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【特別企画】手軽かつ高音質に音楽を聴こう

カジュアルでも音質に妥協なし!AKG N25 ×人気SIMフリースマホ3本勝負

2017/09/06 折原一也
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さて、そこで今回の本題。N25と、Apple「iPhone SE」、ASUS「Zenfone 3(5.5インチモデル)」、ZTE「AXON 7」のSIMフリースマホ3機種を組み合わせ、実際に使い勝手とサウンドのチェックをしてみた。いずれも現時点で実売価格は5万円前後。iPhone SEはスマホのスタンダードとして、Zenfone 3、AXON 7は元々ハイレゾ再生にも対応した高音質志向モデルとして、検証にうってつけだ。なお、音質差を確認する目的で3機種とも同じ試聴音源で揃えている。

人気のSIMフリースマホ3種を取り寄せて、検証開始!

■スマホ界のスタンダード! iPhone×N25

まずはN25と、iPhone SEの組み合わせをチェック。巷ではヘッドホン端子を廃止したiPhone 7が最新機種として話題だが、iPhone SEなら変換ケーブルを通す必要もなく、3.5mmプラグのN25がそのまま利用可能なので楽だ。なお、ハイレゾ再生対応ではない本機だが、再生アプリ「HF Player」を導入してハイレゾ版音源を再生している。

王道のiPhoneはSIMフリーでも利用可能

サウンドを聴き始めると、全帯域に情報を出すと共に、高域にまでダイナミックに音源を表現するN25のサウンドキャラクターが良く判る。RADWIMPSの『前前前世 (movie ver.) 』を聴くと、冒頭のエレキギターのラインからソリッドな響きを引き出しつつも、ハイレゾ対応イヤホンとしてのレンジの余裕が伝わるトーン。男性ボーカルの声も楽曲のなかでもクリア。ベースラインは硬質な質感とパワー感のバランスが取れておりロックとの相性は抜群。

映画『ラ・ラ・ランド』のサントラのジャズ音源「アナザー・デイ・オブ・サン」を聴くと、女性ボーカルはアタックを程よく効かせたセパレーションと共に、ジャズの楽曲の音数の多さを広大なサウンドフィールドとして展開。音楽への没入感があり、曲の世界観へと浸らせてくれるサウンドだ。埋もれがちなコーラスや管楽器の音もダイナミックかつ空間の見通しが優れるし、ウッドベースの存在感ある響きも確保。シンバルを始めとした高域は情報は引き出すがキツさを感じることもなく、ボリュームを思い切り上げて聴けるバランスだ。

N25×iPhone SEとの組み合わせは、ハイレゾでこそないがダイナミックなサウンドと相性抜群な組み合わせだ。

■ハイレゾロゴ取得の本格派! ZenFone 3×N25

続いてZenFone 3との組み合わせを聴き込んでいこう。ZenFone 3は、ハイレゾロゴを正式に取得し192kHz / 24bit再生に対応する本格派。5.2インチと5.5インチという2種類のサイズが存在するが、今回は5.5インチモデルを用意した。なお、ZenFone 3の高音質サウンドシステムは「Sonic master」と名付けられているが、音楽プレーヤーアプリは特別ではなくGoogleの「Play Music」アプリを利用する。

ZenFone 3は背面もガラスパネル。高級感あるデザインの組み合わせ

『前前前世 (movie ver.) 』を聴いてみる。N25の本来の特性と呼ぶべきギターの音の情報量までをフラットな空間表現で引き出す、ニュートラルなタイプと呼ぶべきだろうか。ハイレゾ音源らしい豊富な音情報を当然として、ボーカル、ギター、そしてドラムスの音の情報も満遍なく情報を割り振るため、音楽としての密度感は抜群。N25の持ち味である高域のエネルギー感も現れるし、ベースの音は鈍い質感と共に、リズムよく刻む躍動感を伴う。

