされることなく、眼前まで音が迫ってくるようなリアルなサウンドを味わうことができた。

ハイレゾ再生では空間情報や質感をしっかりと引き出す

音質とは関係ないことだが、BDプレーヤーで音楽ディスクを再生したときにときどき起こるHDMI出力で冒頭の一瞬が欠ける現象も、今回の試聴では気にならなかった。ちなみにオートプレイとオートレジュームはCDでも利用できるが、音楽ディスクを聴く機会が多い場合、個人的にはどちらもオフにした方が使いやすいと思う。

なお、本機は従来機同様に7.1chアナログ音声出力が付いているので、SACDのマルチチャンネルエリア再生時など、アナログ接続を選びたい人には有力な候補になる。

UDP-203はネットワークと計3系統のUSB-A端子を介したデータ再生にも対応する。USBメモリーを挿してFLACやDSDの音源を再生してみたが、ディスク再生時と同様、バランスの良さと空間情報の豊かさがそなわり、ハイレゾならではのテクスチャー豊かなサウンドを引き出すことができた。再生中は画面に音源の詳細な情報と高解像度のジャケット画像が表示され、選曲操作へのレスポンスも良好だ。

次ページHDR再生では階調表現を忠実に再現してくれる

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