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【特別企画】ケーブルやインシュレーターを交換

話題のOPPO「Sonica DAC」を遊びつくす! アクセサリーで音質グレードアップに挑戦

2017/07/19 逆木 一
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この状態で、続いてインシュレーターを試す。Sonica DACの底面は平坦でインシュレーターを使いやすく、足の交換も可能なため、色々な設置対策を施すことができる。今回はKRIPTON「IS-10」「IS-HR3」を使い、Sonica DACの重量バランスを考えて、前2個・後ろ1個の三点支持とした。

Sonica DACの底面。赤丸の位置にインシュレーターを配置した


インシュレーター:KRIPTON「IS-10」「IS-HR3」
【効果】→雑味が取れて音場の透明感が向上。静寂感も増した

この状態で、続いてインシュレーターを試した。まずは「IS-10」を試す。「IS-10」はソフトスパイク仕様で、さらにシリコンゴムのリングのおかげで非常に安定した設置が可能というのも個人的にポイントが高い。ちなみに筆者はKRIPTONの同種のインシュレーターを長年様々な部分で使い続けており、効果もある程度は想像していたのだが、それを上回る効果があった。

KRIPTON「IS-10」

KRIPTON「IS-HR3」

音像にまとわりつく雑味がさらに取れるとともに、音場の透明感も増した。Sonica DACの足はお世辞にも気合いが入ったものとは言い難いので、余計に効果が感じられたということか。

「IS-10」から、試しにより高価な「IS-HR3」に交換すると、静寂感が強まり、高音域にほのかな艶と輝きが宿る。「IS-10」を使った時点からの比較なので、その変化の幅はそれほど大きくなかったが、その効果は実感できた。


USBケーブル:AudioQuest「USB Carbon」
【効果】→最も大きな効果。空間の広がりや響きの豊かさが大幅に向上

続いて、USBケーブルをAudioQuestのUSB Carbonに換える。USBケーブルでの音の変化の大きさはある程度想像がついていたので、その他のアクセサリーの効果を把握してから、投入のタイミングをあえて後にした。筆者は普段USBケーブルに同じくAudioQuestのUSB Forestを使っているので、同メーカーのグレードアップということになる。

AudioQuest「USB Carbon」

一聴して、今までで最大の効果が感じられる。「She’s a Super Lady」の冒頭、ドラムの存在感やベースの厚みと沈み込みが著しく改善され、さらに濃密な空気感が表出した。他の曲も一様に音の厚み・空間の広がり・響きの豊かさで大きな改善が感じられた。薄靄が晴れて、より稠密な音の表情が顕わになったという印象である。

普段使っている「USB Forest」(右)と比べると効果の差は歴然

今まで試してきたアクセサリーは主にSonica DACの長所を伸ばす方向性と言えたが、USB Carbonの効果はまさに、私がSonica DACに感じた「響きや空気感は薄い」という点を見事に補うものだった。


仮想アース:光城精工「Force bar EP」
【効果】→“仕上げ”的な、全体の底上げ効果が得られた

締めとして、光城精工の仮想アース「Force bar EP」を試す。Sonica DACの背面端子の電源インレット(電源ケーブルの差し込み口)には、アース端子が装着されている。これはOPPOが音質対策のひとつとして用意したものなのだそうだ。仮想アースというのは筆者としても初めての経験で、はたしてどんな効果があるのか興味津々だった。

光城精工「Force bar EP」

音の変化は電源ケーブルをゾノトーン「6NPS-3.0 Meister」に交換した時と似ていて、全体的なS/Nが向上し、さらなるノイズ低減によって音場の見通しも一層良くなる。他のケーブルやインシュレーターとは異なり、ピンポイントでの音の変化を明確に感じさせるというよりは、全体的な底上げの効果があるように感じた。アクセサリーを投じて様々に変化した音を、最終的に調和させたと捉えることもできよう。


ケーブル交換やアクセサリーの追加で、Sonica DACの潜在能力はまだまだ引き出せる

ここまでSonica DACにあれこれとアクセサリーを使ってきた。効果の大小や方向性の違いはあれど、いずれのケーブルやアクセサリーについても効果あるいは改善を感じることができた。

その中でも特に効果が大きかったのはUSBケーブルの変更だった。AudioQuestの「USB Carbon」は、筆者がSonica DACに対して「価格的な限界」と感じていた空気感の再現について、特に効果を発揮してくれた。Sonica DACをお使いのユーザーであれば、まずはUSBケーブルの交換を試してみると良いだろう。

Sonica DACはユーザーによる様々な工夫に対し、音の変化でもって応えられるだけの高い基礎性能を有している

その上で、使用する状況や予算と相談しながら、ラインケーブルや電源ケーブル、インシュレーターを試してみるといい。今回組み合わせたものの中ではラインケーブルの交換における変化が大きかったが、このあたりはSonica DACと各アクセサリーの相性もあるだろう。

様々な工夫によるひとつひとつの改善幅は小さくとも、それらを丁寧に積み上げていけば、最終的に明確な向上となって実感できる。これはオーディオの醍醐味のひとつだ。そしてSonica DACは、ユーザーによる様々な工夫に対し、音の変化でもって応えられるだけの高い基礎性能を有している。

もちろん、これは特定のアクセサリーを使えばそれだけで音が激変するといった単純な話ではなく、筆者はあくまでも、音質とはプレーヤー・アンプ・スピーカー・それらのセッティングを含めたトータルで考えなければならないという立場である。

一方で、このようなオーディオの楽しみ方はハイエンドオーディオの世界の特権ではないことを、Sonica DACで改めて実感させられた。Sonica DACをすでに導入されている方には、ぜひ記事を参考に、その音の変化を楽しんでもらえたらと思う。


特別企画 協力:OPPO Digital Japan

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