『ラ・ラ・ランド』の「アナザー・デイ・オブ・サン」ではストレートに音数多く鳴らすサウンドがマッチして、ボーカルはよりオンマイクなイメージで、ジャズの楽曲に含まれる音情報をダイレクトに届ける。特にウッドベースの弦も立体的な響きを伴い印象的だ。

独自の再生アプリは無いが、アプリストアから好きなものを選べるのがスマホリスニングの強み

なお、ZenFone 3のオリジナル機能に設定内に「オーディオウィザード」があり、デフォルトの「スマート」(音楽再生時は「音楽」相当)から、「動画」「ゲーム」「ピュア」「ボーカル」、そして「音楽」に切り替え音質カスタマイズが可能だ。特に「ピュア」の設定は、「音楽」にくらべて違いは小さいもののよりフラットな傾向になる。ニュートラル志向のサウンドをベースとして、好みに応じてサウンドを切り替える、なんて活用もN25×ZenFone 3ではできる事だろう。

■高音質DAP御用達の旭化成DACチップ搭載! AXON 7×N25

最後は、N25とAXON 7の組み合わせだ。AXON 7は旭化成のDACチップ「AK4490」をスマートフォンとしては初めて搭載した、まさに昨今の高音質DAPを意識したような機種。「VGP 2017 SUMMER」も受賞したそのポテンシャルは折り紙付きと言っていい。また今回の検証では利用していないが、サラウンド規格「Dolby Atmos」にも日本初対応と、単純な音質以外の面でもサウンドに力を入れている。音源の再生には、プリインストールされている音楽アプリを使用した。

つや消しメタリックカラーにN25の上品さが映える

実際にAXON 7のサウンドを聴くと、独立したDACチップを搭載しているだけの事はある、実に高品位なサウンドだ。RADWIMPSの『前前前世 (movie ver.) 』を聴くと、まずギターの音についてもキレ味を越えてダイナミックな鳴りの中の情報までも描くし、シンバルの金属音も繊細。ボーカルの歌声は特別前に出るタイプではないが、声のニュアンスも伝わるし、情報量で再現力で音楽全体を鳴らし切る。低音もタイトな質感のなかにも情報が見通せるほどで、リズミカルなテンポの効かせ方も優秀だ。

『ラ・ラ・ランド』より「アナザー・デイ・オブ・サン」でも持ち前の表現力が発揮し、イントロのピアノの音色も質感たっぷり、楽曲中に組み込まれたハープの音のような埋もれがちな音源も、空間に配置された音源として臨場感と共に鳴らし分ける。ウッドベースの低音も弦の響きの情報もしっかりと持ち合わせ、N25の持つハイレゾ音源の再現力を存分に引き出す再生能力を確認できた。

プリインストールの再生アプリは必要充分といった機能性。もちろん物足りなければ違うアプリが試せる

N25とAXON 7の組み合わせは、まさしくハイレゾのクオリティを引き出す本格派と言える。しいて付け加えるとすれば、AXON 7は聴覚保護のためのイヤホン音量の制限が他機種と比べて厳しく設定されている。屋外で音楽を聴くなら、音量を最大値まで上げてもう一声欲しいといったところだが、屋内で普通に聴く分には問題ない。AXON 7との組み合わせは屋内のリスニングを推奨しよう。



以上、N25と人気SIMフリースマホ3機種のレビューを通してわかったことは、N25の持つ再生ポテンシャルの高さ。いずれのスマホでもN25を余裕で鳴らしきれたというだけでなく、ハイレゾ音源対応ではないiPhone SEではダイナミックな志向、ZenFone 3のハイレゾ再生はニュートラル志向、AXON 7ではHi-Fiオーディオに通じる上質なサウンドキャラクターを確認。そして、N25は、カジュアルなスマホ時代にも対応するハイクオリティイヤホンである事は間違いナシだ。


(特別企画 協力:ハーマンインターナショナル)

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