意識しなければワイヤレスだと忘れるほどのサウンド

入門Bluetoothイヤホンの新スタンダード!オーディオテクニカ「ATH-CKR75BT」レビュー

岩井 喬

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2017年06月21日

ワイドレンジでヌケの良いクリアなサウンド
入門クラスの新スタンダードと言える製品


試聴用の再生機にはAstell&Kern「AK70」を用い、aptXコーデックにて音質チェックを行った。


基本的なサウンド傾向としてはレンジの広いスムーズな性質で、中低域の制動性も高く、クリアでヌケ良く爽やかである。Bluetooth伝送であることを思わせない、滑らかで落ち着きのあるサウンドでもあり、女性ボーカルもハリ良く澄んだ質感で描き出す。

クラシックのレヴァイン指揮/シカゴ交響楽団『惑星』から「木星」では、管弦楽器の旋律を丁寧にトレースし、太鼓系の響きもキレ良く、低域方向も穏やかで、細やかなニュアンスもヌケ良く聴き取ることができる。余韻の爽やかさも印象的だ。

続いてジャズのオスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』から「You Look Good To Me」は、硬質でコロコロとしたピアノのアタック感がすっきりとした音場を作り出す。ハーモニクスも低域を控えめにまとめていることで、全体的にクリアな表現だ。ウッドベースは弦のたわみ感を鮮やかに引き出し、胴鳴りもハリ良くむっちりとした伸びやかな響きとしてまとめる。スネアブラシの質感も丁寧で、かっちりとしたアタックも付帯感がない。

ロックのデイヴ・メニケッティ『メニケッティ』から「Messin’ With Mr.Big」では腰高で爽快感あるエレキギターの描写が印象的で、キックドラムやベースは密度良くタイトにまとめる。スネアのアタックも硬めで、シンバルの余韻も綺麗だ。ボーカルはハリ良くスマートで、全体としてバランス良くキレあるロックサウンドだ。さらに、TM NETWORK『CAROL』から「SEVEN DAYS WAR(FOUR PIECES BAND MIX)」ではボーカルはすっきりとして伸びやか。ベースは締まり良く、ヌケ感の高い音場が展開。空間性も高く見通しも澄んでおり、意識しなければワイヤレス環境で聴いていることを忘れるほどだ。

リモコン部に充電用のmicroUSB端子を用意。最大約7時間の連続音楽再生が可能だ

一方、女性ボーカルものとしてRay「季節のシャッター」も聴いてみたが、密度良く粘りのあるベースのリッチな押し出しに対し、エッジの効いたハリ良くクリアなボーカルが対比良く融合し、メリハリの効いた明瞭なサウンドとしている。シンセの伸び良い旋律も鮮明で、分離の良さも印象的だ。井口裕香『Hafa Adai』から「Shining Star -☆- LOVE Letter(Summer ver.)」ではボーカルの柔らかさも巧みに描き出し、ボトムのふわっとした質感も丁寧に表現。甘く滑らかな口元の描写も厚み良くまとめ、素直で爽やかな曲調とバランス良く融合する。



高級なBluetooth機を中心にハイレゾ相当のコーデックを採用するモデルも増えているが、ATH-CKR75BTは、現実的な価格帯で高音質を目指したことに意義がある。初めてワイヤレスイヤホンを購入するユーザーにとっても従来からの有線環境とそん色ないバランスで音楽を楽しめる上質なサウンドが特長であり、エントリークラスの新たなBluetoothスタンダードとなるクオリティを持つ製品といえるだろう。

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